大塚製薬株式会社

医療関連事業
2021年8月25日

「ブスルフェクス点滴静注用60mg」
公知申請で小児の1日1回投与の用法用量の追加が承認

  • 「ブスルフェクス」は血液がん患者さんの造血幹細胞移植の前治療薬として認可された薬剤で、世界各国の移植医療を支える標準治療薬として販売されている
  • 公知申請により、成人に次いで小児における1日1回の用法用量の追加が承認された

大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:井上眞、以下「大塚製薬」)は、8月25日付で、造血幹細胞移植前治療薬「ブスルフェクス点滴静注用60mg」(以下「ブスルフェクス」)(一般名:ブスルファン)の小児における1日1回投与の用法用量について、医薬品製造販売承認事項一部変更承認(以下「一部変更承認」)を取得しましたので、お知らせします。

ブスルフェクスは、主に血液がんを対象とした造血幹細胞移植の前治療薬として用いられる注射剤で、日本、米国をはじめ約60カ国で承認されています。日本では2006年に新規承認されて以来、「1日4回、4日間投与する」との用法用量で処方されていましたが、海外では利便性の観点から1日1回投与の臨床試験が数多く実施されており、それぞれの国で承認または保険償還の対象になっていました。

日本造血細胞移植学会から本剤の1日1回投与に関する開発要望が提出され、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、ブスルフェクスの本用法用量が医学薬学上公知であると判断されました。これにより、2018年9月に成人における1日1回投与の用法用量が公知申請*による一部変更承認を取得しています。このたびの小児における用法用量についても、日本小児血液・がん学会から提出された要望書に基づき同検討会議において医学薬学上公知であると判断されました。その後、2021年1月29日の「薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会」で公知申請を行って差し支えないと事前評価を受け、大塚製薬は、一部変更承認申請を行っていました。

  • *公知申請: 医薬品の有効性や安全性が医学薬学上公知であるとして、臨床試験の全部又は一部を新たに実施することなく行う承認申請

小児におけるブスルフェクスの利便性の高い1日1回の用法用量が承認されたことで、血液がんに苦しむ患者さんとそのご家族や医療従事者の負担とリスクの軽減が期待されます。大塚製薬は、今後も世界中の未解決の医療ニーズを満たすため、患者さんやご家族に貢献できる研究開発を進めてまいります。

  • 製品概要
一般名 ブスルファン
販売名 ブスルフェクス点滴静注用60mg
効能又は効果
  • 同種造血幹細胞移植の前治療
  • ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、神経芽細胞腫、悪性リンパ腫における自家造血幹細胞移植の前治療
用法及び用量 下線部が小児の1日1回投与の用法用量の追加に係る変更
〈同種造血幹細胞移植の前治療、ユーイング肉腫ファミリー腫瘍及び神経芽細胞腫における自家造血幹細胞移植の前治療〉
他の抗悪性腫瘍薬との併用において、成人にはA法又はB法、小児にはC法又はD法を使用する。なお、患者の状態により適宜減量する。
〈悪性リンパ腫における自家造血幹細胞移植の前治療〉
他の抗悪性腫瘍薬との併用において、成人にはA法又はB法を使用する。なお、患者の状態により適宜減量する。
成人 A法:ブスルファンとして1回0.8mg/kgを2時間かけて点滴静注する。
本剤は6時間毎に1日4回、4日間投与する。
B法:ブスルファンとして1回3.2mg/kgを3時間かけて点滴静注する。
本剤は1日1回、4日間投与する。
小児 C法:ブスルファンとして以下の体重別の投与量を2時間かけて点滴静注する。本剤は6時間ごとに1日4回、4日間投与する。
D法:ブスルファンとして以下の体重別の投与量を3時間かけて点滴静注する。本剤は1日1回、4日間投与する。
小児投与量