がん

大塚製薬の
がん領域への取り組み

がんは、あらゆる疾患のなかでも特に死亡率が高く、日本では死因第1位を占めています。そのため、世界中で新たな薬剤の誕生が待ち望まれています。大塚製薬は、世界中のがん患者さんに貢献したいとの思いから、1983年に藤井記念研究所(当時琵琶湖研究所)を設立し、抗がん剤研究に取り組んできました。現在では、特に血液がん・免疫領域を中心に、国内外のパートナーと連携しながら新たな治療選択肢を提供しています。

大塚製薬は、2008年に造血幹細胞移植前治療薬の全事業を獲得し世界で事業を開始。本剤は血液がんに行われる造血幹細胞移植の前治療として、放射線治療と並び必須の薬剤として患者さんに貢献しています。

大塚製薬は、2013年にがん領域の研究開発をより強化するため、独自の分子設計創薬技術をもつバイオベンチャー企業アステックス社を子会社としてパートナーに迎え、新たなアプローチによる革新的な新薬創製を共に行っています。また、既存の薬物治療に抵抗を示す慢性骨髄性白血病(CML)患者さんの治療薬について、米国アリアド社*と日本を含むアジア10カ国・地域で共同開発・商業化の契約を締結し、2016年から日本で販売を開始しています。

  • *2017年に武田薬品が買収

大塚製薬は、また、治療薬に留まらず診断用医薬品を通じ、がん領域への貢献も目指しています。急性骨髄性白血病(AML)や骨髄異形成症候群(MDS)のモニタリングに使用する製品、そして慢性骨髄性白血病(CML)の診断補助および治療効果のモニタリングに使用できる国際標準の体外診断用医薬品を販売しています。さらに造血器腫瘍を対象とするがん遺伝子パネル検査を国内主要施設と共同開発しています。

がん領域におけるパートナーシップの強化

これまでにない発想で専門的な研究を行っている企業やアカデミアと連携。情熱と好奇心を高め合い、創薬研究を進めています。

Astex

アステックス社(英国)

1999年に設立されたアステックス社は、X線結晶構造解析技術を進化させ、従来の技術に頼らない独自のフラグメント創薬技術を確立しました。がん領域において複数の化合物を創製し、臨床開発を行っています。タンパク質の立体構造を原子レベルで解析できるクライオ電子顕微鏡のコンソーシアム設立にも主導的な役割を果たしており、フラグメントベースの創薬技術のリーディングカンパニーとして世界から評価されています。

  • 観察法の開発に貢献した3人の研究者が、2017年ノーベル化学賞を受賞
大阪大学

大阪大学(日本)

IFReC(大阪大学免疫学フロンティア研究センター)と先端的研究に関する包括連携契約を2017年に締結。大塚製薬は、IFReCの免疫学に関する先端的な基礎研究のさらなる発展を支援し、研究成果の社会への還元を目指します。IFReCの研究成果と大塚製薬の独創的な研究を融合させ、新たな創薬の開発につなげていきます。また、大阪大学が開発している多発性骨髄腫に対する新規「CAR-T細胞療法」に関する独占的ライセンス契約を2018年、新規抗腫瘍抗体に関する独占的ライセンス契約を2022年に締結しました。

疾患領域