眠気と集中力低下は、グルコーススパイクが関係

午後の眠気の正体は?

ランチを食べた後、眠くなるのは単に「満腹だから」と思っていませんか?「消化に血液が使われて、脳の血流が少なくなるから」という説を聞いたことがあると思います。
しかし、その説は間違いで脳の中の血液量は一定に保たれており、消化が行われているからといって極端に少なくなることはありません。脳は生命維持を司る大切な臓器、血液が少なくなったら大変なことになります。では、午後の眠気の正体とは?

血糖値と神経伝達物質の増減には相関があり、眠気を誘う

近年、脳内におけるオレキシン作動ニューロンの働きが明らかにされ、血糖値と睡眠/覚醒の関係がわかってきました。オレキシンとは神経伝達ペプチドの一つで、アドレナリンやドーパミンなどで知られる脳内ホルモンといわれている物質のことです。オレキシン作動ニューロンとは、オレキシンを出す神経細胞のことで、このニューロンのスイッチがオンになっていると、オレキシンが分泌され覚醒モードに、オフになっていると睡眠モードになります。
オレキシンは今まで、摂食行動を制御する物質だと考えられていましたが、その後の研究により、睡眠/覚醒ときわめて深い関係にあることがわかったのです。

人間の体は、血糖値が高くなると
眠くなるようにできている

オレキシン作動ニューロンは、全身の栄養状態をモニターし、その状態により活動を変化させています。血糖値が高くなると、脳脊椎液中のブドウ糖濃度も変動します。すると、オレキシン作動ニューロンのスイッチがオフになり、オレキシンが分泌されなくなり眠気が襲ってくるのです。
逆に血糖値が低いと、オレキシン作動ニューロンがオンになり覚醒モードになります。
野生動物はエネルギーが枯渇すると、寝ている場合ではありません。動き回ってエサをさがさなくてはならないのです。睡眠不足ももちろんですが、飽食である現代人は、必要以上にエネルギーとなる糖質を摂りすぎることでも眠気に悩まされているのかもしれませんね。

血糖値とオレキシンの関係

集中力の低下もグルコーススパイクによる神経伝達物質の影響

今度はアドレナリンのお話です。高GI食品をとることでグルコーススパイクが起こると、急激な血糖値の上昇の後に急激な低下が現れます。すると、脳内ではアドレナリン分泌が行われます。アドレナリンは、下がった血糖値を上げるために働く神経伝達物質のひとつで、「闘争と逃走のホルモン」といわれています。動物が敵に出くわしたときに現れるホルモンです。野生動物は、食うか食われるかの世界、敵に出会った時、戦うか逃げるかのどちらかです。
人間もアドレナリンが分泌されると、体が闘いモードとなり心拍数が上がり、血管が収縮し血圧が上がります。食後、高血糖で眠くてボーッとしていたのに、2~3時間すると今度はアドレナリンが出てイライラとしてきます。これでは集中力が低下して当然です。
このように、グルコーススパイクは、単に血液中のブドウ糖の濃度の高低だけでなく、全身に影響を及ぼすため、ビジネスパーソンの仕事効率に影響している可能性があると言えます。