ランニングサポーター久保のランニングスクール

爪先寄りの着地?それとも踵からの着地?

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久保健二さん

ランニングサポーター 久保健二さん

  • ランニングが大好きで毎日のように走る傍ら、クラブチームのコーチも務め、
    数多くの一般ランナーの指導をおこなっている
  • ラン歴21年
  • 実業団陸上部に11年間在籍

こんにちは。ランニングサポーターの久保です。

最近よく質問されることがあります。それは足裏の着地についてです。

「走るときはフォアフット着地の方がいいのでしょうか?」
「踵着地ではダメですか?」

フォアフット (ミッドフットとも言います)着地とは、足裏のやや前方、爪先寄りで着地することです。着地時における脚や体へのダメージが少ないとされています。踵着地とは、踵から着地することです。進行方向に逆らって着地しますから、踵でブレーキをかけて走っていることになり、体や脚への負担が増すとされています。世界の長距離界に衝撃を与え続けているケニアやエチオピアの選手のほとんどがフォアフットで着地しています。

ここでイメージしてみましょう。
あなたは今、アスファルト上に溜まった大きな水溜りの前に裸足で立っています。
助走をつけて思いっきりジャンプし、大きな水溜りを飛び越えてみてください。そのとき、意識的に踵から着地するようイメージしましょう。
ジャンプして踵から着地した結果、その大きな衝撃は頭のテッペンまで響いてくるような感覚を持ちませんか?また、次の一歩を踏み出すのも困難になってきませんか?
実際にやってみると大抵の方は無意識に爪先のあたりで着地しています。

次に、あなたは悪代官の会合を偵察しに来たニンジャです。物音を立てないようにそーっと廊下を歩かなければなりません。忍び足で・・・。
そのとき、踵から着地して歩きますか?抜足、差し足、忍び足というように、そっと爪先を地面に置いて歩いているはずです。なぜなら、踵からだと体の安定を保つことができず、ドスドスと音を立ててぐらついてしまい、足音を消すどころではなくなってしまうからです。爪先から着地すると体が安定し、体重の移動もしやすくドスドスといった音もでないはずです。安定しないということは、いろいろなところに負担がかかってしまいます。

このように、体は意識しなくともダメージがこないような着地、体が安定する着地を知っているんですね。
走りも一緒です。スムーズに体を前へ進めるためには、できるだけ進行方向に対してのブレーキをなくし、脚や体への負担を軽減させて安定感のある着地で走りたいものです。
ですから私はできるだけ踵からの着地は少なくして走った方がよいと思っています。
とはいえ、こればかりは人それぞれ重心の位置が違いますし、どうしても踵から着地してしまう走りの方もいます。
少しでも重心の真下で足をつけるようイメージして、足裏に体重を預けることができるようにしてみてください。フォアフットというイメージより、最初は足裏全体で着地するフラット着地のイメージを持った方が体が前に乗ってきやすいかもしれませんね。

しかし、ここでひとつ危険なことがあるということを知っておいて欲しいのです。
それは、フォアフットもしくはフラット着地をしようとして頭から入ること。頭から入るとは、頭だけで考えてフォアフット走法をしようと試みることです。そうすると怪我をしたり、より負担のかかる走りになってしまう可能性があるので十分に気をつけて下さい。

大事なのは、体の軸と骨盤がしっかりしていなければ、フォアフットで着地することは難しいということを理解することです。
頭が前のめりになっていたり腰が引けていたりすると、フォームがくの字を描いてしまい踵から着地するようなフォームになってしまいます。このような走りだと上下動が生まれ、ももの前側の負担が大きくなり、膝を痛めてしまう方が多いです。
軸をしっかり作るとは、くの字ではなく、真っ直ぐのラインを後頭部から背中、腰にかけて作ってあげること。
頭が前のめりにならないよう頭を背骨の上に乗せ、首筋を上に引っ張ります。そうすると自然とアゴも引けて、頭のテッペンから上へと引っ張られているような感覚になります。背中あたりにも力が入ってきて、お腹も上へと押し上げられてきますよ。

真っ直ぐの軸ができたら、骨盤を前傾させることを意識しましょう。
これで体の重心を前へとスムーズに移動させるための基礎ができてきます。
以前にも骨盤の前傾についてはお伝えしましたが、骨盤が後傾になってしまうと体の軸はくの字になってしまいます。骨盤が後傾したままでフラット着地を試みようとすると、重心が後ろにあるまま爪先で着地しようとするので、ふくらはぎやアキレス腱なども痛めるおそれがあり、あらゆるところに負担が倍増してしまいます。
頭から入ってはいけないとお伝えしたのはここに理由があります。骨盤の前傾ができているからからこそ、フラット着地があると考えてくださいね。
自分自身で走っていて最近分かってきたのですが、腕振りが脚の回転より遅くなってしまうと、重心が後ろに残りすぎてしまい踵よりで着地してしまう傾向にあります。あくまで私の走りにおいてですが、腕振りで体の重心を前へ押し出してあげることも重要な要素だと感じています。

今はマラソンシーズン真っ只中。42kmもの長い距離を走りますから、最初からできるだけ負担のかからないフォームで走りたいものです。
30kmまではいかにエネルギーを温存できるかです。ゴールをハッピーに迎えられるよう、日頃からフォームのことにも気をつけながら走ってみてください。

最後に。
フォアフット着地が先行してはいけませんよ。頭から入ってはいけません。
基礎となる体の軸と骨盤が安定して走れるようになった結果、フォアフット着地に近い走りもできるようになるのですから。

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