女性の健康推進プロジェクト

産婦人科医「高尾美穂 先生」に聞く定期的な婦人科検診/健診を

高尾 美穂 先生

産婦人科医・医学博士・スポーツドクター。 女性のための統合ヘルスクリニック「イーク表参道」副院長。 文部科学省・国立スポーツ科学センター 女性アスリート育成・支援プロジェクトメンバー。 長年ヨガを愛好し多くのヨガインストラクターを指導。 YouTube「高尾美穂からのリアルボイス」では毎日、女性のお悩みに答え、楽に生きられる考え方を配信している。

私たち女性の人生を広く眺めてみると、様々な年代で女性特有のトラブルが起こりうるということがわかっています。
月経の始まる思春期以降は、月経前の不調であるPMSや月経痛の悩みや、妊娠・出産に関する悩み、そして子宮頚がんや乳がんの検診で異常を指摘されることもあるでしょう。
その後の更年期と呼ばれる身体と心が大きく揺さぶられる年代においては、様々な不調を抱えながら過ごす時期もあると思います。そんな女性のライフサイクルの各ステージにおいて、まず私たちが自分の体の変化に気づくためには、日々の生活で自分の体と心に向き合う機会を持つことが大切ではないかと考えます。

寝て起きて、体を動かし、仕事をし、休むという1日の中で、自分の体と向き合うだけでも、自分の不調に早く気づけるかどうかが大きく変わってくると思います。

女性ホルモンと関連深いライフスタイルの中で起こり得る問題

そして、自分の体のことを正しく知るために、是非おススメしたいのが婦人科の「けんしん」です。
この「けんしん」という言葉には2つの種類があります。
検査の“検”と書く「検診」と健康の“健”と書く「健診」です。
検査の“検”と書く「検診」は、特定の病気のリスクをより早く発見するためのもので、例えば子宮頚がん検診、乳がん検診があります。
女性の場合、自治体からそれぞれの検診のお知らせが届くようになっており、早く見つかれば治療の選択肢が大きく広げられますので、皆さんにはぜひ「検診」を受けていただきたいです。

検診と健診の違い

また、健康の“健”を使う「健診」は、自身の健康状態を確認するためのもので、例えば血液検査などで、これから先、私たち女性が発症しうる脂質異常症、高血圧、糖尿病といった基礎的な生活習慣病を早くチェックすることができます。
ぜひこの2つの「検診」と「健診」を上手に活用いただいて、一年に一度は自分自身の健康の状態をふるいにかける機会を持っていただければと思います。