ビタミンE
- ビタミンEの天然と合成の表示法や生体利用の違いを教えて下さい。
- ビタミンEは脂溶性ですが、サプリメントをとって太りませんか?
- 多価不飽和脂肪を多く含む食品(植物油、揚げた食物、ファーストフードなど)を多くとる時は、ビタミンEもとった方がいいと聞きました。何故ですか?
ビタミンEの天然と合成の表示法や生体利用の違いを教えて下さい。
表示については、天然型ビタミンEはd-αトコフェロールなど、合成型ではdl-α-トコフェロール、all-rac-トコフェロールなどと成分表示されています。「d」は天然型、「dl」は合成です。
最も生理活性が高いのは天然のd-?-トコフェロールです。最近の研究により天然と合成では生体内の利用性が1:0.5程度とされていますので、ビタミンEについては天然のd-α-トコフェロール(合成はdl-○○と表示されています)の方が、生体内での利用性が高いということです。
ちなみに、弊社の「ネイチャーメイド」ビタミンEは、天然のd-α-トコフェロールを使用しています。
ビタミンEは脂溶性ですが、サプリメントをとって太りませんか?
ビタミンEの錠剤で、肥満につながる事は通常の利用範囲では考えられません。例えば、弊社の「ネイチャーメイド」の「ビタミンE400」では一粒中4.28Kcal(お砂糖で約1g程度)です。摂取エネルギーとしてはごく微量です。食事全体からの摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスの影響の方が大きいのではないかと想像します。
逆に食品からビタミンEを摂取しようとすると、ビタミンEは脂溶性のため、ビタミンE含量の多い食品は、脂肪分も多い為高エネルギーとなります。最低限必要な量であれば、食事の改善で可能ですが、健康の維持・増進に役立てるような多めの量を摂取したい場合には、サプリメントの方が現実的です。
多価不飽和脂肪を多く含む食品(植物油、揚げた食物、ファーストフードなど)を多くとる時は、ビタミンEもとった方がいいと聞きました。何故ですか?
ビタミンEは体内で脂溶性の抗酸化剤として作用しており、多価不飽和脂肪酸(PUFA)の酸化を防ぐ作用をもっています。
この作用は食品中でも、生体内でも同じ機構で作用します。即ち、ラジカルによる酸化を防御しています。多価不飽和脂肪酸は、二重結合が増えると、より酸化されされやすくなり、余分のビタミンEが必要になります。
そこで、リノール酸(二重結合2つ)よりは、リノレン酸(二重結合3つ)、更には最近流行のEPA(5つ)、DHA(6つ)になりますと、より沢山のビタミンEを必要とします。大体、2つと3つでの差が2倍位、3つと4つの差も2倍位と考えていいでしょう。これらの多価不飽和脂肪酸の多くは、生体膜やリポ蛋白質などのリン脂質層に存在しており、これらの酸化を防ぐ作用を膜中のビタミンEが果たしています。それで、食事由来の多価不飽和脂肪酸の摂取量が増すと、ビタミンEの必要量も大きくなります。
この事から、多価不飽和脂肪のとりすぎはビタミンE欠乏症につながる可能性があります。ビタミンEの食物供給源としては、多価不飽和油(綿実油、サフラワー油など)ナッツ類(アーモンド、ヘーゼルナッツなど)、緑黄色野菜(かぼちゃ、ほうれん草など)が挙げられます。
ビタミンEは脂溶性なので、ビタミンEを多く含む食品は、全て脂肪分を含んでいます。したがって、最低限必要な量であれば食事の工夫で可能ですが、食品から50mgも100mgも取ることは、脂肪分の取りすぎにつながります。より多くのビタミンEを取りたい時には、サプリメントを利用するのが効果的です。1日100mgから300mgを目標にして、生活習慣病の予防に役立てられるといいでしょう。
(お茶の水女子大学 五十嵐 脩教授の回答)

