パーキンソン病

診断には何が必要なの?

パーキンソン病の診断は、神経内科での問診から始まります。問診でパーキンソン病が疑われたら、検査で脳や筋肉などの異常を調べます。
他の病気ではないことを確認するための画像診断、血液検査、尿検査も行います。これらの結果を厚生労働省が作成した診断基準と照らし合わせ、基準を満たしていれば、パーキンソン病と診断されます。

パーキンソン病の診断の流れ

問診

まず最初に問診で、どのような症状なのかをきかれます。医師からの主な質問は、次の通りです。どの項目も、診断のためにとても大切なことですので、正しく答えられるように、事前にメモしておくこともお薦めします。

パーキンソン病でよく尋ねられること
  • どんな症状で困っているか
  • 症状はいつから始まり、どのくらい続いているか
  • 症状の変化はあったか
  • これまでにかかった病気、今かかっている病気
  • 今飲んでいるお薬(市販薬や健康食品も含みます) →→→ お薬手帳をお持ちください
  • 家族がこれまでにかかった病気。特に、家族の中に同じような症状が出ている人がいるか
  • お薬によるアレルギーを起こしたことがある場合は、その薬品名

パーキンソン病の検査

パーキンソン病の診察は問診で行われることが基本ですが、パーキンソン病と間違えられやすい他の病気を除外する目的で、画像検査を行うこともあります。

画像検査

CTやMRI検査を行うことで、パーキンソン病以外の脳の病気(脳血管障害や脳腫瘍など)の可能性を除外します。
また、MIBG心筋シンチグラフィーと呼ばれる、心臓の交感神経の状態を診る検査を行う場合もあります。これは、MIBG(メタヨードベンジルグアニジン)というノルエピネフリン(ノルアドレナリンとも呼ばれる)とよく似た物質を含む検査薬を服用したときに、この薬剤が心臓に集まる程度を画像で評価する検査です。パーキンソン病の患者さんでは、この薬剤が心臓に集まらないことが知られているのを利用して、診断の参考にすることがあります。

2014年1月にはドーパミントランスポーター(DAT)イメージングと呼ばれる検査方法も日本で行えるようになりました。DATは、脳で信号のやりとりをしているドーパミンの再利用を促すたんぱく質ですが、このDATの働きを可視化することでパーキンソン病やレビー小体型認知症などを鑑別する検査です。