大塚製薬株式会社

医療関連事業
2008年1月30日

大塚製薬
アントシアニジンとレスベラトロール
新規2項目のポリフェノール測定サービス 1月31日 開始

大塚製薬株式会社(本社:東京都千代田区、社長:樋口達夫)は、食品・飲料中に含まれる ポリフェノールとしてその機能が注目されているアントシアニジンとレスベラトロールの測定サービスを1月31日に開始いたします。

アントシアニジンはぶどうやブルーベリーの皮などに含まれるアントシアニン(紫の色素。600種類以上ある)のアグリコン型*1です。本測定では、主要なアントシアニジン6種(シアニジン、デルフィニジン、マルビジン、ペツニジン、ペオニジン、ペラルゴニジン)を同時に分別定量できます。アントシアニジンは強い抗酸化作用を持ち、健康の維持に関与する成分として注目されています。

レスベラトロールは、ぶどうに多く含まれるポリフェノールの一種で、ワインと健康との関係における重要な機能成分の一つとして従来から注目されていました。近年、レスベラトロールによる酵母菌の寿命を延長する作用メカニズムなどが報告されています。
本測定では、食品・飲料中にシス体とトランス体として存在するレスベラトロールをそれぞれ区別して定量することが可能です*2

  • *1:ポリフェノールは多くの場合、食品中では糖が結合した配糖体として存在し、消化の過程で糖が結合していないアグリコン 型として体内へ吸収されるといわれています。配糖体=アグリコン+糖。
  • *2:レスベラトロールは、立体構造の違いにより、シス体・トランス体に分けられます。シス体・トランス体は、生体内での利用の度合い・作用などが異なると考えられています。

大塚製薬は、多種類のポリフェノール類を一斉に分析するシステムを構築し、昨年6月21日より測定サービスを行っています。アントシアニジンとレスベラトロールは、これまで多くのご要望を頂いていた分析項目で、今回の測定サービスが加わり、既存の4項目から6項目となりました。いずれも、高速液体クロマトグラフィーで分離した多種類のポリフェノール類をクーロアレイにより電気化学的に検出する「マルチチャンネルクーロアレイHPLC法*3」を用いており、特異的かつ高感度に分析できることが特徴です。

  • *3:マルチチャンネルクーロアレイ:ポリフェノール類のフェノール基を電気化学的に検出する方法。フェノール基などの電気活性物質を対象としているため、検出の選択性があり高感度。

ポリフェノール類とは、緑色植物が光合成で作り出す色素や渋み・苦みなどの成分の総称です。ポリフェノールとして、赤ワインのアントシアニン、大豆のイソフラボン、お茶のカテキンなどが有名で、5大栄養素や食物繊維に次ぐ栄養素として注目されています。
食品・飲料や体内の個々のポリフェノール類濃度を把握することにより、ポリフェノール類の働きに関し、より詳しい情報が得られるものと考えられます。また、果実や野菜に含まれるポリフェノール類は産地や季節などによって含有量が異なるため、ポリフェノール測定データが他産地との差別化や収穫時期の調整などに役立つと考えられます。

大塚製薬は'Otsuka - people creating new products for better health worldwide'の企業理念のもと、世界の人々の健康に寄与してまいります。

マルチチャンネルクーロアレイHPLC法によるポリフェノール測定の特徴

マルチチャンネルクーロアレイHPLC法によるアントシアニジン測定の特徴

  1. 従来法(HPLC-UV)に比べ高感度・高精度な分別定量が可能です。
  2. 6種類のアントシアニジン(シアニジン、デルフィニジン、マルビジン、ペツニジン、ペオニジン、ペラルゴニジン)を同時に定量します。

マルチチャンネルクーロアレイHPLC法によるレスベラトロール測定の特徴

  1. 従来法(HPLC-UV)に比べ高感度・高精度な定量が可能です。
  2. シス体・トランス体を区別して同時に定量します。

分析項目概要

アントシアニジン

分析項目名 食品・飲料中ポリフェノール類6種(アントシアニジン化合物)
分析試料必要量 食品凍結乾燥物1g又は飲料100mL
分析対象物質 シアニジン、デルフィニジン、マルビジン、ペツニジン、ペオニジン、ペラルゴニジン

レスベラトロール

分析項目名 食品・飲料中ポリフェノール類1種(レスベラトロール)
分析試料必要量 食品凍結乾燥物1g又は飲料100mL
分析対象物質 レスベラトロール(シス体・トランス体)

分析内容・委託に関するお問い合わせ

大塚製薬株式会社 診断事業部管理部 分析センター
〒771-0195 徳島県徳島市川内町平石夷野224-18
TEL:088-665-8988