ページ内を移動するためのリンクです。

  1. ホーム
  2. 大塚製薬について
  3. ニュースリリース
  4. 2011年
  5. 中高年者の登山はどの程度の負荷な...

大塚製薬株式会社

2011年8月31日

ニュートラシューティカルズ関連事業

中高年者の登山はどの程度の負荷なのか」 
登山試験で BCAA摂取の“筋肉疲労抑制効果”の可能性を示唆

大塚製薬株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:岩本太郎)の佐賀栄養製品研究所は、信州大学大学院医学系研究科・能勢博教授と共同研究を実施し、中高年者における2日間の登山は日常の活動よりも負荷が高く、登山中には十分な栄養補給が必要なことを、実際の登山試験を経て明らかにしました。また登山中におけるBCAA*1摂取が筋肉の疲労を抑える可能性についても示唆しました。

  • *1:Branched Chain Amino Acidの略。必須アミノ酸の中のバリン・ロイシン・イソロイシンの総称。

近年、登山を楽しむ人が増加しており、登山人口は2010年時点で約1,070万人と言われています*2。一方で、特に中高年者において、疲労を原因とする遭難者数も年々増加しています*3。しかしながら、中高年者において実際には登山がどの程度の負荷がかかる活動強度であるかを示した研究はありませんでした。

これまで、当社を含め運動時のBCAA摂取による筋肉への影響や筋肉疲労抑制効果について数々の研究が報告されています*4。そのなかで、固定された自転車を用い、疲労困憊に至る運動を2日連続で行った場合、BCAA摂取により運動パフォーマンスの低下が抑制されることが報告されています*5

今回、中高年者における2日間の登山という、具体的な対象者に対して実際の運動試験を行ったことにより、負荷のレベルおよびBCAA摂取と筋肉疲労の関係について一歩理解を深めることができたものと考えます。また、共同研究を実施した能勢教授は、「登山は中高年者にとって非常に負荷の高い運動であることから、事前の運動トレーニングの重要性だけでなく、登山中の適切な栄養補給の重要性を改めて認識いたしました。」とコメントしています。

  • *2:日本生産性本部「レジャー白書2011」より
  • *3:警察庁生活安全局地域課「平成22年中における山岳遭難の概況」より
  • *4:「アミノ酸研究4」 p.43-49, 2010より
  • *5:RA Skillen et al. Int. J. Sport Nutr. Exer. Met. 18(5): 473-92, 2008

登山試験実施風景

研究の概要

背景と目的

近年、登山人口の増加にともない、特に中高年者において疲労を原因とした遭難者数が増加しており、遭難や事故防止のための体調管理が重要になっています。しかし、これまで登山の活動強度や、運動時の筋肉疲労抑制効果が報告されているBCAAを登山中に摂取したときの筋肉疲労への影響を示した研究はありませんでした。本研究では、実際に中高年者における1泊2日の長野県・常念岳(標高2,857m)登山を実施し、活動強度とBCAA摂取による筋肉疲労への影響を調べました。

方法

インターバル速歩トレーニングなどの運動習慣のある平均年齢63歳の中高年者21名(53~69歳)を対象とし、アミノ酸群(男性6名/女性4名)とプラセボ群(男性6名/女性5名)に分けました。アミノ酸群は顆粒タイプのアミノ酸含有食品(BCAA:2,000mg/本)を、プラセボ群は形状や味を同じにした等カロリーの糖質を含有する食品を、登山時にそれぞれ2日間にわたり20本ずつ摂取しました。そのうえで、登山中の活動時エネルギー消費量をはじめとした身体活動強度を経時的に調べ、登山前後には筋肉疲労の指標として垂直とびの変化を調べました。

結果と結論

2日間にわたる常念岳登山時の基礎代謝を除いた1日当たりの活動時エネルギー消費量は3,050 kJ(730kcal)であり、日頃の30分程度のインターバル速歩トレーニング時と比べて約7倍も高い結果となりました。そのため、中高年者にとって本試験のような登山は日常よりも活動強度が高く、必要なエネルギーも多くなることから、登山中には適切な栄養補給が必要なことがわかりました。また、垂直とびの変化は、登山前後にプラセボ群では10%以上の有意な低下を認め、アミノ酸群では差を認めませんでした。群間に有意な差はないものの、これらの結果は、1泊2日程度の登山中のBCAA摂取が、登山にともなう筋肉疲労を抑制する可能性を示唆します。

当社はこのたびの研究成果をもとに、運動時におけるBCAA摂取をはじめとした栄養補給の重要性を様々なシーンにおいて広く発信するとともに、負荷の高い運動と筋肉への影響、またその疲労抑制についてさらに研究を重ねることで、今後も人々の健康に貢献してまいります。

大塚製薬は‘Otsuka - people creating new products for better health worldwide’の企業理念のもと、世界の人々の健康に寄与してまいります。

参考:掲載論文について

題名 Energy expenditure during 2-day trail walking in the mountains (2,857m) and the effects of amino acid supplementation in older men and women
(中高年者における2日間にわたる登山(標高2,857m)時のエネルギー消費量及びアミノ酸摂取による影響)
著者 清水 宗茂(大塚製薬佐賀栄養製品研究所 研究員)
能勢 博(信州大学大学院医学系研究科 教授)ら
学術誌名 European Journal of Applied Physiology
(2011年7月9日にWEB版に掲載)

参考:使用したBCAA含有食品(顆粒タイプ)の栄養成分について

1本(4.5g)当たりの栄養成分 エネルギー:12.9kcal、タンパク質:2.4g、脂質:0g、炭水化物:2g、 ナトリウム:4.2mg
BCAA:2,000mg(バリン:500mg、ロイシン:1,000mg、イソロイシン:500mg)、アルギニン:500mg

本ニュースリリースの掲載情報は、発表当時のものです。