健康・疾患啓発活動

熱中症対策

大塚グループの第4次中期経営計画では、注力する社会課題の1つに「地球環境」を掲げています。気候変動の影響により世界各地で猛暑日や熱帯夜が増加する中、気温上昇に伴う体調管理や暑熱対策といった健康課題への対策が更に重要になっています。

大塚製薬では世界の人々の健康に貢献するという企業理念のもと、科学的根拠に基づく製品の開発とともに、研究開発で得た知見を生かし、自治体や企業、学校などの組織・団体と連携して健康情報 を提供しています。

熱中症対策においては30年以上にわたり、スポーツや学校、暑熱環境下の職場など幅広いシーン・年代を対象に、水分・電解質補給の重要性を伝える啓発活動を実施しています。
47都道府県をはじめ、800以上の 全国の自治体との健康に関する包括連携協定の締結に加え、2023年には環境省初となる熱中症対策推進に関する連携協定を締結するなど、様々なステークホルダーと協働で取り組みを推進しています。

現在では、自治体・学校・企業等を対象とした「熱中症対策アンバサダー®」講座の主催や、学校向け教材「水と健康」の提供など、正しい情報を広く伝えるための仕組みづくりを行っています。

今後もウェルビーイングの実現を目指し、地域や学校における熱中症対策や企業における健康経営等に活用いただける情報提供やサポートを行っていきます。

プレクーリング

熱中症予防で重要な鍵は「深部体温の上昇抑制」です。その手段として、①暑熱順化をおこなうこと、②水分・電解質補給、③体内冷却があります。「身体冷却」は、熱中症の根本要因である「深部体温」への直接的アプローチができるため非常に効果的であり、近年注目されている予防策です。プレクーリングは、もともとはスポーツ分野で実践されていましたが、近年は暑熱環境下での作業など職場における熱中症対策においても新たなアプローチとして実践されるようになり、厚生労働省の「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」でも、2021年からプレクーリングの取り組みが追加されています。
WBGT値が高い暑熱環境の下で、作業強度を下げたり通気性の良い衣服を採用したりすることが困難な作業においては、作業開始前にあらかじめ深部体温を下げ、作業中の体温上昇を抑えるプレクーリングも行われており、体表面を冷却する方法と、冷水やアイススラリー(流動性の氷状飲料)を摂取して体内から冷却する方法とがあります。必要に応じて作業開始前や休憩時間中のプレクーリングを検討しましょう。

  • 厚生労働省 令和5年「STOP ! 熱中症 クールワークキャンペーン」

熱中症対策アンバサダー講座の開講

熱中症対策アンバサダー講座

熱中症の発生を防ぐためには、個々で気を付けていくことはもちろんですが、正しい知識をもって熱中症対策をおこなうことができるよう、多くの方々に呼びかけていくことも必要です。
大塚製薬では、自治体・学校・企業等の組織・団体を対象に、熱中症対策の啓発・普及活動をおこなう際に必要な専門的な知識を学んでいただくことができる「熱中症対策アンバサダー講座」を開講しています。
修了された方は「熱中症対策アンバサダー」として認定され、周囲の人々に対する声かけの輪を広げる活動等にお役立ていただいています。

中学校向け教材「水と健康」について

大塚製薬の無償授業セット 中学校保健体育科保健分野「健康と環境」対応教材 水と健康 カラダの水分マネジメント

大塚製薬では、熱中症対策に留まらず、カラダと水分の関係、知らず知らずのうちに失われている水分について考え、学んだその日から学生一人ひとりが自身のコンディショニングを実行できるよう、中学校向けの教材を作成しています。

自分のカラダから水分が失われる仕組みや、自身の脱水の確認方法を理解することで、生徒一人ひとりの行動変容を促す内容になっており、主体的に、カラダの水分が生命や健康にかかせないことを学び理解するための教材として活用いただいています。

また日本での熱中症対策の啓発活動のノウハウをもとに、グローバルにおいても各地域に根差した様々な取り組みを実施しており、健康に貢献すべく活動しています。

活動の歴史

大塚製薬はポカリスエット発売当初からさまざまなシーンにおける「水分補給の重要性」の訴求を行ってきました。日本体育協会(現:日本スポーツ協会)「スポーツ活動における熱中症事故対策に関する研究班」の設置を機に、1992年から熱中症を知って防ぐ活動への協力が始まりました。これまでの活動内容をご紹介します。

公益財団法人 日本スポーツ協会 専務理事

森岡 裕策 氏

本会が進めてまいりました熱中症予防啓発活動も30余年が経ち、活動の意義も広く浸透してきたと感じています。しかしながらここ数年来、猛暑の夏が続くようになっており、痛ましい熱中症死亡事故が絶えないことも事実です。「熱中症」は適切な予防措置さえ講ずれば防ぐことができるものです。スポーツ基本法にも謳われているように、安全なスポーツ活動が確保されるよう、本会としても引き続き熱中症予防啓発活動を推進してゆく所存です。

