大塚製薬株式会社

医療関連事業
2023年9月8日

大塚製薬 米国ShapeTX社と共同研究契約を締結
‐新規アデノ随伴ウイルス(AAV)を用いた眼科疾患における遺伝子治療薬を開発 -

大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:井上眞、以下「大塚製薬」)は、人工知能(AI)とRNA技術を組み合わせた創薬プログラムを開発するShapeTX(本社:米国ワシントン州シアトル、CEO:Francois Vigneault、以下 「シェイプ社」)と、眼科疾患における複数標的に対する新規アデノ随伴ウイルス(AAV)を用いた遺伝子治療薬を開発するための共同研究契約を締結しましたので、お知らせします。本契約には、眼科領域以外の創薬オプションも含まれています。

非病原性ウイルスに由来するAAVは、免疫原性が低いこと、また広範な組織指向性を有し、標的細胞において遺伝子発現が長期間持続することなどから、遺伝子治療用ベクターとして注目されています。シェイプ社が保有する独自のAAVidプラットフォーム*1は、数十億種類のユニークなAAV変異体を用いた大規模スループットスクリーニングと機械学習を組み合わせることで、有効な新規AAVカプシド*2を同定する技術です。AAVベクターの標的組織に対する指向性を高めることで、治療効率の向上と安全性の向上が期待されます。

共同研究では、シェイプ社の技術と大塚製薬が提供する独自の抗体および眼科領域における創薬技術を組み合わせることで、抗体が標的細胞に対して特異的に発現できるように最適化します。これにより、両社は、重篤な眼科疾患に苦しんでいる患者さんへ新規治療選択肢(AAVを利用して治療用抗体を発現する遺伝子治療:ベクター化抗体医薬*3)を提供することを目指します。

本契約により、大塚製薬はシェイプ社に対して、契約一時金および本共同研究で創出される製品の開発の進捗や売上高に応じたマイルストン(総額15億米ドル以上になる可能性)、今後の売上高に応じた段階的ロイヤルティを支払います。

シェイプ社CEOのFrancois Vigneault は、「当社は、遺伝子治療の送達法に関する課題を解決するためにMidjourneyやDALL-E 2などの生成AI技術を用いて独自のAAVidプラットフォームを開発しました。このプラットフォームは、実験の限界を越えた新規の医薬品デザインを可能にしています。このたびの大塚製薬との共同研究契約は、私たちの技術の成果とインパクトを拡大するものであり、一人でも多くの患者さんを救うための当社の歴史の新たな章となりました」と述べています。

大塚製薬取締役 研究部門担当(兼)大阪創薬研究センター長の周藤俊樹は、「大塚製薬は、中枢神経領域、腎・循環器疾患領域、眼科領域をはじめ広範囲な治療領域での創薬実績があります。最近の研究活動により、未充足な医療ニーズのある特定の眼科疾患に重要と思われる標的分子およびそれに作用する抗体を同定することができました。今回のシェイプ社との提携は、その治療用抗体をAAVと組み合わせたベクター化抗体医薬として、生涯に一度の単回投与により、標的疾患細胞に特異的に送達し、かつ生涯安定的に発現させることで、病気の治癒につながる可能性があります。慢性的な疾患に苦しんでおられる患者さんに大きなベネフィットがあると期待しています」と述べています。

  1. *1 AAVidプラットフォーム:数十億種類のユニークなAAV変異体を用いた大規模スループットスクリーニングと機械学習を組み合わせ、臨床応用性を最大化した新規 AAV カプシドを同定します。同定されたAAVid カプシドは、体内分布を調整し正確な標的指向性を実現するよう設計されるため、遺伝子治療の治療効率の向上並びにAAVベクターの用量依存的な安全性リスクの軽減などが期待されます。
  2. *2カプシド:ウイルスゲノムを取り囲むタンパク質の殻のこと
  3. *3ベクター化抗体医薬:AAVをベクター(運び屋)として,抗体遺伝子を標的細胞に特異的に送達し,タンパク質として発現する新しいタイプの抗体医薬品

ShapeTX社の概要(https://shapetx.com/

会社名 ShapeTX (非上場)
所在地 700 Dexter Ave N Seattle, WA 98109, US
代表者 Francois Vigneault, PhD, co-founder and Chief Executive Officer
従業員数 約100名
設立 2018年
事業内容 次世代RNA標的治療薬の開発を手掛けるバイオテクノロジー企業