ある時から咳が出始めたため、風邪と思って手持ちの風邪薬を服用し、3~4日で症状がやや軽くなったので、そのまま放置していました。
2週間後再び咳が出始めました。このころから夕方になると37.5℃くらいの熱が出るようになりました。かかりつけ医を受診したところ、「風邪のぶり返し」と言われ、抗生物質や解熱剤、咳止めなどが処方されました。
お薬のせいか症状は多少改善したものの、1週間後には、痰に血が混じっているのを発見して不安になり、改めてX線検査と痰の検査を行い、感染性の肺結核と診断されました(図8-
)。
療養所を紹介され直ちに入院し、標準的治療による治療を開始しました。 お薬は毎朝食後看護師からコップの水とともに受け取り、その場で飲む「直接服薬確認治療(DOTS)」方式で服用しました(図8-
)。
治療開始後2カ月後の結核菌塗抹検査で結核菌検査がすべて陰性になりました。また、X線検査でも結核の影は小さくなり、治療が順調に進んでいることがわかりました(図8-
)。
DOTSカンファランスが開かれ、病院の医師や看護師、ケースワーカー、それと地域の保健師などが検討し、Aさんの今後の治療について検討されました。その結果、外来で規則的な治療の継続が続けられると判断され、退院して外来治療に切り替えられることが決められました(図8-
)。
外来での治療は2剤だけとなり、毎月受診して1カ月分の薬をもらい、それを毎日服用することになりました。また、保健所から交付された「服薬手帳」のカレンダーに妻が[服薬済み]のマークを記入して、外来受診の時に主治医がチェックし、確認のサインをもらうという方法がとられました。毎月家庭訪問をする保健所の保健師もこれをチェックし、その月の欄にサインをしながら、激励の声をかけてくれるようになりました(図8-
)。
大きな副作用もなく、退院後4カ月の外来治療が無事終了、最後の受診時のX線検査でも経過は順調なことが確認され、治療は完了となりました(図8-
)。

検査の結果、妻は病気は起こしていないが感染を受けた可能性があるとのことで発病予防の治療が行われました。子どもの家族は全員感染はありませんでした。碁会所の仲間にもX線検査により異常がないことが確認されました。



