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結核 - 古くて新しい病気結核の症状

肺結核の初期は風邪のような症状

肺結核を発病した初期の症状は、咳・痰、発熱など、風邪と同じです。ただしそれが2週間以上も続いたり、良くなったり悪くなったりを繰り返すところが風邪と違います。

  • タンが出る
  • 咳が長引く
  • 倦怠感
  • 微熱が長引く

長引く風邪は赤信号

風邪、あるいはたばこの吸い過ぎ、と思っても早めにかかりつけの医師を受診しましょう。早期発見で、病気も治りやすく、周囲の人にうつす恐れも低くなります。

感染しても発病するとは限りません

結核に感染しても必ず発病するわけではありません。健康であれば、菌を吸い込んだあと、人の体は免疫によって結核菌を抑え込んでしまいます。その人の体力が低下したり、他の病気になって免疫機能が働かなくなるなどして抵抗力がおちると、抑え込まれていた結核菌が再び活動をはじめ、発病する可能性があります(図5)。

図5 感染から発病まで

結核の典型的な経過を辿った症例をご紹介いたします

Aさんは60歳代男性です。もともと健康で大きな病気にかかったことはありませんでした。

1発病
ある時から咳が出始めたため、風邪と思って手持ちの風邪薬を服用し、3~4日で症状がやや軽くなったので、そのまま放置していました。
2発熱
2週間後再び咳が出始めました。このころから夕方になると37.5℃くらいの熱が出るようになりました。かかりつけ医を受診したところ、「風邪のぶり返し」と言われ、抗生物質や解熱剤、咳止めなどが処方されました。
3血痰
お薬のせいか症状は多少改善したものの、1週間後には、痰に血が混じっているのを発見して不安になり、改めてX線検査と痰の検査を行い、感染性の肺結核と診断されました(図6の①)。
4入院
結核病床のある病院を紹介され直ちに入院し、標準的治療による治療を開始しました。 お薬は毎朝食後看護師からコップの水とともに受け取り、その場で飲む「直接服薬確認治療(DOTS)」方式で服用しました(図6の②)。
5治療の進行
治療開始後2カ月後の結核菌塗抹検査で結核菌検査が3回続けて陰性になりました。また、X線検査でも結核の影は小さくなり、治療が順調に進んでいることがわかりました(図6の③)。
6退院
DOTSカンファランスが開かれ、病院の医師や看護師、ケースワーカー、それと地域の保健師などが検討し、Aさんの今後の治療について検討されました。その結果、外来で規則的な治療の継続が続けられると判断され、退院して外来治療に切り替えられることが決められました(図6の③)。
7外来受診
外来での治療は2剤だけとなり、毎月受診して1カ月分の薬をもらい、それを毎日服用することになりました。また、保健所から交付された「服薬手帳」のカレンダーに妻が[服薬済み]のマークを記入して、外来受診の時に主治医がチェックし、確認のサインをもらうという方法がとられました。毎月家庭訪問をする保健所の保健師もこれをチェックし、その月の欄にサインをしながら、激励の声をかけてくれるようになりました(図6の④)。
8治療完了
大きな副作用もなく、退院後4カ月の外来治療が無事終了、最後の受診時のX線検査でも経過は順調なことが確認され、治療は完了となりました(図6の⑤)。

図6 診断から治療完了までの経過

結核は患者さん本人だけの問題ではありません

Aさんのまわりの方に感染が広がっていないかどうか調査(接触者検診)をしました

Aさんの入院に伴って保健所の保健師が面会に来院し、病気や治療の説明をしながら、発病前後のAさんの生活について尋ねました。その結果に基づいて、保健所はAさんから結核感染を受けそうな人の範囲を決めました(妻、咳をし始めてから何回か訪ねてきた子どもの家族、何回か通った近所の碁会所の仲間など)。これらの人々には保健所から連絡して健康診断を受けてもらいました。
検査の結果、妻は病気は起こしていないが感染を受けた可能性があるとのことで発病予防の治療が行われました。子どもの家族は全員感染はありませんでした。碁会所の仲間にもX線検査により異常がないことが確認されました。