活用事例
食生活で免疫力アップ! 一般社団法人日本スポーツ栄養協会 理事長 鈴木志保子

自分の持つ免疫力を最大限に発揮するため、できることは? 今回お話を伺ったのは、(一社)日本スポーツ栄養協会で理事長を務める、管理栄養士・公認スポーツ栄養士の鈴木志保子先生。 「食」の観点から、免疫力アップのためのヒントをいただいた。

大切なのは、バランスのよい食事
特に気をつけたいタンパク質・エネルギーの量

「健康のためには、バランスのいい食事」。 よく耳にするフレーズだが、なぜ大切か? その答えは「生命維持と生活のため」、そして「新陳代謝のため」と、鈴木先生。 人は食事から摂取した栄養素をエネルギーや身体をつくる材料などとして利用するために体内で化学反応を生み出している。 その化学反応を正しく働かせるためにはさまざまな栄養素が必要。 例えば、糖質をエネルギーに変換するのにビタミンB群が必要となる。 栄養素の偏りや量の不足など食生活の乱れは体調不良の原因になる。

なかでもタンパク質・エネルギーの不足は、免疫力の低下に影響する。

「タンパク質は筋肉や臓器などを構成する大切な栄養素であるだけでなく、ウィルスや細菌の侵入を防ぐために働く免疫物質を作り出す栄養素でもあります。 また、エネルギー不足は体温の低下を招き、結果、免疫細胞の活動性が落ちてしまうのです。」(鈴木先生)

特に、試合や試験、大切な会議などを控えた「ここぞ」というときの食事の内容は配慮したいもの。 「プレッシャーがかかる状況では交感神経が優位となり、消費エネルギーが増加するため、身体が必要とするエネルギー量が増えるわけです。 一方で、副交感神経が司る胃腸の働きは落ちて、消化吸収能力が低くなっています。 試合前のスポーツ選手には、消化に負担のかかる脂質を減らし、その分のエネルギーを糖質で摂るように、そしてタンパク質の量は減らさずに食べるようにとアドバイスしています。」(鈴木先生)

プレッシャーが体調不良の原因となる状況はスポーツシーンに限らない。 受験生やビジネスマンも体調管理を維持し、結果を出すためには、まず食生活を整えることから始めよう。

寒い季節も水分補給!粘膜に潤いを

公認スポーツ栄養士として、アスリートをはじめ多くの人々に栄養指導を行っている鈴木先生だが、「ウィンタースポーツ時は、激しい運動を行うスポーツ選手でさえ、水分の補給量が不足しています」と言う。

「スキー選手のように厚着で運動すると、大量に発汗しますが、気温が低いのですぐに身体が冷え、“喉が渇いた”と感じにくいのです」(鈴木先生)

スポーツに限らず日常生活でも、カラダの水分は24時間失われている。 真夏のようにダラダラと汗が流れていなくとも、暖房によって乾燥した冬の室内では想像以上に水分が奪われているのだ。

一般社団法人 日本スポーツ栄養協会で理事長を務める管理栄養士・公認スポーツ栄養士の鈴木志保子先生
一般社団法人 日本スポーツ栄養協会で理事長を務める管理栄養士・公認スポーツ栄養士の鈴木志保子先生

「水分も体内の化学反応に必要なものです。 人間は安静にしていても1日900mlもの水分を皮膚や呼吸から失っているので、意識的に水分補給するよう指導しています」(鈴木先生)

さらに、水分補給は風邪・インフルエンザなどの予防にも一役買ってくれる。

「ウィルスや細菌は、乾燥した状態を好み、温度が低下すると活発になります。 そこで気を付けたいのが、適切な水分補給で喉の粘膜を湿らせておくこと。 ウィルスや細菌が居つきにくい環境にできます。 ガブ飲みよりも、こまめな水分摂取がお勧めです。」(鈴木先生)

コンディションの波を減らすため、乳酸菌ONRICb0240を活用

「免疫力は、ストレスや睡眠不足、不規則な生活など様々な生活要因が影響します。 食事だって毎日同じようにバランスが取れるわけじゃない。 どうしても理想と現実の波ができてしまいますよね」と鈴木先生。 最近では、腸内の環境と免疫力の関係が注目されている。 特に乳酸菌に関する研究では、腸内環境を整えるだけでなく、免疫力を高めてくれる効果のある菌の存在が複数確認されています。 中でも粘膜で免疫力を高める効果が期待できる乳酸菌ONRICb0240は、ウィルスや細菌などの侵入そのものを防いでくれるため、コンディションの波の幅を狭め体調維持をサポートしてくれる。

身体は2つの免疫の仕組みで守られている。 第一段階は「粘膜免疫」。 目や鼻、口、腸などの粘膜でウィルスや細菌・花粉などの異物を侵入しないように働く。 この時、異物にくっついて、体内への侵入を防ぐのが「IgA」という免疫物質である。 「IgA」の分泌量は身体を守る免疫力の目安だと考えられている。 第二段階は「全身免疫」。粘膜免疫を突破し、体内に侵入した異物を攻撃して発熱や下痢などで排除する働きである。

ちなみに鈴木先生ご自身が体調管理のために乳酸菌ONRICb0240を選ぶのは、こんな理由からとか。

IgA は、特定のウィルス・細菌だけではなく、さまざまな種類の外敵(ウィルス・細菌)に反応し、侵入を防いでくれます。 いわば、IgA は粘膜免疫の主役。 その IgA を増やしてくれる乳酸菌ONRICb0240は、免疫力をあげる効果があるのでコンディションを良好に保ってくれるのです。 私が栄養指導しているスポーツ選手も、取り入れている人は多いですね。 実際、乳酸菌ONRICb0240を継続的に摂っている選手は、昨年の冬、誰も風邪をひかなかったんですよ。」(鈴木先生)

日々の体調管理にはバランスのよい食事と“粘膜免疫”に働きかける乳酸菌ONRICb0240でウィルスや細菌などの侵入を防ぐことが大切である。

PROFILE

麻場一徳氏

鈴木 志保子

一般社団法人日本スポーツ栄養協会。神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科教授。
管理栄養士。公認スポーツ栄養士。