大塚製薬株式会社

医療関連事業
2016年9月26日

アルツハイマー型認知症治療薬として共同開発中の「idalopirdine(Lu AE58054)」 のフェーズ3試験結果について

  • 大塚製薬とルンドベック社が共同開発中の「idalopirdine(以下、「イダロピルジン」)」の3本のフェーズ3試験のうち、最初の試験で主要評価項目を達成できなかった
  • 今回の試験で本剤の安全性と十分な忍容性が示された
  • 進行中の2本のフェーズ3試験結果については、2017年第1四半期に報告予定

大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:樋口達夫、以下「大塚製薬」)とH.ルンドベックA/S(本社:デンマーク、コペンハーゲン、社長兼CEO:コーレ・シュルツ、以下「ルンドベック社」)は、両社で共同開発している「idalopirdine(イダロピルジン)」(開発コード:Lu AE58054)について進行中の3本のフェーズ3試験のうち、最初の試験(STARSHINE試験)の主要評価項目の結果をお知らせします。

このフェーズ3試験は、アルツハイマー型認知症の軽度から中等度の症状に対する治療を行っている患者さんを対象として効果を検証するための臨床試験です。

STARSHINE試験では、「イダロピルジン」はドネペジルに併用して2つの用量群およびプラセボ群との比較で実施しました。2つの用量群とも主要評価項目である認知機能評価 (ADAS-cog: Alzheimer's Disease Assessment Scale- cognitive subscale)の総スコアの低下に対して十分な有効性が示されませんでした。また、副次評価項目であるプラセボ群との差もありませんでした。全般的な本剤の副作用に関しては、安全で十分な忍容性を示しました。さらに詳細な試験データは解析中です。

進行中の2つのフェーズ3試験(STARBEAM試験、STARBRIGHT試験)については、2017年第1四半期に結果が出る予定です。

「idalopirdine(イダロピルジン)」(開発コード:Lu AE58054)について

「イダロピルジン」は、選択的セロトニン5-HT6受容体拮抗剤です。セロトニン5-HT6受容体は、皮質や海馬のような脳の認知機能に関わる領域に発現しており、複数の神経伝達系の活動を調節しています。「イダロピルジン」は、モデル動物において認知機能を改善させ、またアセチルコリンエステラーゼ阻害薬であるドネペジルの海馬機能に対する効果を増強させました。複数の先行試験にて、セロトニン5-HT6受容体拮抗剤がアルツハイマー病のような疾患の治療に有益である可能性を示したことから、ルンドベック社は2009年11月より上記の24週間投与のフェーズ2試験(軽度から中等度のアルツハイマー病におけるドネペジルと「イダロピルジン」の併用療法)を実施しました。