女性の健康推進プロジェクト

世界メノポーズデーメノポーズ週間

毎年10月18日は「世界メノポーズデー(World Menopause Day)」です。
メノポーズとは、閉経のこと。
閉経前後の約10年間を「更年期」といい、世界メノポーズデーは、
更年期の健康に関わる情報を全世界へ提供する日として定められています。
さらに、国内では、毎年10月18日から24日までの1週間を「メノポーズ週間」として、さまざまな啓発活動が行われています。

世界メノポーズデーメノポーズ週間が定められた経緯

「世界メノポーズデー」は、1999年に開催された第9回国際閉経学会において、高齢化社会を迎えるなか、更年期の健康に関わる情報を全世界に提供する日として採択されました。
毎年10月18日には、社会全体の更年期の意識を高めるための取り組みが世界中で行われています。

2020年時点で、日本女性の平均寿命は87.74歳。閉経後の人生が、30年以上続く女性が多いと考えられます。心身にさまざまな変化が訪れる更年期を健やかに過ごすことは、その後の人生をより豊かにすることにつながります。

日本では、2007年より一般社団法人日本女性医学学会(以降、「日本女性医学学会」と略表記)が中心となって活動を開始。
10月18日の世界メノポーズデーから1週間後の24日までを「メノポーズ週間」と定め、厚生労働省や日本医師会などによる後援のほか、企業による協賛を受けて活動を行っています。

シンボルマーク

日本女性医学学会は、2009年に「メノポーズ週間」のシンボルマークを作成。
メノポーズの頭文字「M」をベースに、パートナーと支えあう様子が表現されています。

「メノポーズ週間」に行われる取り組み

「メノポーズ週間」では、日本女性医学学会によるポスターの作成や婦人科での掲示、
小冊子の作成配布、動画の配信などが行われています。
また、発信された情報をもとに、婦人科の病院やさまざまな企業がさらなる情報発信を行っています。

これまでに実施した日本女性医学学会の主な活動内容

  • 更年期に関する情報発信のための
    セミナーや座談会の開催
  • ポスターや小冊子の作成・配布
  • 婦人科の病院にポスターの掲示を促す
  • 新聞広告やWEBメディアを通じた
    メノポーズ週間の情報発信
  • 更年期女性を対象とした
    「更年期リテラシー」などの調査
  • 更年期の基礎知識や治療法、
    セルフケアの方法などに関する解説動画の公開

企業内での取り組み

メノポーズ週間に合わせて、日本女性医学学会が公開する啓発動画を自社サイトで紹介する企業や、更年期症状に関するアンケート調査を独自に行う企業など、さまざまな取り組みが見られます。
また、メノポーズ週間の協賛企業のなかには、更年期に関連する情報ページを公開している企業もあり、更年期女性のヘルスリテラシーの向上を支援しています。

更年期に起こる身体の変化を理解しよう

閉経とは卵巣の機能がなくなり、月経が永久に停止した状態をいい、
月経が来ない状態が12カ月以上続いた時に、1年前を振り返って閉経とされます。
その閉経の前後5年、合わせて10年間を更年期と呼び、その時期には女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少します。
女性ホルモンには女性の体と心を守る働きがあり、分泌量が減ることで不快な症状が出やすくなります。
また、更年期以降は生活習慣病の発症リスクが次第に高くなっていくとされています。

これって、更年期症状?チェックポイント

更年期に起こる様々な症状を「更年期症状」、日常生活に支障を感じるものを「更年期障害」と呼び、その症状にはいろいろな種類があります。

  • ホットフラッシュや冷えをはじめ、動悸やめまいといった自律神経症状
  • 肩こり・関節痛などの痛み
  • イライラや眠れないなどのメンタル・睡眠トラブル
  • だるい・疲れやすいなどの倦怠感
  • 頻尿・尿漏れといった泌尿器トラブル

こうした変化が起こる要因として、
① 閉経や加齢による生物学的要因、② 本人の性格や心理的な要因、③ 家庭や仕事の影響による社会的・環境的要因があり、それぞれが合わさることで、更年期の不調に拍車をかけてしまいます。
更年期症状は多様かつ個人差が大きいものです。
以下のチェックポイントを参考に、更年期障害の有無について確認してみましょう。

  1. 月経が不順、もしくはすでに閉経している
  2. のぼせ、ほてり発汗がある
  3. 明らかな病気がない、検査でも異常がない

参照:2018年度「メノポーズ週間」|日本女性医学学会 動画「更年期・基礎知識編」より

更年期の生活習慣を見直すポイント

更年期には、自身での体調管理がとても大切です。
治療をはじめる前に、日々の生活を見直してみましょう。
日本女性医学学会が提案する体調管理のポイントは「適度な運動・食生活を見直す・睡眠の質を高める」の3点です。

  • 適度な運動

    軽く汗ばむ程度のウォーキングなど、無理のない適度な運動を習慣に。

  • 食生活を見直す

    バランスの良い食事を心がけましょう。良質のたんぱく質やビタミン、ミネラルをとるためには、大豆、魚、野菜、果物などをバランスよく摂取することが大切です。また、女性特有の変化には、女性ホルモンと似た働きをするエクオールなどの成分を含むサプリメントを活用する方法も。

  • 睡眠の質を高める

    規則正しい生活リズムで、睡眠の質を高めましょう。入浴は就寝の2~3時間前に済ませ、就寝前のコーヒーや緑茶、寝酒、喫煙は控えること。日中は自然光を浴び、適度に活動することで、昼夜のメリハリがつき、健やかな睡眠につながります。

参照:2018年度「メノポーズ週間」|日本女性医学学会 動画「更年期・セルフケア編」より

更年期後の人生をより健やかに過ごすために

更年期は「人生のターニングポイント」です。健やかに過ごせるよう前向きにとらえることが大切です。閉経を迎える時期は個人差があるものの、平均年齢は約50歳とされています。1985年以降、日本女性の平均寿命が80歳を超え、その後も年々伸び、閉経後に30年以上を過ごす可能性が高くなりました。

「世界メノポーズデー」や「メノポーズ週間」は、更年期や閉経について学び、理解を深める機会です。更年期以降も健やかに過ごすために、自分自身を見つめ直すとともに、定期的な「婦人科検診/健診」を行い、パートナードクターとなる「かかりつけ婦人科医」を持つなど、医療機関を積極的に利用しましょう。

更年期は「変化のプロセス」です。日々の生活を見直しながら人生の後半を前向きに楽しめるように取り組んでみましょう。