MEDICAL MESSAGE 皮膚科専門医 Dr.古畑の スキンケア・アドバイス

No.05: 肌の老化に関わる「紫外線」の正体とは? ~効果的な日焼け止め~

日焼け止め剤の「SPF」や「PA」の意味、理解していますか?

本格的な夏が近づくにつれ、アウトドアで過ごす時間が増え、さらに1日の日照時間も長くなってきます。そこで今月は、肌の老化に影響を与える紫外線について考えてみましょう。

まず、紫外線の種類から。紫外線は波長の長さによって以下の3種類にわけられます。このうち地表まで届いて私たちの肌に影響するのはUV-BとUV-Aです。

紫外線の種類

■UV-C
大気層で吸収され、地表には到達しない。地上では殺菌灯として使用される。
■UV-B
ほとんどはオゾン層でブロックされるが、一部は地表に到達。紫外線予防の上で最も重要な光線である。皮膚に炎症を起こさせ(=サンバーン)、皮膚を黒くする(=サンタン)。メラノサイトを刺激してシミを濃くする作用も。
■UV-A
ガラスやうすい雲を通過するので、室内や曇りの日でも注意が必要。UV-Bに比べて作用は弱いといわれるが、真皮深くまで到達するので、しわやたるみの原因になりやすい。また、UV-AはUV-Bの作用を増強する。
紫外線の種類

日焼け止め剤にはSPFやPAといった表示があります。SPFとはUV-Bへの作用を表す数値で、一方のPAはUV-Aに対する作用を表したものです。SPFばかりを気にする方もいるようですが、前述のようにUV-Aは部屋の中や曇りの日でも注意が必要なので、PAの値も気にかけていただきたいところです。

SPF:Sun Protection Factor
何も塗っていない肌と比べたときにどれだけUV-Bをカットして日焼けを起こさないかを表したもの。日本ではSPF50まで
  • ※例:SPF3とは・・・約20分×3倍=約60分(1時間)分の日焼け防止効果がある
    (20分は、日本人が日焼けを起こすまでにかかる平均時間から算出)
PA:Protection Grade of UVA
UV-Aをどれだけカットできるかを「+」で表したもの。「+」~「+++」までの3段階

また、日焼け止め剤の種類には、大きく分けて以下の2つがあります。

  • ・紫外線吸収剤:紫外線を肌の表面で吸収し、皮膚に紫外線が届くのを防ぐ。皮膚に塗ったときに白くは見せないが、かぶれの原因となることもある。
  • ・紫外線散乱剤:紫外線を肌の表面ではね返す。皮膚に塗ったときに白浮きしやすいといわれている。

紫外線を防ぐ決め手は、日焼け止め剤の選び方と付け方

日焼け止め剤を選ぶ際は、屋内で過ごす日なのかレジャーに行くのかなど、その日の状況によって使い分けるとよいでしょう。また、日焼け止め剤でかぶれたことのある人には、ノンケミカルと表示された紫外線吸収剤無配合のものがおすすめです。ただ、吸収剤と散乱剤をバランスよく配合したもののほうが効率よく紫外線をカットでき、白浮きも少ないといわれています。

日焼け止め剤 選び方の目安

  spf pa
屋内中心の日常生活 10~20 +~++
屋外に出る日・レジャー 30以上 ++以上
汗をかくとき・海水浴 ウォータープルーフ
日焼け止め剤でかぶれたことのある人 ノンケミカル・紫外線吸収剤無配合のもの

6~8月は1年のうちで最も紫外線の多い時期ですが、その中でも10~14時には紫外線が強くなりますので、その時間帯の外出はとくに注意が必要です。日焼け止め剤をしっかり付けるのはもちろんのこと、服装や持ち物にも気を配りたいもの。最後にその注意点をまとめておきますので、参考になさってみてください。

日焼け止め剤の効果的な付け方

●パール粒大1個分の日焼け止め剤を手のひらに出して、まずその半量を額・鼻の上、両頬、アゴの5箇所に分けて置き、まんべんなく丁寧に塗る。残りの半分も同様に置いて、上から重ね塗り。

  • ※日焼け止め剤は十分な量を付けましょう。製品に表示されている数値は肌1cm2あたりに2mg塗布して測定したものです。顔全体ではパール粒大1個分が適量です。

●日焼けしやすい部分は重点的に塗るとさらに効果的。

とくに日焼けしやすい部分
日焼けしやすい部分

●容器から直接、直線を描くようにつけてから、手のひらでらせんを描くように均一にムラなく伸ばす。手の甲や前腕はシミの目立ちやすい部分なので重点的に。

<注意点>
一度塗った日焼け止め剤も、汗や衣服のこすれ、あるいはハンカチで拭いたりすることで落ちてしまいます。汗をかいた後や海水がついたときなどは、一度表面を軽く拭き取るか洗い流すかしてから塗り直すとよいでしょう。また、とくに体は日焼け止めの洗い残しが多いので意識して洗い、スキンケアを浸透しやすい状態にしましょう。

服装・持ち物の工夫

日傘 面積が大きいので効果的。
曇っていてもUV-Aは降り注ぐので、紫外線の多い時期は曇りの日も併用
横からの紫外線には効果がないので日焼け止めを併用
帽子 幅の広いつばのあるものがおすすめ
サングラス 色の黒いものは瞳孔が開いてしまい、かえって目への紫外線量が増えるので、色の薄い大振りのものを
手袋 シミの目立ちやすい手の甲を保護するのに効果的
洋服 長袖もしくは7分袖。目の詰まった生地で、色の濃いものがおすすめ

参考:「環境省ホームページ(紫外線保健指導マニュアル2006)」