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2017年12月8日

大塚製薬株式会社

ニュートラシューティカルズ関連事業

近畿大学の女性アスリート88人を解析
月経前症候群によるパフォーマンス障害は体内での「エクオール」
産生能の有無に関連する

近畿大学東洋医学研究所(大阪府、所長:武田卓)と大塚製薬株式会社(東京都、社長:樋口達夫)・佐賀栄養製品研究所は、人の体内で大豆イソフラボンから作られる活性物質「エクオール」について共同研究を行っています。このたびの研究で、女性アスリートの月経前症候群(PMS)・月経前不快気分障害(PMDD)によるパフォーマンス障害が、体内でエクオールを作れるかどうか(エクオール産生能の有無)に関連することを明らかにしました。

本件に関する論文が、平成29年(2017年)12月8日(金)17:00(日本時間)、産婦人科領域の専門誌「Journal of Obstetrics and Gynaecology Research」に掲載されました。 

本件のポイント

  • アスリートのPMS症状によるパフォーマンス障害とエクオール産生能の関連を調査
  • PMS症状によるパフォーマンス障害の克服には、エクオール産生能と栄養摂取が重要
  • エクオールの補給による女性アスリートのパフォーマンス向上に期待

本件の概要

「エクオール」は、人の体内において大豆イソフラボンから作られる活性物質で、特定の腸内細菌の有無によってエクオールを作れる人と作れない人がいます。これまでの研究で、日本人の閉経前女性の約42%が体内でエクオールを作りだすことができ※1、できない人はPMS/PMDDのリスクが2倍以上である※2という結果が出ています。

本研究では、女性アスリートにおけるPMS症状によるパフォーマンス障害とエクオール産生能の関連性を調査するため、近畿大学体育会クラブ所属の女性アスリート88人を解析しました。その結果、エクオール非産生者は産生者に比べて、PMS症状によるパフォーマンス障害のリスクが3.3倍と高いことがわかりました。また、競技による体重制限もPMS症状によるパフォーマンス障害のリスク因子となり、エクオール産生能とともに、適切な栄養摂取の重要性が示唆される結果が出ました。

女性アスリートがPMS/PMDDを克服して最高のパフォーマンスを発揮するため、エクオールの補給等によるPMS/PMDDへの新しい対策が期待されます。

掲載誌

雑誌名
「Journal of Obstetrics and Gynaecology Research」
アジアオセアニアの産婦人科領域の専門誌
論文名
Premenstrual symptoms interference and equol production status in Japanese collegiate athletes: A cross-sectional study(大学女性アスリートにおける月経前症状によるパフォーマンス障害とエクオール産生能との関連性:横断的研究)
著 者
武田卓(近畿大学東洋医学研究所)、上野友美(大塚製薬佐賀栄養製品研究所)、内山成人(大塚製薬佐賀栄養製品研究所)、椎名昌美(近畿大学東洋医学研究所)

研究の背景

月経前症候群(PMS)や、その重症型である月経前不快気分障害(PMDD)は、月経前の不快な精神症状・身体症状を引き起こし、女性の生活の質を著しく損ないます。近畿大学東洋医学研究所は、2014年に近畿大学体育会クラブ所属の女性アスリートの44.3%が、PMSやPMDDの症状により練習や試合について何らかの障害を自覚していることを明らかにしました※3。また、エクオール産生能に関しては、更年期障害・骨粗鬆症・心血管疾患などの、女性ホルモンに関連する疾患において発症リスク等で有利にはたらくことがわかっています。2016年には、近畿大学東洋医学研究所と大塚製薬の共同研究によって、エクオール非産生者はPMS/PMDDのリスクが約2.4倍となることも明らかになりました※1

研究の詳細

近畿大学全学体育会所属女性アスリート189人に、「大豆負荷試験によるエクオール産生能検査」と「PMS症状と競技に関する調査」を実施しました。調査結果を得られた88人を解析し、このうち73人(83%)が国際大会や全国大会に参加経験のある競技レベルの高いアスリートです。
エクオール産生者は26人(29.5%)で、一般若年成人女性の比率(20.6%)と同様の低い結果となりました。また、48人(54.5%)がPMS症状によるパフォーマンス障害を自覚していました。エクオール非産生者は、産生者に比べてPMS症状によるパフォーマンス障害のリスクが3.3倍と高くなりました。さらに、競技による体重制限もパフォーマンス障害のリスク因子(4.9倍)となり、あわせて栄養の重要性が示唆される結果となりました。

女性の健康の包括的支援実用化研究事業について

本研究は、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)の「女性の健康の包括的支援実用化研究事業」の助成を受け、「若年女性スポーツの障害予防のための介入研究」として実施しました。

出典

  1. 1Takeda T. J Obstet Gynaecol Res. 42(11):1575-1580. 2016
  2. 2Takeda T. J Obstet Gynaecol Res. 42(11):1631. 2016
  3. 3Takeda T. J Pediatr Adolesc Gynecol. 28(4):215-8. 2015

本ニュースリリースの掲載情報は、発表当時のものです。

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