活動の歴史

1992(平成4)
  • 日本体育協会「スポーツ活動における熱中症事故予防に関する研究班」
    の設置にともない熱中症を知って防ぐ活動への協力開始
  • 日本体育協会「国民スポーツ推進キャンペーン」にスポンサーとして協賛
1993(平成5)
  • 日本体育協会の熱中症予防啓発活動に協賛開始
  • 「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」の制作協賛開始
1996(平成8)
  • ビデオ「スポーツ活動中の熱中症予防」制作協賛
1997(平成9)
  • 「SPORTS NUTRITION FORUM(スポーツニュートリション フォーラム)」協賛
  • ビデオ「競技者のためのスポーツ活動と水分補給」制作協賛
  • 「ラグビー」・「サッカー」・「柔道」・「陸上競技」・「野球」各競技団体の水分補給マニュアル制作協賛
1998(平成10)
  • ビデオ「スポーツ選手のトレーニングとコンディショニング 筋肉とプロテイン・そして水分」制作協賛
1999(平成11)
  • スポーツ少年団「熱中症予防キャンペーン事業」に協賛
  • スポーツ少年団「熱中症予防パンフレット」制作協賛
  • ジュニアスポーツセミナー協賛
2000(平成12)
  • ビデオ「子どものスポーツ活動中の熱中症予防」制作協賛
  • 「夏のトレーニング・ガイドブック」制作協賛
  • ビデオ「スポーツ選手の新・ライフマネージメント」制作協賛
2001(平成13)
  • ビデオ「子どもたちのスポーツ活動中の水分補給」制作協賛
  • ビデオ「アスリートたちのロッカールーム」制作協賛
2003(平成15)
  • 「都市気候と熱中症に関する講演会」をメディア向けに開催、大塚製薬が協賛

    主催:
    (財)気象業務支援センター
    後援:
    環境省、気象庁、(財)日本体育協会、(財)日本学校保健会、中央労働災害防止協会

2004(平成16)
  • スポーツ活動以外でも発生している熱中症による事故は、防ぐことのできる事故であることを社会に訴えるため、各分野の熱中症研究者がはじめて一堂に会した「熱中症予防サミット」に、全面的に協賛
2006(平成18)
  • アスレティックトレーナーの国際会議である「WFATT ワールドコングレス2007東京」に協賛
2007(平成19)
  • ジュニアスポーツセミナーを全国 50 会場に拡大
  • スポーツ活動キャンペーンの一環として全国のスポーツ少年団員 50 万人への水分補給講習会を実施
2008(平成20)
  • 全国軟式野球連盟に協賛し、監督指導者に向けての水分補給セミナー実施
  • 日本サッカー協会が主催するU -12 サッカーリーグに協賛し、監督・指導者に向けての水分補給セミナー実施(平成 20 年度〜)
  • 気象予報士セミナー開催
2010(平成22)
  • 全国の保健所、保健センターにて高齢者を対象にした熱中症対策啓発活動を実施
2011(平成23)
  • DVD「熱中症予防の落とし穴」(NPO 法人気象予報キャスターネットワーク)制作協賛
2012(平成24)
  • ウェブサイト「熱中症予防情報サイト」(NPO 法人気象予報キャスターネットワーク)制作協賛
  • 全国の産業医、事業所勤務の保健師・看護師・栄養士・安全衛生担当者の方を対象にしたLive On Seminar開始
2013(平成25)
  • 「熱中症予防情報サイト」新サービス 熱中症危険度を示す「暑さ指数」の無料自動配信をNPO 法人気象キャスターネットワークと共同制作
  • スポーツ少年団の指導者や団員の保護者を対象に、スポーツ少年団活動理念の普及、スポーツ活動中の熱中症予防の情報提供を目的に、Live On Seminarを開催
2014(平成26)
  • 熱中症予防声かけプロジェクト「ひと涼みアワード2014」 最優秀啓発賞 受賞
2015(平成27)
  • 「ひと涼みアワード2015」 最優秀賞(啓発賞) 受賞
2016(平成28)
  • 「ひと涼みアワード2016」 最優秀啓発賞・トップランナー賞 受賞
2017(平成29)
  • 環境省作成「熱中症環境保健マニュアル」複製に協力
  • 「ひと涼みアワード2017」 最優秀団結賞・トップランナー賞 受賞
2018(平成30)
  • 「ひと涼みアワード2018」 最優秀賞(官民連携部門) 受賞
2019(令和1)
  • 「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」 の改訂に協賛(初版から第5改訂まで連続)
  • 熱中症予防声かけプロジェクト主催「熱中症対策アドバイザー養成講座」協力開始
  • 「ひと涼みアワード2019」 最優秀賞(スポーツ部門) 受賞
2020(令和2)
  • 動画「スポーツ活動中の熱中症予防」制作に協賛
  • 「ひと涼みアワード2020」最優秀賞(スポーツ部門) 受賞
2021(令和3)
  • 小中学校壁新聞「ガマンは熱中症のもと!!」制作に協賛
  • 「ひと涼みアワード2021」最優秀賞(スポーツ部門) 受賞
2022(令和4)
  • デジタル冊子「防ごう熱中症!!元気にスポーツ」制作に協賛
  • 小中学校壁新聞「スポーツ活動時の新型コロナウイルス感染症対策と熱中症予防」制作に協賛
2023(令和5)
  • 環境省と熱中症対策の推進に関する連携協定を締結
  • 大塚製薬主催「熱中症対策アンバサダー講座」開始
  • 小中学校壁新聞「スポーツ活動中の熱中症予防」制作に協賛
  • 日本体育協会(現:日本スポーツ協会)の活動

関連リンク