大塚製薬株式会社

医療関連事業
2016年9月26日

新規抗精神病薬「REXULTI®(レキサルティ)」 統合失調症の維持療法の追加を米国FDAが承認

  • 「REXULTI®」(以下「レキサルティ」)の成人統合失調症の維持療法の追加を米国FDAが承認
  • 本剤の維持療法に対する有効性と安全性が長期ランダム化効果維持試験で確認された
  • 本剤とプラセボを投与した患者さんを比較した試験において、再発するまでの期間を本剤が有意に長くすることが証明された(p < 0.0001)

大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:樋口達夫、以下「大塚製薬」)とH.ルンドベックA/S(本社:デンマーク、コペンハーゲン、社長兼CEO:コーレ・シュルツ、以下「ルンドベック社」)は、成人の統合失調症の維持療法としての「レキサルティ」(一般名:ブレクスピプラゾール)」の臨床データを添付文書に反映することの承認を米国FDAより取得しましたのでお知らせします(米国時間2016年9月23日)。
このFDAの承認は、18歳から65歳までの成人の統合失調症患者さんを対象にした長期ランダム化効果維持試験の結果に基づいて行われました。

ホフストラ ノースウェル医科大学精神科教授 兼 ザッカー ヒルサイド病院 認知・予防プログラム科長のクリストフ・U・コーレル先生は「米国には約240万人の統合失調症の患者さんがおり※1、その75%に再発が起こり※2、症状が繰り返すことでさらに悪化していきます。この度、添付文書にデータを追加することで、統合失調症の患者さんの維持療法において『レキサルティ』は、再発するまでの期間を延長させる有益な薬剤であることが明確になりました。すなわち患者さんや主治医が、どの抗精神病薬を選ぶかを決めるときの新しい有益な情報となります」と述べています。

臨床試験結果について(Clinical Trials ID: NCT01668797)

18歳から65歳までの成人の統合失調症患者さんを対象とした「レキサルティ」の維持療法の有効性と安全性は、長期ランダム化試験として実施しました。試験は、前治療薬を漸減しながら「レキサルティ」に切り替えた後の12週から36週の単盲検試験として「レキサルティ」が投与されました。その後12週間症状が安定している患者さんを「レキサルティ」投与群(n=97)とプラセボ投与群(n=105)の2群に分け、ランダム化二重盲検試験として行いました。この二重盲検試験では、再発の兆候を測定し効果が維持された期間を確認しました。患者さんの再発の兆候はPANSSまたはCGI-Iのスコアの変化によって、悪くなった症状(精神症状の悪化による入院、自殺行為あるいは暴力や攻撃的な行為)を判断基準としました。
50%の再発イベントが起こった段階で中間解析をし、その時点で長期維持効果が明らかとなったため、本試験は計画より早く終了しています。最終解析によって、プラセボ投与群に比較して「レキサルティ」投与群(1mg~4mg/日)では統計学的に有意に再発までの時間が延長していることが示されました(ハザード比: 0.292、p < 0.0001)。

「REXULTI®(レキサルティ)」(一般名:ブレクスピプラゾール)」について

「レキサルティ」は、大塚製薬が創製した独自の薬理作用を有する新規化合物で、ルンドベック社と共同開発しました(アリピプラゾールの代謝物や異性体ではありません)。本剤は、ドパミンD2受容体およびセロトニン5HT1A受容体に結合してパーシャルアゴニストとして、また、セロトニン5HT2A受容体にはアンタゴニストとして働く、SDAM(Serotonin Dopamine Activity Modulator)と呼ばれる新規薬理作用を持つ化合物です※3。本剤は、2015年7月に米国で成人の大うつ病の補助療法と統合失調症の2つの適応症で承認されました。

  1. 1The National Alliance of Mental Illness, Mental Illness Facts and Numbers. March 2013. Available at: http://www2.nami.org/factsheets/mentalillness_factsheet.pdf
  2. 2British Medical Journal of Clinical Evidence. Schizophrenia (maintenance treatment). April 2009. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19445748
  3. 3Maeda, K. et al. Pharmacological Profile of Brexpiprazole (OPC-34712): a Novel Serotonin-Dopamine Activity Modulator. Poster presentation, American Psychiatric Association annual meeting, May 3-7, 2014.