整形外科に通院中の方へ
「PAD」には、似た症状をもつ別の病気もあります。ここでは、PADと「腰部脊柱管狭窄」との違い、および治療法を中心にご説明いたします。
腰部脊柱管狭窄について
間欠跛行の原因には腰部脊柱管狭窄と末梢動脈疾患(PAD)があります。
少し歩くと足の痛みやしびれのために歩けなくなりますが、しばらく休むとまた歩けるようになることを間欠跛行といいます。
間欠跛行の原因となる代表的な病気として、腰の神経の病気である腰部脊柱管狭窄と、足の血管の病気である末梢動脈疾患(PAD)とがあります。
腰部脊柱管狭窄とは、腰の背骨の中の神経が圧迫される病気です。
腰部脊柱管狭窄とは、腰の背骨が変形し、背骨の中の神経の通り道である脊柱管が狭くなる病気です。脊柱管が狭くなると、その中に入っている神経が圧迫され、足や腰がしびれたり、痛んだりします。
■腰部脊柱管狭窄と閉塞性動脈硬化症の違い
| |
腰部
脊柱管狭窄 |
末梢
動脈疾患 |
| 歩かなくても立っているだけで足が痛む |
ある |
ない |
| 自転車に乗ると足が痛む |
ない |
ある |
| 前かがみになると足の痛みが治まる |
治まる |
治まらない |
| 足の脈拍 |
触れる |
弱い、または触れない |
■間欠跛行の疾患別割合(195名の調査結果)
鳥畠康充ほか:整形・災害外科46,1087-1094,2003(一部改変)
腰部脊柱管狭窄は加齢が主な原因です。
腰部脊柱管狭窄の主な原因は、加齢による腰椎の変形です。痛んだ関節や椎間板、厚くなった靱帯により、神経が真綿で首を締め上げられるように圧迫される病気です。
腰部脊柱管狭窄の症状は、間欠跛行のほか、足の痛みやしびれです。
腰部脊柱管狭窄の症状は、間欠跛行のほか、腰やおしり、ふとももの後ろ側やふくらはぎの痛みやしびれです。また、足に力が入らなくなることもあります。重症になると、足が麻痺したり、排尿や排便のコントロールができなくなったりします。
腰部脊柱管狭窄の治療の基本は、薬物、リハビリ、注射療法です。
腰部脊柱管狭窄の治療では、まず痛みを抑える薬や血行を良くする薬、筋肉をほぐす薬などを使った薬物療法が行われます。
症状によっては、腰の負担を軽くするコルセットを使用します。また、患部を温めて血液の循環を良くしたり、筋肉をほぐしたりすることで痛みを和らげる温熱療法、ストレッチ体操と筋肉増強運動からなる運動療法などが行われることもあります。
神経ブロックという注射療法も効果があります。これらの治療で改善しない場合や、日常生活に支障を来たしている場合は、狭窄の原因となっている骨の変形部などを切除する手術を行うこともあります。