ランニングサポーター久保のランニングスクール

リズムのお話

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久保健二さん

ランニングサポーター 久保健二さん

  • ランニングが大好きで毎日のように走る傍ら、クラブチームのコーチも務め、
    数多くの一般ランナーの指導をおこなっている
  • ラン歴21年
  • 実業団陸上部に11年間在籍

こんにちは、ランニングサポーターの久保です。

リズムがいい人と走っていると、自分の走りも自ずとよくなったりします。
またリズムのよい走りをしている人がいると、つい声をかけたくなってしまいます。
「リズムがいいですね」と。
逆にキツそうに走っている人を見ると、「リズムよく走ってください!」なんてことを声がけしたりもします。私が横について並走し「イチ・二ー、イチ・二ー」と脚の接地に合わせて声をかけてあげたりすると、落ちていたペースが戻ったり、そこからペースが上がったり、ここぞというときに頑張れたりするんです。「リズムがよくなりましたね。」、そう一言投げかけると、「おかげで頑張れました。」と笑顔の表情。その方の走りに貢献できたとこちらまで嬉しくなります。

ん・・・、ちょっと待てよ。
ここで私の中にいるもう一人の自分がこんな疑問を問いかけてくるんです。

今まで当たり前のようにリズムっていう言葉を口にしているけれども、そもそも、リズムって何だい?いいリズムって一体どういう走りのことを言うんだい?一般の人はリズムよく走れって言われても、実際どういう感じで走ればいいのかよくわからないんじゃないの?

・・・・確かに!

それからというもの、カラダではわかっていても、上手く言葉で説明できないリズムについて深く考えるようになりました。どうしたらよいリズムというものを伝えることができるのか・・・。
そうなると、まずはピッチとストライドのことからお話ししたほうがよさそうです。

【ピッチとストライドについて】
リズムは、走るピッチに置き換えることができます。これは通常脚が出るペースやテンポのことです。ストライドとは、1歩の長さを示します。いわゆる歩幅ですね。走る速度はこのピッチとストライドの掛け算で表すことができます。

分速(m / 分) = 歩幅(m / 1歩) × ピッチ(歩 / 分)

要するに歩幅が広く、それに伴いピッチの速い動きができれば速く走れるということになりますね。
例外もありますが、研究者によると大抵のランナーは1分間で180歩~200歩のピッチを刻むことがわかっているそうです。この数値は人間にとって自然な数値だと解説されています。
このことから、先ほど出てきた速度を求める方式のピッチ(歩 / 分)は、180~200(歩 / 分)といった数値になるので、180(歩 / 分)より少ないピッチのランナーはまず1分間で180歩というピッチを刻めるように頑張ってみることが大事かもしれません。これは1秒間に3歩刻むということです。結構キツいかもしれませんがやってみる価値はありますよ。
※以後、(歩 / 分)を、BPMと置き換えることにしましょう。音楽でよく聞く言葉ですよね。演奏の1分間における拍の数(テンポ)を表す単位ですから同じことになります。

メトロノームのアプリなどを利用すると便利です。180BPMにセットして、メトロノームのリズムに合わせて走ってみてください。最初とてもキツいと感じる方は、160BPM、170BPMと徐々にピッチを上げて慣らしていくといいでしょう。

【負担を極力避けるために】
それでは、なぜ180BPM~200BPMの間でピッチを保たないといけないのかをお話しします。
ピッチが減ってくるとポーン、ポーン、と飛ぶような走りになり、上下動が起こるとともに体の浮き沈みが激しくなります。足の接地時間が長くなることで脚への負担が増し、マラソンにおいて後半失速するといったことに繋がりかねません。ちょこまかちょこまか走るように、ピッチを速くしてみると、足の接地時間が短くなり上下動も軽減します。これが効率的な重心移動につながり、エネルギーロスが少ないフォームになっていくのです。

レースや練習などで疲れてくると、ほとんどの方にみられるのがピッチ数の減少です。自ら負担のかかる走りへと誘ってしまう傾向にあるので、日頃から180~200BPMのピッチ数を意識して走るのは後半の粘りにもつながってくると思います。
冒頭でキツそうに走られている方に、私が横について並走しながら「イチ・二ー、イチ・二ー」と脚の接地に合わせて声をかけてあげたりすると、走りが復活するということを述べました。おそらく、私の掛け声は180BPM~200BPMなのでしょう。ピッチが落ちていたところを掛け声に合わせたことで、本来の適正ピッチへと修正された結果、頑張れたのです。無意識ですが、私の体は効率的なピッチを体全体で覚えているのだと思います。

【元マラソン世界記録保持者のピッチ数を数えてみました】
世界で初めて2時間3分台に到達し、マラソンを一挙にスピード化させたエチオピアの皇帝と呼ばれたランナーがいます。トラック種目の5000mでも10000mでも元世界記録保持者で、オリンピックも2連覇し、世界陸上では5連覇と驚異的なスピードに加え、勝負強さも兼ね揃えたランナーです。
そのランナーがマラソンで世界記録を出したときのレースと、オリンピック10000mでチャンピオンになったときのレース(中間走)でのBPMを、メトロノームを使って計測してみました。

■結果
・マラソンのピッチ
185BPM(ハーフ通過時点)

・10000mのピッチ
186BPM(5000m通過時点)

42.195kmを走るスピードと、10000mを走るスピードでは天と地ほどの差がありますが、180~200BPM内に収まっており、しかも驚きなことに1BPMしか誤差がありません。多少レースの駆け引きによってBPMは変わりますが、それでも5~10BPMくらいしか違わなかったです。これはストライドでスピードを調整しているということであり、基本的なピッチ、リズムは変わらないということが言えます。

【まとめ】
リズムよく走るということは、自分の適正ピッチを180~200BPM内に見つけ、エネルギーロスのない効率的なピッチを刻むということです。
みなさんもときにはピッチを意識して、リズムよく走ってみてはいかがでしょうか?

こちらのサイトでも、私がリズムを掴むためによく聞いていた曲の紹介をしていますので、ぜひ参考にしてみてください。
リズムでみなさんの走りがよくなることを願っています!

楽しく走り続けるためのランニングコミュニティーサイト
「RNDE(ランデ)」
http://rnde.net/art-and-music/2015/06/12/142

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