涙の二層構造

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涙の二層構造

目の表面を覆っている涙が正常に働くためには、その構造の保持が大切であることがわかってきました。涙は外側から、油層、液層の二層構造をしています。

油層

まぶたの縁にあるマイボーム腺から分泌される油の層。外側を覆うことで、涙が蒸発するのを防いでいます。加齢や炎症のためにマイボーム腺の働きが低下すると、油の分泌が減ったり、成分が変化して油が固くなり、マイボーム腺の開口部が詰まったりします。すると、涙の安定性が低下してドライアイの原因となります。このような異常は「マイボーム腺機能不全」と呼ばれ、高齢の患者さんに多くみられます。
液層
涙の大部分(95%)を占める層で、タンパク質など様々な成分を含んでおり、角膜への栄養補給や感染予防、傷の治癒など、涙の重要な働きを担っています。上まぶたの裏側にある涙腺から分泌されます。また、目の表面の「ゴブレット細胞」から分泌される粘液のムチン(分泌型ムチン)は、涙が目の表面を均一に分布するのを助けています。最近の研究で、このムチンが涙の安定性に重要な役割を果たしていることがわかってきました。

目の表面の模式図

ムチンとは?
ムチンとは、粘膜細胞から分泌される粘り気を持つ物質であり、粘液を構成する主要な成分の一つです。ムチンは人の身体の中いたるところに分布しますが、例えば胃粘膜においては胃酸からの防御の役割をし、目の表面ではムチン層を形成して目の表面を保護するとともに、涙液の安定性を保つ働きがあります。また、組織が傷ついた場合、ムチンはその傷を保護し、さらにその修復を促進します。
どうしてムチンが重要なの?
粘液質であるムチンは、涙液の主成分である水分を角膜に均等に定着させる役目を担っています。角膜の細胞は本来、水をはじく性質がありますが、糖とタンパク質からなるムチン(膜型ムチン)の作用によって角膜と水分をなじみやすくしています。このムチンという土台がなければ、涙が目の表面に留まれず流れ落ちてしまいます。