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大塚製薬株式会社
H. ルンドベックA/S

2014年9月24日

医療関連事業

新規抗精神病薬「ブレクスピプラゾール」
統合失調症と大うつ病補助療法の適応で米国FDAが申請受理

  • 「ブレクスピプラゾール」は臨床試験において、統合失調症および大うつ病 (MDD)補助療法で改善効果を示し、良好な忍容性を示した。今回のFDAの申請受理により、審査完了は2015年7月の見込み
  • 本剤はドパミンD2受容体及びセロトニン5HT1A受容体に結合してパーシャルアゴニストとして働き、また、セロトニン5HT2A受容体にはアンタゴニストとして働く SDAM(セロトニン ドパミン アクティビティ モデュレーター)と呼ばれる新しい作用機序を有する化合物
  • 「ブレクスピプラゾール」は、大塚製薬とルンドベック社の中枢領域のグローバルアライアンスのうち、「エビリファイ メンテナ」に次ぐ2番目のグローバル開発品

大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:岩本太郎、以下「大塚製薬」)とH.ルンドベックA/S(本社:デンマーク、コペンハーゲン、CEO:ウルフ・ウインバーグ、以下「ルンドベック社」)は 2014年9月23日、米国FDAが成人の統合失調症の単剤療法および成人の大うつ病(MDD)補助療法としてブレクスピプラゾールの新薬承認申請(NDA)を受理しましたのでお知らせします。

本申請は、プラセボと比較したフェーズ2とフェーズ3試験において6,000名以上の患者さんが登録され、そのうち5,000名以上に「ブレクスピプラゾール」が投与された3つの統合失調症の試験および4つのMDD補助療法での試験を含む合計7つの臨床試験をもとに行いました。

大塚ファーマシューティカルD&Cの医薬開発部長兼CEOのウィリアム・カーソンは「大塚とルンドベックは、『ブレクスピプラゾール』の開発における重要な節目を迎えたこと大変誇りに思っています。精神的に健康であることは重要であり、精神障害を抱えることで家族や社会にも影響を与えることから、新治療の選択肢が広がることはこれからも不可欠でしょう」と述べています。

ルンドベック社の研究開発部長兼副社長のアンダース・ガ-セル・ペダーセンは「この度の複数の臨床試験は、成人の統合失調症と大うつ病における『ブレクスピプラゾール』の安全性と有用性を示す重要な科学的根拠となるものです。本剤は十分な有用性を有することから、新薬承認審査をFDAと共に進めていくことを楽しみにしています」と述べています。

処方せん薬ユーザーフィー法(PDUFA)が定める予定では、FDAのNDA審査は2015年7月11日に完了することになっています。

参考資料

「ブレクスピプラゾール」(英語名称:Brexpiprazole、開発コード:OPC-34712)について

「ブレクスピプラゾール」は大塚製薬が自社研究所で創製した化合物で、ルンドベック社と共同開発中の新規抗精神病薬です。既存の統合失調症単剤療法や大うつ病補助療法に比べ、優れた有効性と忍容性を提供できる精神疾患の治療薬を目指して開発を進めています。「ブレクスピプラゾール」はドパミンD2受容体及びセロトニン5HT1A受容体に強く結合してパーシャルアゴニストとして働き、セロトニン5HT2A受容体にはアンタゴニストとして働くSerotonin-Dopamine Activity Modulator(SDAM)と呼ばれる新しい作用機序を有する化合物です。

【試験概要】

1.成人の統合失調症における「ブレクスピプラゾール」の臨床試験概要

1つのフェーズ2および2つのフェーズ3でプラセボと比較した試験が、成人の統合失調症、約1,700名の患者さんに対して行われました。

最初のフェーズ3は約625名を無作為に割り付け、「ブレクスピプラゾール」を1日2 mgおよび1日4 mg投与しました。主要評価項目である6週目の陽性・陰性症状評価尺度 (PANSS) 総得点におけるベースラインからの変化量は、プラセボと比較してどちらも有意な改善を示しました(p<0.05)。主要副次的評価項目の結果はその結果を支持するものでした。

2番目のフェーズ3には約650名が参加し、「ブレクスピプラゾール」1日4 mg群では、6週目のPANSS総得点のベースラインからの変化量がプラセボと比較し有意な改善を示しました(p<0.05)。「ブレクスピプラゾール」1日2 mg群は、6週目にプラセボに対し数値上では改善を示しました。

フェーズ2の結果は、2011年11月第24回Annual US Psychiatric and Mental Health Congressにおいて発表されました。本試験は6週目のPANSS総得点によってプラセボと比較して統計的な有意差はありませんでしたが、測定したベースラインから臨床的に有意のある改善を示しました。

プラセボと比較したフェーズ2およびフェーズ3において、副作用による試験中断率は、「ブレクスピプラゾール」群では8.1%、プラセボ群12.7%でした。副作用において「ブレクスピプラゾール」群で5%以上にみられ、プラセボ群と比較して多かったのはアカシジア(5.8%対4.5%)でした。

