ランニングサポーター久保のランニングスクール

急な変化にご用心!スポーツ貧血

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2023.05.11 掲載
久保健二さん

ランニングサポーター 久保健二さん

  • ランニングが大好きで毎日のように走る傍ら、クラブチームのコーチも務め、
    数多くの一般ランナーの指導をおこなっている
  • ラン歴21年
  • 実業団陸上部に11年間在籍

こんにちは、ランニングサポーターの久保です。

新緑の季節がやってきました。
とても気持ちよく過ごしやすい気候ですが、季節の変わり目は身体を順応させるのが難しいときもあります。
朝はまだ肌寒かったのに、日中気温が「急」に上がって暑くなったかと思えば、今度は雨が降って「急」に寒くなったり。気温が不安定なときよく耳にするのが、「急」に調子が悪くなったという声です。
これまで難なくこなせていた設定ペースで練習ができなくなってしまった、粘れない、すぐ息が上がって疲れてしまう…など、私自身も身に覚えがあるのでよくわかるのですが、このような症状が出ると走ることが本当につらくなってしまいます。

そんなとき、まず私が疑うのが「貧血」です。

貧血とは、血液中のヘモグロビンが減少した状態のことを指します。
ヘモグロビンとは赤血球の中に含まれるタンパク質で、鉄と結合して身体の隅々まで酸素を運ぶ役割を果たしています。

つまり、鉄が不足し貧血になると、全身に運べる酸素の量が極端に減ってしまいます。
持久力系の長距離ランナーにとっては特に気をつけたいところですが、貧血についての知識が乏しいランナーの場合、自分がなぜ走れないのか理由すらわからなくなってしまいます。

一般的な健康診断の貧血検査では、ヘモグロビンの値を貧血かどうかの判断基準にしますが、その健診で正常と判断されても、長距離ランナーとしては貧血の状態という恐れがあります。
なぜなら、「フェリチン」という体内に貯蔵されている鉄の量が正常値を下回っている場合があるからです。

通常、体内の鉄成分は、「フェリチン(貯蔵鉄)→ 血清鉄 → ヘモグロビン」という順番で失われていきます。
スポーツをするとき(皆さんで言うと長距離走をするとき)に「フェリチン」の値が低すぎると疲れやすく頑張れない状態に陥ってしまいます。ヘモグロビンの値はいいが、フェリチンの値が低すぎる・・・という状態が「スポーツ貧血」です。
フェリチンの値は通常の生活には支障がないため、一般の健康診断では検査項目に入っておらず、数値として自分がスポーツ貧血かどうか知ることは難しいのが現状です。

また、スポーツ貧血の鉄不足の原因は、食事からの摂取量不足だけではありません。
ランナーの場合、激しい運動などで汗をかいたときや、着地などで足底に繰り返し強い衝撃が加わることでも鉄が失われていきます。さらに筋肉量が増えて体が必要とする鉄が増えることもあわせて考えなければいけません。

これからますます暑くなって汗をよくかき、練習量が増え強度が増して足底へのダメージが大きくなり、トレーニングをしたことで筋肉量が増してきたりしたら、より一層身体のことに気を遣わなければなりません。さらに女性は月経なども大きく影響してきますので、これまでと比べて「急」に調子が悪くなってきたなと感じることが多くなってきたら、一度お医者さんを訪ねてみるといいかもしれませんね。治療して良くなったランナーを何人も見ています。そして食事で鉄分を含むものをしっかり摂取することもお忘れなく。

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