コラム 暮らしを彩るワンポイント人工知能(AI)研究者・黒川伊保子さんの
女の人生のトリセツ

第25回 
無駄な劣等感を捨てる

好きだけど、自分には似合わない服ってありますよね。「なんでだろう……」と落ち込まなくても大丈夫。答えは、生まれつき決まっている「骨の動かし方」にありました。

あなたの驚き方はどのタイプ?

人類の驚き方には、4種類ある。「脳が骨を動かし始める方式」が4種類だからだ。そう、全世界の人類が、次の4種類のうちのどれかで驚いている。あなたはどれだろう。
胸を引っ張られたように、上体がぴょんと上がる
両肩が上がることで、上体がすっと上がる
身をすくめる(上半身をぎゅっと固めるようにして、身構える)
のけぞる
この4種類は、骨の形と動きが違うので、似合う服や靴が違うのである。うっかり違うタイプに憧れて、「永遠に似合わないもの」や「永遠に使いにくいもの」に固執して、無駄な劣等感に悩まされていないだろうか。

骨の動かし方4種類

私たちは、手のひらの角度を変えるとき、ひじから下の2本の骨を使う。人差し指に向かう橈骨とうこつと、薬指に向かう尺骨しゃっこつである。うなぎのかば焼きに、2本の串が刺してあるでしょう?あれと同じ論理だ。串が1本だと繊細な動きはできないけど、2本なら「左上から徐々に持ち上げて回転する」ような繊細な動きが可能になる。
足も同じ。膝から下の2本の骨、脛骨けいこつ腓骨ひこつを使って、足裏の角度を変えている。
脳は、すべての手足の制御を、この2本の骨を動かすことから始めている。このとき、脳はどちらかを優先して使う。つまり、人類には、人差し指優先タイプと薬指優先タイプがいるわけ。手足が必ず一緒で、生まれつき決まっていて一生変わらない。
さらに、その優先指を動かす方向も2種類あるので、つごう4種類の人類がいるってわけ。
人差し指を中指に寄せるタイプ(=胸から跳び上がるタイプ
薬指を中指に寄せるタイプ(=肩からすっと上がるタイプ
人差し指を親指に寄せるタイプ(=身構えるタイプ
薬指を小指に寄せるタイプ(=のけぞるタイプ
である。
ちなみに、廣戸聡一先生の4スタンス理論では、はA1、はA2、はB1、はB2と呼ばれている。自分のタイプを詳しく知りたい場合は、4スタンス理論をご参照ください。

人差し指タイプ VS 薬指タイプ

さて人差し指タイプは、身体の中心の側にある骨を優先して動かすので、動きがコンパクトでキュートという特徴がある。の人たちは、手足が小さめで、ひじから先、膝から先が跳ねるように動くので愛らしい。熟年になっても少女っぽいしぐさをする人たちで、プリンセスラインの服や、ラウンドトゥ(丸いつま先)の愛らしい靴が似合う。の人たちは、多くの動きが体の中心に向かうので、控えめで清楚に見える。サック型の愛らしいドレスも嫌味なく着こなせる人たちだ。こちらも愛らしい靴がお似合い。
これに対し、薬指タイプは動きが大胆なので、華やかだ。の人たちは、何をするにも肩がすっと上がるので、背筋がピッと伸びたクールな身のこなしになる。ストレートラインのパンツやマニッシュなジャケットもお似合いのクールビューティ。の人たちは、やわらかい曲線を感じさせる体形で、女らしいマーメイドラインのワンピースは、このタイプのためにあるといっても過言ではない。
もちろん、自分以外のタイプに似合うスタイルだって、まるっきりだめというわけじゃない。いくつかの条件が取りそろって似合うこともあるのであきらめることはないが、思ったほど似合わなかったら、そこを深堀せずに、自分のスタイルに戻ろう。
ちなみに、のタイプは、足の人差し指が長めで、体重が最もつま先に集中するので、ハイヒールが苦手な人が多い。先が詰まって痛いし、ハイヒールと足が一体化して見えないため、見ていても少し痛々しい。代わりに、ラウンドトゥのローヒールが、めちゃくちゃかわいらしい。デコラティブな靴を履いても素敵だ。
ハイヒールが最も得意なのは、薬指と小指を、扇のように広げて使うタイプ。つま先をふっくら広げて使うので、トゥの中いっぱいに足指が詰まって安定する。見た目にもハイヒールと一体化して、美しく見える。
第25回 無駄な劣等感を捨てる/人工知能(AI)研究者・黒川伊保子さんの【女の人生のトリセツ】
イラスト・いいあい

似合うものを見極める

もうわかったでしょう?
誰でも、似合うと似合わないがあるのである。
いくら美人でスタイルが良くても、の人が、プリンセスラインのワンピースにお花のついたラウンドトゥのパンプスを履いたら、どうにもしっくりこないなんてことがある。そのうえ、タイプは、外側の骨を大きく外に使うので、歩き始めに膝から下が少しカーブして見え、「O脚じゃない?」なんて、あらぬ疑いをかけられる。それを鵜呑みにして、整体に通っても治らないのである。そもそも歩き始めに現れるその曲線がセクシーなのに、コンプレックスにしちゃってどうするの?
というわけで、女は、骨の動かし方を見抜いて似合うものを知る必要がある。似合わないものには無駄に憧れない、違うタイプからのアドバイスは聞き流す、をルールにしたらいい。
黒川伊保子
黒川伊保子(くろかわ・いほこ)さん
脳科学・人工知能(AI)研究者。株式会社感性リサーチ代表取締役社長。感性アナリスト。随筆家。奈良女子大学理学部物理学科を卒業後、コンピューターメーカーで人工知能エンジニアとなり、ことばの潜在脳効果の数値化に成功。感性分析の第一人者として、さまざまな業界で新商品名の分析を行った。また、男女の脳の「とっさの使い方」の違いを発見し、その研究結果をもとに著した家族のトリセツシリーズ(『妻のトリセツ』『夫のトリセツ』『息子のトリセツ』『娘のトリセツ』『家族のトリセツ』)は累計90万部を超えるベストセラーに。『母のトリセツ』(扶桑社新書)『仕事のトリセツ』(時事通信社)『女女問題のトリセツ』(SB新書)に続き、最新刊は『夫婦のトリセツ 決定版』(講談社)。
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