2.大うつ病 (MDD)補助療法としての「ブレクスピプラゾール」の臨床試験概要

申請に含まれる4つの試験は、既存の抗うつ薬の治療のうち少なくとも2つの治療法に十分な改善効果を示さなかったMDD成人患者さんに対し「ブレクスピプラゾール」を投与する補助療法の試験です。無作為化に先立ち、不十分な反応とは、抗うつ剤での治療8週間後でも十分な改善が見られず症状が続いていることと定義しました。

MDD患者さんと、1~3剤のADT (抗うつ薬治療)に効果不十分であったMDD患者さんを2つの単盲検試験に組み入れ、ADTを8週間実施しました。この試験後、効果不十分な患者さんを無作為に「ブレクスピプラゾール」群またはプラセボ群に割り付け、ADTとの併用療法を6週間続けました。主要有効評価項目は、ベースラインから6週間のMADRS (Montgomery–Åsberg Depression Rating Scale)総得点の変化量でした。MADRS は大うつ病患者さんの症状の程度を評価するために一般的に用いる尺度です。両試験において「ブレクスピプラゾール」の補助療法はプラセボの併用より大きく改善し、良い忍容性があることも示しました。4つの試験には3,900名以上の患者さんが登録され1,800名以上の患者さんが参加しました。

最初のフェーズ3の結果は、2014年3月に第22回欧州精神科学会議 (EPA) のポスターセッションで発表されました。このフェーズ3は約380名が参加し、2mgの「ブレクスピプラゾール」の投与でプラセボと比較して有意に症状の改善効果を示しました(p<0.001)。

2番目のフェーズ3は、約675名の患者さんが無作為に3群に割り付けられ、抗うつ薬にプラセボ、「ブレクスピプラゾール」を1㎎または3㎎を上乗せして試験を行いました。「ブレクスピプラゾール」を投与した両方ともMADRSでプラセボと比較したところ症状の改善を示しました(1㎎ p>0.05、3 mg p<0.05)。

最初のフェーズ2には約425名の患者さんが4群に参加し、その結果は2011年5月の第164回年次米国精神医学会会議で発表されました。「ブレクスピプラゾール」1日1.5±0.5mgの6週間の投与によりMADRS総得点が有意に減少しました(p<0.05 vs.プラセボ)。2番目のフェーズ2は約372名の患者さんが無作為化され参加しました。その結果はまだ論文化されていませんが、最初の試験結果を支持するものでした。

4つのプラセボと比較した試験のフェーズ2と3で、患者さんの90%以上が試験を完遂しました。副作用による試験の中止率は、「ブレクスピプラゾール」群で2.9%、プラセボ群で0.8%でした。副作用において「ブレクスピプラゾール」群で5%以上にみられ、プラセボ群と比較して多かったのはアカシジア(8.6%対2.8%)、体重増加(7.3%対1.9%)でした。

2つの適応症における4つのフェーズ3の全データは、近く医学会および科学雑誌での学術的な発表を行う予定です。統合失調症と大うつ病補助療法のフェーズ3の結果は、2014年12月7~11日に開催される第53回Congress of American College of Neuropsychopharmacology (ACNP:アリゾナ州フェニックス)にて発表のための申請を行っています。

【大塚製薬とルンドベック社のグローバルアライアンスについて】

大塚製薬とルンドベック社は、2011年11月に開発の早期段階および後期段階にある2つの大塚製薬創製の薬剤※1とルンドベック社創製の最大3つの薬剤※2、最大で5つの化合物の共同開発と商業化におけるグローバルアライアンスを締結しました。世界の中枢神経領域の治療発展を重視した両社は、「Abilify Maintena」(エビリファイ メンテナ)を2013年3月に米国で発売、同年11月に欧州で承認を得て、2014年1月から英国で発売しています。カナダでも承認され両社がカナダで共同販促する初の製品となり、2014年4月から発売しています。

現在、両社が展開するグローバルアライアンスは、「Abilify Maintena」(エビリファイ メンテナ)の他、次世代のD2受容体パーシャルアゴニスト「ブレクスピプラゾール」、アルツハイマー病治療薬「Lu AE58054」の臨床開発が進行中であり、残りの2化合物においても協議が進んでいます。また、新たにアルツハイマー病ワクチン候補薬「Lu AF20513」、減酒薬「ナルメフェン」についても契約して共同開発・商業化を目指しています。

  • ※1 大塚製薬創製の薬剤:「エビリファイ メンテナ」、「ブレクスピプラゾール」
  • ※2 ルンドベック社創製の薬剤:「Lu AE58054」他2化合物

会社概要

H. ルンドベック A/S (H. Lundbeck A/S)

本ニュースリリースの掲載情報は、発表当時のものです。