ランニングサポーター久保のランニングスクール

練習は考え方とやり方次第 vol.4

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久保健二さん

ランニングサポーター 久保健二さん

  • ランニングが大好きで毎日のように走る傍ら、クラブチームのコーチも務め、
    数多くの一般ランナーの指導をおこなっている
  • ラン歴21年
  • 実業団陸上部に11年間在籍

こんにちは。ランニングサポーターの久保です。

今回は「練習は考え方とやり方次第」の最終回、「力を出し切れるようイメージしながら走る」についてご説明します。

主観的運動強度と自分のイメージしたペースとの間に少しずつ誤差がなくなってきたら、力を出し切る練習へと移行しましょう。

力を出し切るとは、自分の持てる力をムダ無く使い切るということです。
前半のオーバーペースがたたって後半失速してしまい、本来の力を出し切ることができなかった……前半を抑え過ぎてしまい後半にペースアップはできたものの、走り終わってみるとまだまだ体力が残っており、もっと頑張れたのではないかという中途半端な気持ちが残る……このような感じで走ると、マラソンにおいて前半のハーフタイムと後半のハーフタイムに大きな誤差が出てしまいます。
自己記録が出たときや速いランナーのスプリットを見てみると、大きな誤差はありません。イーブンペースで走る、これが記録を出す上では重要なポイントとなってきます。

前半でタイムを稼ぐなんて考えないでくださいね。トップ選手はイーブンペースで走っているように見えますが、前半はとにかく力を貯めて楽に走るよう心がけ、後半は粘りの走りで頑張っています。結果、タイムがイーブンになっているのです。後半の落ち込みを粘りでカバーしているんですね。記録を出すには後半踏ん張れることが大前提です。ですから、前半行けるだけ行って潰れるという考えは、本来の力を出し切れない結果へと結びつく可能性が大きいことを念頭に置いておいてください。

それではどのようなことをすれば踏ん張れたり、力を出し切れるようになるのでしょうか?

それは「意識した練習」を日ごろからすることです。
今回も10kmのビルドアップを例に挙げて考えてみましょう。前回より細かく距離を分けて、0~3km、4km~6km、7km~9km、ラスト1kmといったポイントでペースアップしていきます。主観的運動強度の設定は次の通り。途中までは前回と一緒です。

  1. 1km~3kmまでは
    しゃべるとキツいけど、しゃべらなければ集中して走れる心地いいペース。
  2. 4km~6kmまでは
    呼吸はゼーゼーハーハーしだしたけれど、決してガムシャラな全力ではない。余裕をもちつつも、粘りの走りができている状態。(汗がジワジワ出てきます)
    主観的運動強度で言えば、速い
  3. 7km~9kmまでは
    さらにペースアップして体の細胞を総動員しているような感じ。(汗が急激に出てきます)
    主観的運動強度で言えば、速くてフォームを維持するのがやっと
  4. ラスト1km
    行けるところまでスピードを上げる。このときもゴール前が一番スピードが上がるように。(腕も大きくラストスパートをイメージして)

今回のポイントとしては、最後の1kmがどこの1kmよりも1番速いタイムにならなくてはいけません。中盤を上げすぎて、最後に失速したのでは意味がありません。必ず練習を開始する前から、最後の1kmを1番速く走るという意識で臨んでください。
そのためにはイメージが何よりも大切。
1〜3kmまでは体力も気持ちも余裕があるでしょう。しかし、ポイントポイントでスピードアップしてからはより慎重にならなければいけません。調子がよいからといって4〜6kmのポイントでペースを上げ過ぎてしまうと、次の7〜9kmのポイントのペースアップでいっぱいいっぱいになってしまい、体に余裕度もなくなってしまいます。そうなると最後の1kmはそのままのペースを維持するがやっと、もしくは失速してしまいます。このラスト1kmはさらにグッとペースを上げていかなければなりませんから、ところどころで体のチェックが必要となります。

  1. このままのペースでいくと最後まで体力が持つだろうか?
  2. ラスト1kmで全力に近いペースまで上げられるのだろうか?
  3. 逆に余裕がありすぎてはいないだろうか?このままいっても最後に上げられそうだから、今のペースをもう少し上げてみようかな?

このようなことを常にイメージし、体のチェックをしながら走ってください。
スタートからゴールまでを見据え、エネルギーの使い切り、残量をイメージしながら走るのです。

これらは車と一緒です。
燃料を入れたばかりのころは心配ないですが、徐々に燃料がなくなり、あとわずかになると燃費がよくなるような運転を心がけたり、あと何キロくらいならいけそうだなどと考えたりしませんか?携帯電話でも、最初から頻繁に使いすぎると電池を消耗するということは想像できます。残りわずかになったら慎重になりますよね。

走りでもこのようなイメージができるようになると、マラソンでも練習でも突っ込み過ぎることはありません。中盤、気持ちよくなってきてもペースが上がることはありません。
ペースが上がっても抑えて走るよう主観的運動強度のイメージを脳が覚えています。練習でも最後にペースを上げて粘りの練習をしていますから、キツイところで粘れる体もできています。
マラソンの失敗は、自分が持っているトータル的な体力をイメージできないまま、そのときの気持ちによってペースを配分しているところにあります。そうならないために、ビルドアップ走でエネルギーの使い方や使い切り方を学びましょう。

この走りで体にどう影響を及ぼすのか、先々を見据えて積極的に挑んでください!
みなさんがよりよい練習をして、よりよい成果に繋がることを願っています。

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