女性の健康推進プロジェクト

健康経営®に重要な女性の健康企業における女性のヘルスリテラシーの重要性

女性のヘルスリテラシーの高さはセルフケアにつながり、パフォーマンスの維持、疾病に対する適切で迅速な対応、キャリアの自律につながります。女性のヘルスリテラシーと仕事や妊娠、健康行動との関連性を見てみましょう。

  • ヘルスリテラシー:健康に関する知識や情報を理解し、活用する力のことで、健康に関する自己管理能力
  • 女性に関するヘルスリテラシーの高い人は女性特有の症状があったときに仕事のパフォーマンスが高い

    PMS(月経前症候群)・月経随伴症状、ならびに更年期症状・障害によって、元気な状態のときと比較して仕事のパフォーマンスが半分以下になると回答した人が約半数でした。一方で、ヘルスリテラシーの高い人の方が、女性特有の症状があった際でも仕事のパフォーマンスが高い傾向にあることもわかりました。※1

  • 女性に関するヘルスリテラシーの高い人は女性特有の症状があったときに対処できる割合が高い

    ヘルスリテラシーの高い人はそうでない人に比べて、月経異常時に、市販薬や医師の処方薬を飲む、医療機関を受診するなど、対処行動をとる割合が約2.8倍高い結果でした。※1

  • 女性に関するヘルスリテラシーの高さが望んだ時期に妊娠することや不妊治療の機会に関連

    妊娠を希望する女性のうち、望んだ時期に妊娠できなかった人は約53%。
    しかし、ヘルスリテラシーが高い人は、そうでない人の約1.9倍、望んだ時期に妊娠していました。※1

上記の結果からも、ヘルスリテラシーの高さは、仕事やライフスタイルに大きな影響を与えることがわかります。女性自身が健康管理についての正しい情報を積極的に収集し、適切な対処を実践することはもちろん、企業が主体となって女性の健康に関する知識や情報提供をサポートすることでさらなる効果が期待できます。

女性の健康支援として企業ができること

「女性特有の健康課題が原因で、正社員雇用や昇進など、職場で何かを諦めた経験がある」と答えた女性従業員は43%でした。その際、女性従業員自身が「必要と感じたもの」「あれば助かったと思われるもの」としては以下が挙がっています。※2

女性従業員

Q.女性特有の健康課題などにより職場であきらめなくてはならないと感じた事はありますか?

  • あきらめた経験がある
    43%
  • そういう経験はない
    57%
n=2400

Q.その際に職場で必要と感じたもの、あれば助かったと思われるものはどんなものがありますか?(複数回答)

会社による業務分担や適切な人員配置などのサポート 41%
治療などのための休暇制度や柔軟な勤務形態を支えるサポート 33%
上司や部署内でのコミュニケーション 32%
総務部や人事部などからのアドバイスやサポート 27%
ライフイベント、年齢などに関わりなく活用できるキャリアアップ制度 23%
産業医や婦人科医など専門家への相談窓口 21%
保険者によるサポート 18%
予防や意識啓発を図るための健康教育 14%
n=1020

健康課題を抱える女性従業員は、業務負担の軽減を含めた配慮や、治療と仕事を両立するための制度、上司や同僚の理解を得ることなどが必要だと感じています。※2

管理職

Q
女性特有の健康課題などの事情を持つ女性部下への対応が必要となった際に、職場で必要と感じたもの、あれば助かったと思われるものはどんなものがありますか?(複数回答)

産業医や婦人科医、カウンセラー、アドバイザーなど専門家への相談窓口 53%
総務部や人事部などからのアドバイスやサポート 33%
両立のための休暇制度や柔軟な勤務形態などを支えるサポート 30%
業務分担や適切な人員配置などがしやすい環境づくり 30%
女性社員に多い健康課題やその対応に関する管理者研修 20%
保険者によるサポート 9%
その他 3%
n=272

管理職は外部の専門家によるサポートを受けることを必要としていることがわかります。
特に、男性管理職からは「男性にはわからない女性特有の症状に的確にアドバイス出来ない」という声があがっています。こうした結果から、企業ができる取り組みとしては、以下のようなものがあります。※3

  • ヘルスリテラシー向上への取り組み

    女性の健康に関する知識を深めるため、研修の実施や冊子の配布など、企業側が主体となって情報発信を行います。
    女性従業員はもちろん、男性や管理職、新入社員など、組織全体に広く啓発しましょう。

  • 相談窓口の設置

    症状や発症頻度、不調の度合いは人によってさまざまです。総合的な視点で、気軽に相談できる窓口を設けることが大切です。また、職場の労働環境や担当する業務によっても、対処法が異なります。相談窓口と女性従業員が配置されている部署、該当部署の管理職等が連携できるような体制を整えるなど、柔軟に対処できる仕組みを整えましょう。

  • 働きやすい環境の整備

    女性従業員自身が、体調を考慮して働き方を柔軟に選択できるように環境を整備します。自宅勤務の選択肢やシフト・業務量の調整、休暇制度の整備などに取り組むことで、女性に限らず、組織全体が働きやすい環境になるでしょう。

その他、「婦人科検診の勧奨」「育児・介護による時短勤務者のキャリア支援」「不妊治療との両立支援」など、自社の健康経営戦略に沿った対策を検討しましょう。

女性の健康支援で、誰もが活躍できる職場に

女性の活躍が重要性を増すなか、女性が働きやすい体制作りが求められています。
企業全体で女性特有の健康課題に関するヘルスリテラシー向上を目指し、女性の健康を支援することが大切です。
女性の健康課題は年齢やライフステージによってもさまざま。状況に合わせてひとつずつ向き合いながら、健康経営を推進していきましょう。

  • ※1. 出典:「働く女性の健康増進調査2018」(特定非営利活動法人 日本医療政策機構)
    https://hgpi.org/wp-content/uploads/1b0a5e05061baa3441756a25b2a4786c.pdf
  • ※2. 出典:「働く女性の健康推進に関する実態調査」(経済産業省)
    https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/downloadfiles/H29kenkoujumyou-report-houkokusho-josei.pdf
  • ※3. 出典:「健康経営における女性の健康の取り組みについて」(経済産業省)
    https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/downloadfiles/josei-kenkou.pdf

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大塚製薬の女性の健康推進プロジェクトでは、女性自身のヘルスリテラシー向上と男性の理解促進への貢献を目的としたセミナーを開催しています。

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