ニュースリリース

大塚製薬株式会社

2015年7月13日

医薬関連事業

新規抗精神病薬「REXULTI®(レキサルティ)」
成人の統合失調症と大うつ病補助療法の2つの適応で米国FDAが承認

  • 「REXULTI」は大塚製薬が創製した新規抗精神病薬で、ドパミン、セロトニン受容体との高い親和性を持つ、SDAMと呼ばれる独自の薬理作用を有する化合物*1
  • 大規模な臨床試験において、統合失調症に対する単剤療法および大うつ病(MDD)補助療法で「REXULTI」はプラセボと比較し有意な改善効果を示した
  • 米国では、成人大うつ病患者が約1,500万人、成人統合失調症患者が240万人おり、未だ有効性および忍容性のある治療が必要とされている*2,3

大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:樋口達夫、以下「大塚製薬」)とH.ルンドベックA/S(本社:デンマーク、コペンハーゲン、社長兼CEO:コア・シュルツ、以下「ルンドベック社」)は 2015年7月10日、米国FDAより成人の大うつ病(MDD)補助療法および成人の統合失調症の治療法として「REXULTI®(レキサルティ/一般名:ブレクスピプラゾール)」の承認を取得しましたのでお知らせします。「REXULTI」は大塚製薬が独自に創製し両社が共同で開発した製品でこの度の承認が世界初となります。米国では2015年8月上旬に上市予定で、両社が共同販売を行います。

「REXULTI」は、ドパミンD2受容体およびセロトニン5HT1A受容体にパーシャルアゴニストとして、また、セロトニン5HT2A受容体にはアンタゴニストとして働く、SDAM(Serotonin Dopamine Activity Modulator)と呼ばれる独自の薬理作用を有する新しい構造を持つ化合物です*1。大うつ病に対する抗うつ剤への補助療法に関する2つの試験、統合失調症に関する2つの試験、合計4つのフェーズ3プラセボ比較試験の結果を基に承認されました。新薬承認申請内容には、フェーズ2および3の大規模臨床試験で本剤を投与された約4,300人の患者さんのデータが含まれています。

成人の大うつ病補助療法としての「REXULTI」

ペンシルベニア大学医学部 精神医学教授、情緒・不安プログラム ディレクター、および治験責任医師であるマイケル・テーズ先生は、「大うつ病患者さんの中には、抗うつ剤の単剤療法では効果が不十分な方もおり、そのような患者さんはQOLに影響を及ぼす症状に悩まされ続けています。今回の承認により、高い有効性と忍容性のあるブレクスピプラゾールを既存の抗うつ剤治療に加えることで、このような症状に悩む大うつ病患者さんへの治療となることを期待しています」と述べています。

大うつ病補助療法における「REXULTI」の有効性は、成人患者さんを対象とした2つのプラセボ比較臨床試験においてそれぞれ6週間で評価されました。この試験では、大うつ病の診断基準(DSM-IV-TR )を満たし、不安症の有無にかかわらず、既存の1~3剤の抗うつ薬治療(ADT)で十分な改善を示さず、更に8週間のADTでも十分な改善がみられなかった患者さんを対象としました。両試験の主要評価項目はMADRS(Montgomery–Åsberg Depression Rating Scale)総得点の変化量でした。臨床試験では下記の結果が示されました:

•2つの無作為化試験において、「REXULTI」+ ADT併用群では、MARDSの平均ベースラインスコアを27点から2mg投与群で8.36点、3mg投与群で8.29点減少させ、プラセボ+ADT併用群では5.15点、6.33点それぞれ減少させました。 
•副作用による試験の中止率は、「REXULTI」+ ADT併用群では3%、プラセボ+ADT併用群では1%でした。「REXULTI」+ ADT併用群と、プラセボ+ADT併用群でみられた副作用は、それぞれアカシジア (9%対2%)、体重増加 (7%対2%)でした(「REXULTI」投与群において5%以上、かつプラセボより2倍以上の発現率がみられたもの)。

