大塚製薬株式会社
大塚製薬とGWファーマシューティカルズ
カンナビノイド系がん疼痛治療剤「サティベックス(Sativex®)」
の米国におけるライセンス契約締結 2月14日
大塚製薬株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:樋口達夫、以下「大塚製薬」)とGWファーマシューティカルズplc.(以下「GW社」)は、米国において開発中のカンナビノイド系がん疼痛治療剤「サティベックス(英語表記:Sativex®)」の米国における開発・販売に関するライセンス契約を2月14日に締結しました。
今回の契約により、大塚製薬は米国における「サティベックス」の独占的な開発・販売権を取得します。また、GW社は「サティベックス」の製造責任を負います。契約締結にあたり、大塚製薬はGW社に契約一時金を支払い、開発の進捗および売上高に応じた支払いを行います。尚、大塚製薬は、米国でのがん性疼痛に対する「サティベックス」の開発に加え、新規効能、剤形追加においても開発を行っていきます。
「サティベックス」はカンナビスからの抽出物であるテトラハイドロカンナビノールとカンナビダイオールを主成分とする溶液で、口腔内スプレーで薬剤を投与します。カンナビノイド受容体に作用する事により、モルヒネとは異なる作用機序を介して鎮痛効果を発揮します。
GW社は2005年にカナダにおいて、「多発性硬化症に伴う神経因性の疼痛治療(上乗せ投与)」という適応を取得し、バイエル社が販売を行っています。米国では、2006年にFDAより出された「オピオイド系薬剤による治療で効果の見られない末期がんの患者の疼痛治療」での「サティベックス」の開発を後期段階から進めることの許可を受け、GW社と大塚製薬はフェーズII/III試験を本年より行う予定です。
Beth Israel Medical CenterのラッセルKポーテノイ博士は、「以前のフェーズIII試験において、『サティベックス』は、末期がん患者の疼痛の軽減に対し有意な改善を見せました。現在米国には390万人のがん患者がおり、そのうちの250万人が痛みに苦しんでいるといわれています。オピオイド系薬剤は高い効果のある疼痛治療剤ですが、一方で進行したがん患者の1/3は十分な効果を得られていないという試験結果も報告されており、新たな治療法が必要とされています。カンナビノイド系疼痛治療剤は将来において重要な治療の選択肢となる可能性があり、『サティベックス』の臨床試験において得られた結果はカンナビノイド系疼痛治療剤の役割を決定する重要なデータになるでしょう。」と述べています。
現在、大塚製薬とGW社は、今回のライセンス契約を基点に、中枢神経系領域などへの応用が期待されるカンナビノイド系化合物の共同研究を視野にいれています。
大塚製薬は、'Otsuka - people creating new products for better health worldwide'の企業理念のもと、世界の人々の健康に寄与してまいります。
ご参考
カンナビノイドについて
カンナビノイドは、カンナビスに含まれる生理活性物質の総称で、テトラハイドロカンナビノールやカンナビダイオールなどが含まれます。これらの生理活性物質が、CB1やCB2といったカンナビノイド受容体に結合することによりさまざまな生理作用を引き起こします。その働きは近年徐々に明らかになってきており、今後、疼痛治療の分野だけではなく、精神疾患治療などへの応用が期待されています。
会社概要
GW ファーマシューティカルズplc. (GW Pharmaceuticals plc.)
設立 | 1998年 |
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代表者 | 会長 ジェフェリー ガイ博士 |
本社所在地 | Porton Down Science Park, Salisbury Wiltshire, SP4 OJQ, UK |
従業員数 | 105名 |
事業内容 | カンナビノイド系化合物の研究・開発・製造 |
大塚製薬株式会社 (Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd.)
設立 | 1964年8月10日 |
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資本金 | 67億91百万円 |
代表者 | 代表取締役社長 樋口 達夫(ひぐち たつお) |
本社所在地 | 〒101-8535 東京都千代田区神田司町2丁目9番地 TEL:03-3292-0021(代) |
従業員数 | 5,103名 |
事業内容 | 医薬品・臨床検査・医療機器・食料品・化粧品の製造、製造販売、販売、輸出並びに輸入 |