原料を製造室に運ぶ作業を「搬入」と呼ぶんだ。くすりをつくる部屋に、原料が入ったコンテナを運ぶ作業を担当しているのが、「スタッカークレーン」と呼ばれる機械なんだよ。
スタッカークレーンに乗ったコンテナは、強力な風がでるエアシャワーを通って、製造室に運ばれるんだよ。
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くすりは病気や傷を治す手助けをしたり、病気の予防や診断に役立つものです。
くすりには、形や使用方法の違うものがたくさんあります。
※錠剤の工程を紹介しています。
工程1
くすりをつくるときに気をつけていることは?
くすりをつくる作業室は、いつもきれいな環境にしているんだよ。入室するためには、専用の作業服や手袋、帽子、マスクを身につけるんだ。ローラーがけをした後、手を洗い、清潔にしているんだ。
工程2
原料はどうやって量るの?
コンピューターの指示にしたがって、熟練した担当者が原料を正確に量っているんだ。原料ごとに正しい量をはかることは、くすりをつくる出発点なので、とても大事な作業なんだよ。
工程3
粉を粒にするのはどうしてなの?
原料を混ぜ合わせて成分がきちんと均一にいきわたるようにした後で、結合液を入れて湿らせ、粒子を整えて乾燥して、細かい粒状のサラサラな粉にするんだよ。くすりの出来具合を左右する大切な工程なんだ。
工程4
くすりはどんなふうに形成しているの?
造粒した細かい粒状の粉に、添加剤を加えてさらに混ぜ合わせた粉を型に入れ、上下から力を加えて押し固めてくすりの形をつくっているんだよ。原料を丸めるのではなく、圧力をかけて固めているんだね。
工程5
くすりの表面に印刷するのはどうしてなの?
コーティングはくすりの表面を膜でおおって苦いくすりを飲みやすくするんだ。くすりの表面には、製造会社やくすりの種類がわかるように番号などを印刷。カメラできちんと印刷できたか検査するんだよ。
工程6
どのようにくすりを包装しているの?
大きな透明のシートに熱を加えてポケットをつくり、そこへくすりを入れて、アルミフィルムをはり合わせるんだ。みんながふだん目にする大きさにカットしたら、くすりの説明書と一緒に箱につめるんだよ。
工程7
どうして出荷する前に検査をするの?
工程の途中でも何度も検査をしているけれど、完成したくすりも、幅広い知識と経験ある検査担当者によって、しっかり検査されるんだ。そこで検査に合格したくすりだけが、製品として出荷されるんだよ。
ココがポイント
コンテナの運搬は、機械が自動的に行っているんだ。
原料を製造室に運ぶ作業を「搬入」と呼ぶんだ。くすりをつくる部屋に、原料が入ったコンテナを運ぶ作業を担当しているのが、「スタッカークレーン」と呼ばれる機械なんだよ。
スタッカークレーンに乗ったコンテナは、強力な風がでるエアシャワーを通って、製造室に運ばれるんだよ。
ココがポイント
原料の間違いを防ぐために、バーコードを利用しているんだ。
原料やくすりが入った容器などには、すべてバーコードがはってあるんだよ。これは使用する原料を間違えないようにするためなんだ。必要な原料を呼び出すときは、コンピューターにバーコードを入力して倉庫から取り出しているんだよ。
原料の搬入からくすりを出荷するまで、ミスがないように、すべてコンピュータで管理されているんだ。
※バーコード:アルファベット、数字、記号などを太さの違う多数の黒と白の線(バー)の組み合わせによって表示したもの
ココがポイント
くすりをつくる作業室は清潔さが大事。色を使って衛生に気をつけているんだ。
徳島板野工場のくすりをつくる部屋には、緑色の床をしたグリーンの部屋と、黄色の床をしたイエローの部屋があるんだ。
グリーンの部屋では、包装済みのくすりを扱い、イエローの部屋では、包装前のくすりや原料を扱うんだ。イエローには、さらに注意が必要という意味が込められていて、入室する人には厳しい衛生管理が求められるんだ。
ココがポイント
くすりを固めるためには、大人20人分の重さの力が必要なんだよ。
原料を押し固めて、くすりを形成するためには、1トン前後の力が必要なんだよ。1トンは1000kgのことで、これは大人20人分の体重と一緒なんだ。
押し固める力の強さはとても重要で、固める力が弱すぎるとくすりの形が崩れてしまうんだ。何度も試験を繰り返して、体の中できちんと溶けるように、調整しているんだよ。
錠剤を作る工程は錠剤の重さや厚みをコンピュータで管理しているんだよ。
ココがポイント
コーティングにはくすりを飲みやすくするほかにも役割があるんだよ。
「良薬は口に苦し」ということわざもあるように、くすりには苦いものが多いんだよね。そんな苦いくすりを飲みやすくするために、薄い膜でくすりの表面をおおうことをコーティングと言うんだ。
コーティングはくすりを飲みやすくするだけではなく、水分や光などから保護したり、溶ける速度を調節する役目もあるんだよ。
みんなが飲んでいるくすりの一粒に、さまざまな工夫がされているんだ。
ココがポイント
廃棄物削減、環境保全のことも考えているんだ。
くすりを包装する方法の1つに、PTP包装と呼ばれる方法があるんだ。
PTP包装とは“Press Through Package”という英語の略で、押して取り出す包装という意味なんだ。
くすりを包装するシートを環境にやさしいポリプロピレンに変更したり、ごみを減らすために、外箱を簡単に包装するなどの取り組みも行っているんだよ。
ココがポイント
工場でつくったくすりは出荷後もずっと検査を続けているんだよ。
くすりには使用期限があるんだ。工場で製造された全てのくすりは、使用期限を保証するために定期的にチェックしているんだよ。
出荷したら終わりというわけではなく、時間がたっても品質に問題がないか検査しているんだ。
みんなが安心して飲めるように、くすりにはいろんな人の努力や願いがたくさん詰まっているんだよ。