ページ内を移動するためのリンクです。

熱中症予防8ヶ条 その6:体重で知ろう健康と汗の量

体重チェックで状態を知ろう

毎朝起床時に体重を計ると疲労の回復状態や体調のチェックに役立ちます。また、運動前後に体重を計ると運動中に汗などで失われた水分量が求められます。体重の3%の水分が失われると運動能力や体温調節能力が低下しますので、運動による体重減少が2%をこえないように水分を補給しましょう。

動画で知ろう!熱中症予防 ※音声が流れます。

汗で体温調節

皮膚には皮膚血管、温・冷受容器、あるいは汗腺など体温調節にとって重要な器官が存在しています。血液は、体の中で発生した熱を移動し、皮膚血管の働きによって体の表面から放散(放熱)する熱量を調整し、体温を調節しています。

運動によって熱産生量が増加したり、暑い環境によって体温が上昇して、熱放散の必要が増すと発汗がおこり、水分蒸発を盛んにして体温を下げる働きをします。汗でぬれた皮膚から蒸発する熱量は、体温や発汗量、あるいは環境気温、湿度、風(気流)などの環境条件によって異なりますが、100gの汗でおおむね1℃体温を低下させます。

汗は体温を調節するうえで、重要な役割を持っています。発汗能力は動物によって大きく異なりますが、人がもっとも良く発達しています。人が砂漠などの暑い地域でも生活できるのは優れた発汗機能のおかげなのです。

汗の分泌

体温調節に関係する汗腺は一般体表面に分布しているエックリン腺で、その総数は200~500万といわれています。日本人では平均230万個の汗腺が体温の上昇に反応して汗を分泌(能動汗腺)し、その汗腺の数は、2~3歳までに育った温度環境によって決定され、成人になってからは増加しないともいわれています。

汗は汗腺から分泌され、その原液は血液(血漿)です。汗の主な成分としてはNa、Cl、KあるいはCaなどの無機成分のほかに、ブドウ糖、乳酸などの有機成分が含まれます。その濃度は発汗量の多少や、暑さに対するなれ(暑熱順化)の程度によっても異なります。

分泌された汗のすべてが体温調節に有効に働くわけではありません。一部は体の表面から滴下し、また水滴のまま衣服や皮膚表面に溜まります。気化して熱放散に有効に働く汗を有効発汗というのに対して、それ以外の汗を無効発汗といいます。湿度が高いと有効発汗は減少し、無効発汗が増加しますので、体温が上昇しやすくなります。

夏のスポーツ活動は水分補給を十分に

毎年、夏休みを利用して多くのスポーツ大会が開かれます。実際に、私達はどれ位の気温のもとで運動を行い、どれ位の汗をかいているのでしょうか。日本の夏の風物詩ともなっている甲子園大会を目指して練習に励む球児達が、どれ位の環境温下でスポーツ活動を行い、どれ位の汗をかいているか実態調査した結果をみてみます。

図4は、北は北海道から南は九州までの全国8地域で行われた、夏期の高校野球の大会や練習時の環境温度をWBGTで示したものです。地域によって異なりますが、最高は東北・山形の31.2℃で、日本体育協会「スポーツ活動における熱中症事故予防に関する研究班」が示す運動指針の「運動は原則中止」のゾーンを示しています。その時の発汗による水分の喪失率(発汗/体重)は体重の2~7%で(図5)、もしスポーツ活動中に十分な水分の補給が行われないと、スポーツのパフォーマンスの低下だけでなく、熱中症発生の危険性が高まります。水分補給に十分心掛けたいものです。

データ[全国の夏期練習時の環境温度]
図4)全国の夏期練習時の環境温度
データ[全国の夏期練習時の発汗による水分の喪失:発汗量/体重]
図5)全国の夏期練習時の発汗による水分の喪失:発汗量/体重(高校野球)