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大塚製薬株式会社

2012年08月01日

医療関連事業

バソプレシンV2-受容体拮抗剤「サムスカ®錠」
肝硬変における体液貯留の効能追加申請

  • 水利尿薬として世界で初めて「肝硬変における体液貯留」の適応症を申請
  • 国内に約27万人いる肝硬変の患者さんの約1/3は、体液貯留(浮腫)により、手足のむくみやお腹に水がたまることによる膨満感(張り)などの症状で日常生活に問題を抱えています。
  • 26年の粘り強い研究により生み出したファーストインクラスの「サムスカ」は世界13カ国・地域*1で展開

大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:岩本太郎)は、バソプレシンV2-受容体拮抗剤の「サムスカ®錠 (一般名: トルバプタン)」に関し、水利尿薬として世界で初めて「肝硬変における体液貯留」を対象に、厚生労働省への効能追加申請を7月に行いました。

肝硬変の患者さんは国内に約27万人いると言われています。肝硬変は、主にB型やC型のウイルス性肝炎やアルコール摂取過剰などの原因により発症します。肝硬変が進展し肝臓の機能が低下すると、様々な合併症が発生します。中でも、浮腫(むくみ)、腹水(お腹に水がたまった状態)などの体液貯留を抱える患者さんは約10万人いると言われています。体液貯留が起こると、お腹の張りを感じる、疲れやすくなる、呼吸がしづらいなどの症状が出てきて、水分の制限がされるなど、患者さんは日常生活で多くの問題を抱えることになります。

肝硬変における浮腫や腹水の治療には、水分・塩分制限に加え利尿薬が使われます。利尿薬が効きにくい場合には、薬の量を増やしたり、別の種類の利尿薬を加えたりして治療が行われますが、それにより血中の電解質のバランスが崩れる、腎臓の機能が低下するという懸念があります。また、利尿薬そのものの効果が減弱する場合もあります。そのため、肝硬変による浮腫や腹水の治療において、これまでの利尿薬とは作用機序の異なる新しい利尿薬が望まれています。「サムスカ」は、水だけを出すという新しい作用機序を持つ水利尿薬です。

「サムスカ」は、海外では低ナトリウム血症の治療薬として、2009年6月に米国、8月に英国、ドイツをはじめとする欧州各国で販売を開始しました。日本では、水利尿薬として世界初となる心不全における体液貯留の適応症で2010年12月から販売しています。現在、世界13カ国・地域で販売しています。大塚製薬は、バソプレシンV2-受容体拮抗剤の更なる可能性を追求し、現在治療法がない希少疾病である多発性のう胞腎(PKD)*2に対し、日本・米国・欧州でグローバルに本剤の開発を行っています。

  • *1:米国、イギリス、ドイツ、イタリア、スペイン、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、デンマーク、日本、カナダ、中国、台湾
  • *2:PKDとは、両側の腎臓に多数ののう胞(中に分泌液がたまって袋状になったもの)ができる病気で、多数ののう胞のため腎臓が大きくなり腎機能が低下していきます。開発中の対象疾患は、常染色体優性多発性のう胞腎:ADPKD(autosomal dominant polycystic kidney Disease )です。

参考資料

肝硬変の浮腫・腹水について

肝硬変の患者さんは、日本で約27万人いると言われています。主にB型やC型のウイルス性肝炎やアルコール摂取過剰による肝炎などが慢性化し進展することで肝硬変になります。肝硬変が進展すると、肝臓の機能のさらなる悪化や浮腫、腹水をはじめ食道静脈瘤、肝性脳症、黄疸、肝細胞癌など様々な合併症を伴います。この合併症の浮腫や腹水は、手足のむくみ(浮腫)、お腹に水がたまった状態(腹水)のことをいいます。この浮腫や腹水があると、疲れやすくなる、腹部膨満感がある、食欲が低下する、呼吸がしづらくなるといった症状がでてくることに加え、水分・塩分制限を求められるなど日常生活に問題を抱えることになります。
肝硬変で浮腫や腹水を抱える患者さんでは、こうした症状や腹水のために入院による治療を行うこともあります。浮腫や腹水の治療は、通常、塩分・水分制限に加え利尿薬が投与されますが、利尿薬が効きにくくなった場合は、薬の量を増やしたり、別の種類の利尿薬を加えたりして治療を行います。しかし低ナトリウム血症のような血液の中の電解質のバランスが悪くなっている場合は既存の利尿薬を十分な効果が得られる量まで増量できないことがあります。過去にそのような状態になった経験がある場合は初めから増量できないこともあります。また、腎臓の機能低下がある場合や低下しそうな場合も増量できないことがあります。一方で、肝硬変では血液中のアルブミン濃度が低下することがよくあり、その場合にはアルブミンに結合して体内で運搬される既存の利尿薬の効果が減弱することがあります。そのため、肝硬変による浮腫や腹水の治療において、これまでの利尿薬とは作用機序の異なる新しい利尿薬が望まれています。

本ニュースリリースの掲載情報は、発表当時のものです。