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体内リズムが
乱れたことによる影響

主に、不適切な光環境によって体内リズムは乱れてしまいます。
体内時計の“時刻合わせ”をする、最も影響力の大きな因子は光なので、夜遅くまで起きてずっと明るい環境に身をおいていたり、朝遅い時間まで寝て太陽の光を浴びる時間が遅れてしまったりすると時刻合わせが出来ずに体内リズムは乱れてしまうのです。

体内リズムの乱れの影響

体内リズムが乱れると
どうなるの?

体内リズムが崩れると身体にも少なからず影響が現れます。
昼間頭がぼーっとしたり、食欲がでなかったり、寝たい時間に寝れなかったり様々な問題を引き起こすのです。

想像しやすいのは海外旅行での時差ぼけです。時差の大きい国へ行った際に経験したことのある人も多いのではないでしょうか。
その他にも、体内リズムが乱れやすい人は、肥満やメタボであったり、糖尿病のリスクが高いと言われています。WHO(世界保健機関)では、交代勤務のシフトワーカーは日勤と夜勤を繰り返すことで体内リズムも乱れやすく、日勤者より発がんリスクが高いと認めています。

また、体内リズムのズレは認知機能にも影響することがわかっており、さらには起床時の憂鬱や身体の不調とも関係があることが明らかになっています。

眠れない・起きられないも
体内リズムの乱れが影響?

睡眠ホルモン メラトニン

睡眠は、就寝時に向けて分泌されるメラトニンと起床時に向けて分泌されるオレキシンというホルモンでリズムを形成しており、メラトニンは、眠気を誘う「睡眠ホルモン」と言われています。このメラトニンのリズムを刻む起点となるのが、朝の体内時計のリセット。太陽の光を浴び、体内時計がリセットされてから15~16時間後にメラトニンが分泌され眠気が生じるように体はできています(※3)。

朝にうまくリセットが行われないと、夜間のメラトニンの分泌が遅れたり、分泌が不十分になったりするのです。
逆に夜間に強い光を浴びると、体は「朝が来た」と勘違いしていまい、メラトニンの分泌のリズムに乱れが生じます。

このように、昼夜の明暗の刺激が正しいサイクルで行われず体内時計がズレが生じると、メラトニンの分泌リズムも乱れ、眠れない、起きるのがつらい、といった問題が発生します。

  • Neurosci Lett. 2000 Feb 25;280(3):199-202.

良い睡眠は体内リズムから

良い睡眠とは時間の長さだけでなく、熟睡の度合い、つまり質も重要です。
そのためには、睡眠と起床リズムを整え体内時計を毎日リセットする環境作りを心がけましょう。