成人の統合失調症治療に対する「REXULTI」

ニューヨーク州 ホフストラノースショアLIJ校医学部 精神医学教授、ザッカーヒルサイド病院 認識および予防プログラム医長、および治験報告書の一つの主著者であるクリストフ ・コーレル先生は、「医師は、患者さんの生活を改善する方法を常に考えています。優先すべきは、患者さんにとって有効でしかも忍容性の高い薬剤を見つけ出すことです。統合失調症を対象とした『REXULTI』の臨床試験では狭い用量範囲内において、有効性および初期症状の改善がみられただけではなく、発現率がプラセボの2倍以上かつ4%以上みられた副作用は1つしかなかったという非常に良好な忍容性にも注目すべきです」と述べています。

「REXULTI」の有効性は、2つのフェーズ3無作為化プラセボ比較臨床試験において、それぞれ6週間、固定用量の「REXULTI」とプラセボの投与により評価されました。臨床試験では下記の結果が示されました:

•「REXULTI」は6週間投与され、プラセボと比較して統計学的に有意な有効性を示し、統合失調症症状の重症度を測る評価スケールである 陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)の主要評価項目を達成しました。
•1つ目の試験では、「REXULTI」が2mg/日および4mg/日でのベースラインからのPANSS総得点の変化量(-20.73および-19.65)は、プラセボ(-12.01)より大きく、2つ目の試験で「REXULTI」が4mg/日で示したベースラインからのPANSS総得点の変化量もプラセボより大きいことが示されました(-20.00対-13.53)。
•3種類の用量(1mg, 2mg, 4mg/日)の「REXULTI」の副作用で、発現率がプラセボの2倍以上かつ4%以上でみられたのは体重増加(4%対2%)でした。
•「REXULTI」群の全ての統合失調症患者さん(n=1,256)における眠気(鎮静および過眠症を含む)の発現率は、プラセボ群(n=463)と比較して4.9%対3.2%でした。

大塚製薬代表取締役社長 樋口 達夫は「中枢神経疾患は、多くの人がより効果のある治療法を待ちわびている課題の多い疾患領域です。私たちは、精神疾患と関連するこれまでとは異なる脳内の領域や受容体を標的とする革新的なアプローチを探究してきました。この度の『REXULTI』の承認は、大塚製薬とルンドベック社がメンタルヘルスにおける革新的な作用を持つ治療の選択肢を提供するという両社のコミットメントを示すものです」 と述べています。

ルンドベック社社長兼CEO コア・シュルツは「大うつ病や統合失調症の治療においては、医療従事者、患者さん、介護者の皆さんにとって従来の治療法を用いても病気をコントロールすることができず、有効で安全な新しい治療法が求められています。そのような方々に対して『REXULTI』を新しい治療選択肢として紹介できることを誇りに思います。本剤が大うつ病および統合失調症の成人患者さんに貢献できるものと確信しています」と述べています。

「REXULTI(レキサルティ/一般名:ブレクスピプラゾール)」について

「REXULTI」は大塚製薬が創製した化合物で、ルンドベック社と共同開発した独自の薬理作用を有します(アリピプラゾールの代謝物や異性体ではありません)。「REXULTI」は、ドパミンD2受容体及びセロトニン5HT1A受容体に結合してパーシャルアゴニストとして、また、セロトニン5HT2A受容体にはアンタゴニストとして働く、SDAM(Serotonin Dopamine Activity Modulator)と呼ばれる新規薬理作用を持つ化合物です*1

  • *1 Maeda, K. et al. Pharmacological Profile of Brexpiprazole (OPC-34712): a Novel Serotonin-Dopamine Activity Modulator. Poster presentation, American Psychiatric Association annual meeting, May 3-7, 2014.
  • *2 The National Alliance of Mental Illness, Mental Illness Facts and Numbers. March 2013. Available at:
      http://www2.nami.org/factsheets/mentalillness_factsheet.pdf
  • *3 Rush, J. et al. Acute and Longer-Term Outcomes in Depressed Outpatients Requiring One or Several Treatment Steps: A STAR*D Report.

本ニュースリリースの掲載情報は、発表当時のものです。