競泳メダリスト星奈津美の挑戦 競泳メダリスト星奈津美の挑戦

2016年リオオリンピック競泳女子200mバタフライ 銅メダリストの星奈津美さん(27)。
同年に引退した彼女が、なんと水から陸へと舞台を変え、初めてのフルマラソンに挑戦。
東京マラソン2018に出走することを決めた。
そんな星さんの初マラソンに向けて、今回のサポート役を担うのが、
マスターズ陸上80~84歳の部フルマラソンで世界記録(4時間11分45秒)を達成した中野陽子さん(81)。

東京マラソン2018出走に向けての本格的練習を前に、エスポートミズノへ訪問。
ランニングフォームのチェックと練習の課題について指導員の方からアドバイスを頂きました。

中野さん 私はどちらかというとかかと荷重過ぎると言われてきたので、そうならないよう足先の方を注意して走ってきました。

指導員 イメージとしてはその中間がベストですね。
中野さんが足をすって走るような形になっているのは筋力の影響もありますが、
膝が上がりきらないのでかかとも上がらず、足が滑らかにかかとからつま先へと流れていかないところにあります。
まずはあまり足先に注意を置くよりリラックスし、
背すじを伸ばして、足を引き付けられるように股関節周りをしっかり動かすイメージを持ってください。
また、自転車のペダルを漕ぐように前後に足をスイングさせるイメージを持つといいですね。
足を引き付ける動作はラダーなどを用いて早い動きで練習するのもおすすめです。
このときはしっかりと、背すじを伸ばした状態を保って足を引き付けるようにして下さい。
最初のうちは着地した軸足の膝が曲がってしまったりしますが、そのまま走り出すと
膝が曲がっているせいで地面をうまく蹴ることができませんので注意してください。
上げた足をしっかり体に引き付けることで足が後ろに流れることもなくなります。
この動きのリズムを走る動作につなげていくことが重要です。

星さん 私の場合はこれからどのような練習をしていくといいでしょうか?

指導員 星さんの場合はまずは8月、9月にかけて1時間継続して走れる練習ですね。
1時間走りつづけるリズムが出来てから、ペース走と言われる同じペースで走りつづける練習をするとよいと思います。
その時点で目標とするタイムも明確になってくる頃だと思うので、その目標に向けてのペース走を行ってください。
実は同じペースで走りきるというのは、簡単そうでとても難しい練習なんです。
そして長距離を走るための一番基本的な練習でもあります。
ペースを上げるだけで練習を終わってしまうのではなく、同じ刺激を与え続ける練習も必要です。
その中で、インターバル走なども取り入れてスピードのある持久走ができるようになればなおいいですね。
星さんの場合心肺機能は問題ないと思いますし、脚力もあると思います。
しかしながら、やはり陸上で実際に自分の足を使って走るので、それに対応できる負荷をかけることはこれから必要です。

中野さん しっかり練習すれば星さんも4時間半くらいのタイムで走りきれると思いますよ。

指導員 そうですね、4時間半のタイムは行けると思います。これから練習をすれば4時間も夢じゃないですよ。

星さん 目標タイムはどれぐらいで走れるか正直全然分からないのですが・・・
まずは1時間を同じペースで走りきれるように、頑張りたいと思います。
アドバイスありがとうございました。

  • 中野陽子さんシニアランナー81歳

    35歳以上のアスリートが参加するマスターズ陸上75~79歳の部で3種目の世界記録と、80~84歳の部で2種目(マラソン、5000m)の世界記録を持つ。 東京マラソン2017では4時間11分45秒のタイムで完走し、世界記録を樹立。

  • 星 奈津美さん元競泳選手27歳

    2015年8月世界水泳選手権200mバタフライ決勝で、競泳女子の日本選手として大会史上初の金メダル獲得の他、3大会連続のオリンピック出場・2大会連続でメダルを獲得した。 2016年10月国民体育大会をもって現役引退。現在、ミズノスイムチームコーチを務めながら、水泳の普及活動を行っている。

中野陽子さん81歳。
東京マラソン2017で世界記録を狙う。
インタビューVol.1

READ MORE

ページトップへ