大塚製薬株式会社
国立大学法人九州大学
国立大学法人京都大学
国立病院機構名古屋医療センター
国立大学法人東京大学医科学研究所
慶應義塾大学医学部

医療関連事業
2024年3月29日

国内初の造血器腫瘍遺伝子パネル検査の製造販売承認申請について

大塚製薬株式会社(本社:東京都、以下「大塚製薬」)と国立研究開発法人国立がん研究センター(所在地:東京都、以下「国立がん研究センター」)が共同設計し、国立がん研究センター、国立大学法人九州大学(所在地:福岡県)、国立大学法人京都大学(所在地:京都府)、国立病院機構名古屋医療センター(所在地:愛知県)、国立大学法人東京大学医科学研究所 附属先端医療研究センター(所在地:東京都)、慶應義塾大学医学部(所在地:東京都)との共同研究コンソーシアム*1にて開発してきた造血器腫瘍遺伝子パネル検査*2について、本日、大塚製薬が国内での製造販売承認申請を行いましたので、お知らせします。

国内では、2023年6月にゲノム医療推進法*3が成立し、がんを中心とした幅広い医療分野でゲノム情報を利用した個別化医療が推進されています。がん遺伝子パネル検査は、固形腫瘍を対象としたものが既に保険適用されていますが、造血器腫瘍では、製造販売承認されたものはなく、保険診療下でのがんゲノム医療が実施できておりません。そこで、大塚製薬と国内主要施設による共同研究コンソーシアムでは、造血器腫瘍患者さんの保険診療下でのがんゲノム医療を実現するため、日本血液学会の造血器腫瘍ゲノム検査ガイドライン*4に基づいた網羅的な遺伝子パネル検査の開発に取り組んでまいりました。本製品は厚生労働省から先駆け審査指定制度*5の対象品目に指定*6され、承認されれば国内で初めての造血器腫瘍を対象としたがん遺伝子パネル検査となる見込みです。

本製品は、造血器腫瘍に関連する遺伝子異常を検出することにより、急性骨髄性白血病(AML)や骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性腫瘍(MPN)などの骨髄系腫瘍から、急性リンパ性白血病(ALL)、悪性リンパ腫などのリンパ系腫瘍などほとんど全ての造血器腫瘍と関連疾患に対して、「診断」、「治療法選択」、「予後予測」が可能になることが期待されます。また、造血器腫瘍は小児がんで最も多いがんとして知られ、小児と成人で遺伝子異常が異なることが知られています。このため、本製品は幅広い造血器腫瘍患者さんに使用いただけるように設計しました。

この造血器腫瘍遺伝子パネル検査が実装されれば、造血器腫瘍領域において個別化医療が大きく進歩し、よりよい医療に貢献します。

  1. *1国内初の造血器腫瘍を対象とする遺伝子パネル検査を開発 -国内主要施設と大塚製薬とのコンソーシアムで臨床的有用性を検証するプロジェクト開始-(https://www.otsuka.co.jp/company/newsreleases/2020/20200326_2.html)。
  2. *2造血器腫瘍遺伝子パネル検査用体外診断用医薬品及び造血器腫瘍遺伝子パネル検査用医療機器プログラムにより構成される。
  3. *3良質かつ適切なゲノム医療を国民が安心して受けられるようにするための施策の総合的かつ計画的な推進に関する法律(令和五年法律第五十七号)。
  4. *4一般社団法人日本血液学会 造血器腫瘍ゲノム検査ガイドライン 2021年度一部改訂版(http://www.jshem.or.jp/genomgl/home.html
  5. *5医療機器・体外診断用医薬品・再生医療等製品の先駆け審査指定制度の試行的実施(第五回)について(薬生機審発0906第1号)
  6. *6「先駆け審査指定制度」の対象品目を指定しました(令和2年6月19日 厚生労働省プレスリリース)
    https://www.mhlw.go.jp/content/000731950.pdf