WORLD GO MY WAY. MEXICO メキシコ

WORLD GO MY WAY.

MEXICO

メキシコ

2024.04/   PHOTO&TEXT:YUKI UEDA INTERVIEW:MASAHARU SUDO

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人の心を豊かにする、
まだ見ぬ風景を求めて。

見たことのない風景をお届けすることで、人の心を豊かにする。それがカメラマンとして世界中を旅する、僕(上田優紀)が大切にしている作品づくりのコンセプトです。年齢や性別、目や肌の色など関係なく、様々な人たちが僕が収めた写真を見て、目をキラキラ輝かせながら何かを感じ取り心を動かしてくれる瞬間に、一番の喜びを感じます。その喜びをもっと自分らしく楽しむために、世界中に散らばる、まだ見ぬ感動の風景を追いかけて日々、撮影の旅を続けています。

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ゆるやかな時間が流れる、
別世界のメキシコ。

今回、僕が向かったのはメキシコの西海岸エリアの田舎町です。そこには、喧騒や切迫感を忘れた、ゆるやかな時間が流れていました。メキシコで名を馳せるカンクンのような、世界中から人が集まる煌びやかなビーチやリゾートとは一線を画した、静かで綺麗な海が広がる場所です。何度も訪れたことのあるメキシコの中でも、そこはまったく別の世界でした。海洋生物学者たちが海の博物館と例えるほど様々な魚類や鯨類が集まるこの地で、僕はシャチの撮影を手助けしてくれる一人の青年に出逢いました。

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25歳の優しい青年は、
美しい海の案内人。

この街で生まれ育った彼の主な仕事は漁師です。漁師をしながら僕のような者が訪れた時は、この海の案内人の仕事をしているとのことでした。観光客が増え過ぎると漁師としては、海を荒らされたくないという気持ちがある中で、この街の海を心から愛しているからこそ、美しい海やクジラなどを見て、自然の雄大さや素晴らしさを感じて楽しんでもらうことが、とても嬉しいんだと語っていました。2週間という時間を彼と一緒に過ごすことで、僕は自分の中には今までなかった新しい価値観を学びました。

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美しい自然に育てられた、
日常と心のゆとり。

自然を相手に暮らしていると心が豊かになるようで、彼はとても素敵な生き方をしていました。朝7時に船を出し、15時頃に戻ったあとは、シャワーを浴びて、風を感じて海を眺める。お金や名声などといった欲から外れ、毎日、大好きな海へ出て、海と共にゆったり生きていくことに、すごく幸せを感じているように見えました。シャチを探すために海へ出ても、クジラを見つけたら「クジラが出たぞ」と物凄く楽しそうに喜び、「この海は凄いだろ」と僕に声をかける。そんな、ひとつ一つの感動を大切にしている姿もとても印象的でした。

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シアワセの多様性。
人それぞれのGO My WAY.

普段、自分が置かれている環境の中で、夢や目標に対して物凄い速いスピードで、少しでも早く進まなくてはと思うことがあります。でも、彼のようにさざ波に揺られるようなスピードで、自分のやりたいことと向き合い、自分のペースで毎日を進む。根本的な暮らしの時間軸は違えど、そんな生き方を楽しめる人は、とてもカッコいいなと思えました。彼は、海と共に彼の道を進んでいる。僕には、僕の進むべき道がある。人それぞれの幸せと価値観。大切にしたいのは、「いつだって、自分らしい方へ」それを改めて実感した旅でした。

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GO MY WAY.
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