インフルエンザウイルス 病原体・臨床症状

病原体

A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、C型インフルエンザウイルスの3つがあります。大きな流行を起こすのはA型とB型で、通常この2種類がインフルエンザの原因となります。直径は100ナノメートル程度で、ウイルスとしては中型です。表面には2種類のトゲ状の構造を持ちます。1つはのどや気管支の細胞にウイルスが結合し感染を起こすのに必要なヘマグルチニン(HA)という糖タンパクで、もうひとつはHAと細胞との結合を切る働きを持つノイラミニダーゼ(NA)という糖タンパクです。

臨床症状

感染してから通常、1日ないし3日の潜伏期間を経て発症します。主な症状は突然の発熱・のどの痛み・頭痛・筋肉痛・倦怠感などがおこり、発熱は2〜4日間続きます。その後、鼻水、咳などの呼吸器症状が目立ってきます。

■ 乳幼児のインフルエンザ
発熱および鼻水・咳などの呼吸器症状が中心となり、症状は様々です。
■ 小児のインフルエンザ
発熱および鼻水、咳などの呼吸器症状のほかに、吐き気・腹痛・下痢などの腹部症状、けいれん・意識障害などの神経症状、中耳炎、筋炎を伴う例が成人に比べて多く、気管支炎の原因にもなります。また経過中に一度インフルエンザが治癒したかのように解熱し、半日から1日で再び高熱を認める場合もあります。
■ 成人のインフルエンザ
突然の高熱から始まり、咽頭痛、頭痛、関節痛、倦怠感など、強い全身症状が現れます。発症後2日~3日で解熱しますが、鼻水や咳など呼吸器症状が目立ってきます。
■ 高齢者のインフルエンザ
高齢者は全体に抵抗力が弱まっているため、重症化したり、細菌性肺炎などの二次感染を起こしやすいのが特徴です。特に、心臓や肺に基礎疾患をもつ患者さんの場合、入院や死亡につながることがあります。