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大塚製薬株式会社

2013年3月27日

医薬関連事業

半世紀の時を超えて
大塚製薬の抗結核薬「デラマニド」
多剤耐性結核の適応症で国内初の承認申請

  • 大塚製薬が開発した新薬「デラマニド」が、多剤耐性結核の適応症で2011年の欧州申請受理に次いで、日本でも承認申請。多剤耐性結核の適応症での申請は国内初
  • 結核は、WHO(世界保健機構)が指定する3大感染症のひとつ。世界の人口の約1/3が結核菌に感染し、870万人が毎年新たに発症、年間140万人が死亡している。多剤耐性結核の推定患者数は44万人で、年間約15万人が命を落としていると言われている※1
  • 大塚製薬は40年以上、世界の公衆衛生上の大きな問題である結核の新薬開発に取り組み、抗結核薬の開発投資額は世界一位※2。抗結核薬の開発は大塚製薬の長年の夢

大塚製薬株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:岩本太郎、以下、大塚製薬)は、多剤耐性結核の治療薬として開発を進めている新規抗結核薬「デラマニド」(一般名)の国内の製造販売承認申請を2013年3月に行いました。デラマニドは、WHOのガイドライン又は結核医療の基準(厚生労働省)に従って、既存の標準治療(OBR※3)との併用が見込まれています。デラマニドは、厚生労働省から希少疾病用医薬品として指定されています。

今回の申請の際には、世界9カ国から17の医療機関が参加する臨床第II相試験より481名の多剤耐性結核患者さんの解析結果と、2本の長期試験の解析結果を併せた内容をもって申請しました。

今回の承認申請は、欧州医薬品庁(EMA※4)に2011年末に提出した医薬品販売承認申請(MAA※5)に続く大きな前進です。大塚製薬は、米国においてもデラマニドの承認申請を行う予定です。

臨床第II相試験では、喀痰を培養し結核菌を検出することによる評価(SCC※6)を行いました。SCCは、その患者さんの喀痰から結核菌が消失し,結核の感染性がなくなったことを示す指標です。既存の標準治療のみで治療された患者群では,2カ月間治療を行った時点のSCCが29.6%であったのに対して、標準治療に加えデラマニドを併用した患者群でのSCCは45.4%であったことから標準治療にデラマニドを上乗せすることによって53%の向上が認められました。長期試験の結果も含めた統合解析では、標準治療に加えてデラマニドまたはプラセボを2カ月間だけ服用した群では最終的な治療転帰が良好であった患者さんは55%であったのに対し、デラマニドによる治療を6カ月間受けた群では74.5%で良好な結果が得られ、死亡率も8分の1に低下しました。また、超多剤耐性結核(XDR-TB)患者さんにおいても、デラマニド治療を6カ月以上受けた患者群で持続的なSCCの上昇及び死亡率の低下が認められ、最終的な良好な治療転帰の改善が報告されています。

臨床第II相試験におけるデラマニドの忍容性は良く、すべての治療群における副作用の発生頻度は同様でした。プラセボと比較し、デラマニドを服用していた患者さんでは心電図検査においてQTの延長が認められましたが、立ちくらみや不整脈といった臨床徴候は見られませんでした。

現在、抗レトロウイルス薬を服用しているHIV感染症例を含む多剤耐性結核を対象としたグローバル臨床第III相試験が進行中です。

大塚製薬は、結核の研究に40年以上取り組んでおり、結核治療薬の研究開発に最も投資しています。結核は、過去40年以上新しい治療薬が開発されてこなかったことから臨床試験の実施は難しく、デラマニドの試験を実施する際にも先ず各国の治験実施施設と協力してインフラストラクチャーを整え、世界水準の試験としてデータの質と信頼性を確保することから始めました。ひとつずつ着実に結果を積み重ねることで、同じ夢を分かち合える研究者と専門家が加わりグローバルチームへと成長した仲間とともに、大塚製薬はこれからも治療薬を患者さんに適切に届けるために、結核への取り組みを推進していきます。

  • ※1 世界保健機構(WHO)より発表されたGlobal Tuberculosis Report 2012
  • ※2 TAG(Treatment Action Group)2012 Report on Tuberculosis
  • ※3 OBR = optimized background regimen
  • ※4 EMA = European Medicines Agency
  • ※5 MAA = Marketing Authorization Application
  • ※6 SCC = sputum culture conversion

参考資料

デラマニドについて

「デラマニド」は、ニトロ-ジヒドロ-イミダゾオキサゾールに分類され、結核菌の細胞壁を構成するミコール酸の生成を阻害することで効果を示す、新しい作用メカニズムを有する化合物です。1963年以来、結核の新しい治療薬は発売されていないのが現状です。

結核および多剤耐性結核について

結核は、感染力の高い、空気感染する感染症です。全世界の人口の約1/3が結核菌に感染していると推計されています。WHOの最新のレポート※7によると、約880万人が結核を発症し、約140万人が結核を原因として亡くなっています。
結核対策に対しては、多大な努力が行われていますが、依然として結核は公衆衛生上の大きな課題であり、過去20年の間には、これまでの第一選択薬が効果を示さない多剤耐性結核という新しい問題も生じています。薬剤の不足、品質、さらには服薬を途中で中断してしまうといった、結核の治療上の問題が、これらの耐性菌の出現に大きな影響を及ぼしています。多剤耐性結核は、毎年、約44万人の患者さんが発症し、15万人がこの疾患のために亡くなっていると推計されています※8。多剤耐性結核の86%は、世界の27カ国で起こっています。

  • ※7 WHOによるGlobal Tuberculosis Report 2012
  • ※8 WHOによるMultidrug and extensively drug-resistant TB (M/XDR-TB) - 2010 Global Report On Surveillance And Responseより

本ニュースリリースの掲載情報は、発表当時のものです。