大塚製薬株式会社

医療関連事業
2023年11月8日

日本初、認知症の診療支援に用いる
神経心理検査用プログラム「ミレボ®」 の製造販売承認取得について

 大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:井上眞、以下「大塚製薬」)は、株式会社アイ・ブレインサイエンス(本社:大阪府、代表取締役社長:髙村健太郎、以下「アイ・ブレインサイエンス」)が、アイトラッキング(視線計測)技術を用いた神経心理検査用プログラム「ミレボ®」の国内における医療機器製造販売承認を取得しましたので、お知らせします。「ミレボ®」は、日本初の薬事承認を取得した認知症の診療支援に用いる神経心理検査用プログラムになります。今後、保険適用の手続きを行い、発売準備が整い次第、販売いたします。

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 タブレット端末にApp Storeからインストールしたアプリ「ミレボ®」を使用することで、約3分間で簡便に検査を実施できます。画面に表示される質問に沿って被検者が正解の箇所を見つめることにより、データを自動的にスコア化し、定量的かつ検査者の知識や経験に依存せず客観的に評価することが可能になります。

 臨床的に認知症と診断された被験者及びそれ以外の被験者(認知機能健常者及びMCI*1が疑われる被験者を含む)を対象に実施した臨床試験において、主要評価項目である「本プログラム(アプリ)による検査スコアとMMSE*2の総合点における相関」が認められ、副次評価項目である検査者に対する使用評価調査において検査者の負担軽減が確認されました。

 認知症の問診式検査であるMMSEは神経心理学的検査として、国内外の認知症のガイドライン*3*4で推奨されており、日常臨床で認知症のスクリーニングに広く使用されています。一方で、約20分の実施時間を要する*5ことや検査者に専門的な知識や経験が必要とされること、さらには被検者の心理的負担が強く、約70%の方が検査に苦痛を感じたとの報告*6もあることから、より簡便かつ客観性のある検査法が望まれています。「ミレボ®」により検査の選択肢が広がることで、現在の課題を解決するとともに、認知症の早期発見の一助になることを期待しています。

 

    1. *1Mild Cognitive Impairment 軽度認知障害
    2. *2Mini Mental State Examination
    3. *3認知症疾患診療ガイドライン2017
    4. *4APA GUIDELINES for the Evaluation of Dementia and Age-Related Cognitive Change
    5. *5Haubois et al. BMC Geriatrics 2011, 11:59
    6. *6Self-Reported Distress After Cognitive Testing In Patients With Alzheimer's Disease, August 2008

  1. 製品概要

    販売名 ミレボ®
    一般的名称 神経心理検査用プログラム
    使用目的又は効果 認知症の診療支援として、視線の情報を連続的に収集し神経心理検査に用いる。
    製品内容 タスク映像における被検者のアイトラッキング(視線計測)データをアルゴリズム処理し、スコア化する。
    測定時間 約3分間
    動作環境 iPad Pro(12.9インチ)