ランニングサポーター久保のランニングスクール

悔しいという感情が持つ大きな力

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2023.04.25 掲載
久保健二さん

ランニングサポーター 久保健二さん

  • ランニングが大好きで毎日のように走る傍ら、クラブチームのコーチも務め、
    数多くの一般ランナーの指導をおこなっている
  • ラン歴21年
  • 実業団陸上部に11年間在籍

こんにちは、ランニングサポーターの久保です。

これまで指導者として、光る素質を持っている選手を何人も見てきました。
また、それと同じくらい、素質を活かしきれずに競技を去る選手も見てきました。
逆に、あまり素質がないと感じていた選手が、その後の努力で日本のトップにまで成長したケースも多くありました。

現在私は学生の指導もしていますが、生まれ持った身体的な素質以上に「気持ち」的な素質の方がより大事だと感じることがあります。

先日、負荷が高い練習を行ったときのことです。
ある1人の選手が、自分の力よりもワンランク上のレベルのグループに入って走るというチャレンジをしました。

しかし、一番キツくて我慢しなければならないところで集団から離れてしまい、そこからはペースがガタ落ち。結果的に目も当てられない走りになってしまったのです。

こうなってしまうと、当初の練習の目的や意図からはどんどん逸れていってしまいます。その状態でいつまでもダラダラと走っていると、練習効果が得られないだけではなく怪我のリスクも高まってしまう。
そう判断した私は、「ストップ、戻って!」と走りを止めるよう選手に指示を出しました。

ところが彼は、私の声がけを無視して走り続けたのです。
それどころか、頭につけていたサングラスを強く地面に叩きつけ、自分の感情が抑えられないようでした。

そんな姿を目の当たりにし、私も少し気持ちを取り乱しそうになりましたが、冷静になって心を落ち着けるよう努め、様子を見守ることにしました。
その後、選手自身が「これ以上走っても意味がない」と思ったのか、ようやく足を止めて練習終了となりました。
私からはあえて何も言葉はかけませんでした。しばらくすると選手の方から近寄ってきて、「すみませんでした。」と反省の態度を示してくれました。

あのとき、選手が私の言葉を無視してでも走り続けたのは、自分の不甲斐なさからくる『悔しさ』からだったと思います。
その瞬間私は、走馬灯のように昔の自分を思い出していました。
私も思うように走れず上手くいかないときが何度もあった。そんなときは決まって「自分はこんなもんじゃない」と気持ちを奮い立たせて頑張っていたな…と。

その選手は比較的おとなしい性格で、たとえ練習がうまくできなかったとしても、今回のように感情的になることはこれまで一度もありませんでした。
それが今回、心底悔しいと思えるほどの強い気持ちと態度を見せたのです。
そのことに対し、なんだかとても嬉しい気持ちになりました。

心から悔しいと思える感情は、大きな力となります。
身体的な素質じゃありません。センスじゃありません。
いかに強い気持ちと情熱を引き出して競技に向かえるか。
そのメンタル素質がとても大事だと思います。

選手が内に持つ想像を超える可能性に期待して、今後も見守っていきたいと思います。

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