女性の健康推進プロジェクト

健康経営®に重要な女性の健康企業はどう対応すべき?女性が職場で抱えやすい健康課題

女性特有のさまざまな症状に対して、職場における配慮が求められています。
女性が抱えやすい代表的な4つの健康課題を見てみましょう。

月経痛やPMS

月経痛(生理痛)

下腹部や腰の痛みのほか、人によっては頭痛、胃痛、吐き気、めまいなどの諸症状を伴います。
痛みが強く、日常生活に支障をきたす場合は「月経困難症」と診断されるケースもあります。

PMS(月経前症候群)

月経開始の3~10日前から始まる、イライラや不安などの感情の乱れ、眠気や睡眠障害、集中力の低下など、さまざまな不調を指します。
PMSが生じる原因は明確ではないものの、女性ホルモンの変動の影響が大きいとされています。

こういった月経周期に見られる不調は、労働力の損失だけでなく、昇進辞退や退職にもつながる可能性があるため、企業側からの業務分担や適切な人員配置といったサポートや、治療や受診のための休暇制度、柔軟な勤務形態の導入など、女性がキャリアを継続できる環境づくりが求められます。

女性特有の疾病やメンタルヘルス不調

女性特有の疾病

女性のがん罹患数は、1位が「乳がん」6位に「子宮がん」※1であり、近年、若い女性のがん罹患者が急増しています。そのほか、女性特有の疾患として代表的な「子宮内膜症」は、患部の傷みや不妊などを引き起こす病気で、発症のピークは30~34歳。治療を行っても再発したり、稀にがんを併発したりするリスクがあります。
30歳以上の女性の20~30%にみられる「子宮筋腫」は、良性の腫瘍で、月経時の異常などさまざまな症状を招きます。こうした疾患を抱えると、欠勤や早退だけでなく、退職につながる可能性もあります。企業には、婦人科検診の推進のほか、検診・受診時の有給制度、治療時の休職制度を拡充することが求められます。

メンタルヘルス不調

メンタルヘルス不調は、ストレスや強い悩み、不安など、心身の健康や生活の質に影響を与える可能性のある精神的・行動上の問題を幅広く指すもので、慢性化するとうつ病が疑われます。
うつ病は、男性よりも女性の発症者が多いことがわかっています。女性ホルモンの影響のほか、妊娠・出産など女性特有のライフイベントによる環境の変化がきっかけになることも。メンタルヘルスに関わる「パニック障害」も女性の方が発症しやすいとされています。
企業には、相談窓口の設置やメンタルマネジメントへの取り組みのほか、ワークライフバランスのとりやすい働き方の提案や勤務形態の整備が求められます。

妊娠・出産

妊娠・出産に伴い、女性には肉体的にも、精神的にも大きな変化が生じます。また、出産後の育児においても、男性より女性の方が負担が大きい傾向にあります。 近年、男性の育児休業取得率が増加しているとはいえ、2021年時点での育児休業取得者の割合は、女性が81.6%、男性が12.65%※2。また、経済産業省の「働く女性の健康推進に関する実態調査」によると「休職や退職を考えた際の健康課題」の1位は「妊娠・出産に関する症状・疾病(30.9%)※3」となっています。
妊娠・出産に至るまでの不妊治療においても、女性への負担は大きく、月経周期に合わせた治療・通院のスケジュール調整など、仕事への影響が出やすい傾向にあります。厚生労働省の調査によると、仕事と不妊治療の両立ができず離職する女性の割合は23%にものぼります。
企業には、出産・育児休暇制度の拡充のほか、不妊治療・通院のための休暇や休職制度の整備が求められます。

更年期症状・障害

閉経前後の10年間を更年期といい、この時期には、更年期症状・障害と呼ばれる不調が起こりやすくなります。ほてりやのぼせ、肩こり、頭痛、疲れやすさなどが代表的な症状です。こうした症状は、集中力の低下や疲労を招き、仕事への影響も大きいとされています。また、更年期症状・障害が生じているときに、家族の介護が重なるケースが見られ、場合によっては離職につながる可能性があります。
女性特有の不調に対する取り組みに加え、休暇を取りやすい職場環境を整え、家族の病気や介護による休暇など、仕事との両立を図るための支援が求められます。

  • ※1. 出典:「政府統計の総合窓口(e-Stat)」
    https://www.e-stat.go.jp/
  • ※2. 出典:「令和2年度 雇用均等基本調査」(厚生労働省)
    https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/71-r02/03.pdf
  • ※3. 出典:「働く女性の健康推進に関する実態調査」(経済産業省)
    https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/downloadfiles/H29kenkoujumyou-report-houkokusho-josei.pdf

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