乳酸菌B240と免疫力


IgAが増える仕組み


まず、乳酸菌B240の働きについて説明します(下図)。乳酸菌B240を口から摂ると、胃を通過し、栄養を吸収する役割を果たす小腸に到達します。小腸に存在するパイエル板(せん毛が未発達な部分)は、乳酸菌B240を細菌やウイルスなどと同じく“異物”と認識して取り込むことによって、「B細胞」が分化した「抗体産生細胞」から腸内でIgAが分泌されます。分泌されたIgAは、体内に侵入して病気を引き起こそうとしていた細菌やウイルスにくっつき、それらの病原体の体内への侵入を防ぎ、排出することで、体を守るわけです。

全身の粘膜で身体を守るIgA

さらにIgA産生細胞の注目すべき点は、乳酸菌B240を摂ることによって小腸で始まった免疫反応の情報が全身へと伝わり、全身の粘膜でも免疫を高めるIgA分泌を高めることです。

実際、健康な成人女性や健康な高齢者に1日20億個の乳酸菌B240を摂ってもらった2つの試験で、唾液中のIgAの分泌量が有意に増加した(グラフ3,4)。これらの結果から、乳酸菌B240は小腸を刺激し、口腔をはじめとする全身粘膜でのIgA分泌を高める、と考えられます。

STEP 1 乳酸菌B240を1日20億個以上摂取する

STEP 2 摂取した乳酸菌B240が小腸を刺激し粘膜からのIgA分泌が増加する

乳酸菌B240を口から摂取すると、小腸に到達。小腸粘膜には「パイエル板」という平らな免疫組織があり、消化管からの異物(細菌やウイルスなど)の体内への侵入を監視している。乳酸菌B240は、パイエル板の上皮にある「M細胞」から取り込まれ、取り込まれた乳酸菌B240は樹状細胞の受容体を刺激。すると「B細胞」が反応し、「抗体産生細胞」に分化。抗体産生細胞によって生み出されたIgAは、腸や腔など全身の粘膜で細菌やウイルスに張り付き、その動きを止め、体外へと排出したり、マクロファージなどの免疫細胞が食べやすい形にする。

STEP 3 小腸から全身にメッセージが伝わる

乳酸菌B240の働きは、小腸粘膜のみにとどまらない。B細胞が活性化して生み出された抗体産生細胞は、リンパ液や血液の循環に乗って全身を巡り、口腔や肺といったほかの粘膜でもIgAの産生を高め、再び腸に戻る(ホーミング作用)と考えられている。乳酸菌B240は唾液中のIgAの産生を高めることがヒトで確認されている。

STEP 4 全身の粘膜免疫機能が高まる

乳酸菌B240は小腸粘膜から取り込まれ、「ホーミング作用」によって全身に指令を伝えて、体中の粘膜組織におけるIgAの産生を高めると考えられる。IgAにキャッチされた病原体は、糞便と共に排出されたり、体内に入った場合にマクロファージに食べられやすくなる。実際、乳酸菌B240をとることで、腸管内のIgAが増えることも基礎研究では確認されている。乳酸菌B240は、まさに入り口(口)から出口(大腸)までの粘膜機能を高める。

乳酸菌B240の構造骨格

乳酸菌B240は、円筒状で、外側を覆う「細胞壁」が分厚いという特徴を持つ、グラム陽性桿菌という種類。分厚い細胞壁は主にペプチドグリカン、タンパク質、リポテイコ酸、テイコ酸という4つの成分で構成される。この細胞壁が樹状細胞の表面にある受容体にくっついたり、取り込まれたりすることで樹状細胞内の働きが高まり、サイトカインと呼ばれる情報伝達物質が放出され、B細胞が反応し、IgAが作り出される。この4成分が形作る細胞壁の構造が、樹状細胞の働きを高めるのに重要だということが分かっている。