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講義概要

乾燥肌は、皮膚の表皮の下にある汗腺・脂腺と、表皮細胞内の天然保湿因子・角層細胞間脂質という4つのうるおい因子が減ることで起こります。

生理的に乾燥肌になりやすいのは、赤ちゃんや中高年の方です。たとえば女性の場合、年齢を重ねるにつれ、肌質がオイリー肌から乾燥肌に変化します。そのため、いつまでも若いころと同じスキンケアを続けていると乾燥肌をまねきます。高齢者も入浴時に若いときと同じ体の洗い方をしていると、乾燥肌を招きます。
一方、病的な乾燥肌として、生まれつきの体質や内科の病気、環境、湿疹や火傷のあとなどがあります。

乾燥肌の症状には3つの特徴があります。
1つめに、肌の水分が少ないために古い皮膚が剥離しないで残ってしまい、肌がかさかさするケースです。2つめに、角層の柔軟性が失われ、皮膚が引き伸ばされたときに亀裂ができるケースです。3つめに、肌の乾燥により、角層細胞の間に隙間が多くなり、刺激物が入り込みやすくちくちくと刺激を感じるケースです。

乾燥肌を放っておくと、角層細胞の間に刺激物が入り込みやすくなり、湿疹がおき、痒みのために掻いて悪化するという悪循環がおこります。その結果、皮脂欠乏性湿疹、貨幣状湿疹、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎が生じやすくなります。

乾燥肌対策の保湿剤には、皮表から水分が蒸散するのを防ぐエモリエントや水分を補足するモイスチャライザーがあります。ただし、乾燥肌から湿疹になってしまったら自己治療は禁物です。信頼できる皮膚科専門医にかかりましょう。

また、乾燥肌は赤ちゃんや女性だけではなく、ミドルエイジの男性にも多いのです。50~60代の男性が自分の肌や体で気になること・悩んでいることに関するアンケートで一番多かった回答が乾燥肌でした。

スキンケアとは本来、皮膚の健康を守ることです。
健康管理のひとつとして、赤ちゃんからお年寄りまで、男女を問わずスキンケアを行いましょう。

山本 明美先生 プロフィール

1983年に旭川医科大学医学部医学科を卒業し、現在、旭川医科大学医学部准教授。
主な学会活動として、日本皮膚科学会、皮膚かたち研究学会、日本臨床分子形態学会など。