女性の健康推進プロジェクト

産婦人科医「高尾美穂 先生」に聞く働く女性が不調の時周りにどう伝えるべきか

高尾 美穂 先生

産婦人科医・医学博士・スポーツドクター。 女性のための統合ヘルスクリニック「イーク表参道」副院長。 文部科学省・国立スポーツ科学センター 女性アスリート育成・支援プロジェクトメンバー。 長年ヨガを愛好し多くのヨガインストラクターを指導。 YouTube「高尾美穂からのリアルボイス」では毎日、女性のお悩みに答え、楽に生きられる考え方を配信している。

女性特有の不調で仕事を休まなければならず、一緒に働く他の方に少し負担をかけてしまうというケースは世の中によく見受けられます。そんな際に大切なことは、まず私たち自身がその不調に対して前向きに対策するという姿勢だと思います。

困っていることをそのままにするのではなく、自分が困っていることに対してある程度周りから理解を得られるような、何かしらの対策をするということ。
それでもしんどい時には「こういった取り組みをしたけれども、それでもやはりしんどい」と伝えることで、周りの理解はより深く得られるのではないかと考えています。

しかし、女性特有の不調は、性成熟期であれば毎月繰り返しやってくる可能性もありますし、更年期という世代に入ってくると、年齢を重ねるごとに様々な不調が訪れるケースもあります。
そうなると、どれだけ自分自身で前向きに対策を行っていても、乗り切れないことがあると思います。

だからこそ、働く女性たちが抱える課題を個人の対処だけに任すのではなく、社会や企業といった組織で、仕組みや規則、ルールなどの環境づくりを行い、女性が不調の時を支え、前向きに理解し、女性が元気に働き続ける世の中にしていくことが必要だと考えています。