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“ととのう”の一歩先へ
〜スキンケアとサウナの関係〜


-前編-

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意外と知られていないサウナ(入浴)とスキンケアのこと。サウナ後のお肌はどんな状態になるのか? サウナ後のベストなスキンケアとは? サウナ界のなかで、知られざる真実を具体的に「追求」している識者の2人が徹底議論。あまり語られることのない、スキンケアの重要性について対談してもらいました。

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草彅洋平(くさなぎようへい)

編集者、クリエイティブプロデューサー、サウナ研究家。CULTURE SAUNA TEAM"AMAMI"主催。温泉の著書に『作家と温泉』。サウナの著書に『日本サウナ史』(第1回日本サウナ学会奨励賞・文化大賞受賞、Saunner of the Year 2021 受賞)、『サウナ語辞典』(Saunner of the Year 2023 受賞)がある。

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加藤 容崇(かとうやすたか)

慶應義塾大学医学部特任助教・日本サウナ学会代表理事。専門は癌ゲノム(癌遺伝子検査)と癌の早期発見技術開発。サウナをはじめとする世界中の健康習慣を最新の科学で解析することを第二の専門としている。著書「医者が教えるサウナの教科書」(ダイヤモンド社刊)はロングセラーに。

第1話:サウナ中は汗で保湿する
草彅
加藤先生は日頃スキンケアはされますか?
加藤
僕はスキンケアを日常では雑にやっていますね。
草彅
僕も一緒ですね。男性、いや、中年男性はスキンケアに対して適当にやっている人が多い印象ですね。
加藤
基本やらないか、面倒くさいから一本で済ましたいみたいな人が多いですよね。細かく使い分けたりするのは美容意識の高い、若い子が多いのではないでしょうか? なんとなく乾燥するからオールインワンを使っておこうという、ズボラな人が多い印象ですね。
草彅
僕はヒゲ剃った時は、必ずスキンケアしたくなります。肌が弱いのでヒリヒリして痛くなってしまう。ところが施設に化粧水や乳液を置いているところは少ない。銭湯だとシャンプーすら置いていない施設がほとんどですから。
加藤
少ないというかほぼないんじゃないですかね。頭につけるトニックはありますが、スキンケア用品を置いてくれている施設は皆無です。
草彅
仮にあっても、香りも強い保湿液が多いですよね。スキンケアに頑張っている下の世代の男子たちからすると、あまり使いたがらないようなものが平然と置かれている。
加藤
若い人ほど本来は肌質が良いからケアする必要がないような気もしますけどね。そもそもおじさんの方がパサついてるからむしろやった方が良いと思います。
草彅
なるほど、中年以降の方がスキンケアの必要があるんですね。もともとサウナブームになるまで、女性がサウナに入らない理由の一つに、お肌や髪にダメージがあるみたいな、イメージの悪い話がありましたよね?
トークイメージ
加藤
フィンランドサウナが流行るまで主流だったドライサウナはめちゃくちゃ乾燥してましたからね。なかでも遠赤外線サウナは輻射熱で温めるから、とんでもなく乾燥させられます。
草彅
確かに。とすると女性がサウナはお肌に悪いと言っていたことは正しい意見だったんですね。赤外線サウナはそんなに肌に悪いんですか?
加藤
はい、直接肌に当たって温度が発熱する仕組みですから。ロウリュ(*サウナストーンに水をかけ、蒸気を発生させることで、サウナ室内の体感温度を上げる行為。フィンランド語)するフィンランドサウナだったら、熱も伝わると同時に、水蒸気のおかげで水分も発生しますよね。だからこそ乾燥はそこまでしませんが、湿度が低い上に輻射熱で直接赤外線が当たるドライサウナの肌のダメージは相当なものです。
空気の乾燥具合を表す尺度である相対湿度(*ある温度において空気中に含まれることができる最大量の水蒸気<飽和水蒸気量>に対する、実際の水蒸気量の割合を百分率で表したもの)で言えば、飽和水蒸気圧は温度に依存して上がっていくので、相対湿度はどんどん下がりますので、相対湿度だけでなく絶対湿度、つまり空気中にどれだけ水分を含むことができるのかが大事です。
草彅
日本では衛生観念や礼儀として、お風呂やサウナ入る前に必ず洗体をしてから入るように小さい頃から習慣づけられていますよね。皮膚の汚れをとってからサウナに入った方が汗をかきやすいという人もいます。でも洗体すると油分が取れてしまうから、肌のバリアがなくなってしまう。実はかなり無防備な状態でサウナに入っていたわけですね。
加藤
でも汗かいていれば、水分が体から出ていっているから、まだ表面には水分が残っていると言っていいでしょう。
草彅
サウナ室で汗がベタベタ出ている状態の方がまだ肌が守られているということですか? 
加藤
身体の中から抜けていますが、肌にはまだ水分がまとわりついていますからね。
草彅
知らなかったです! 汗は拭き取らず、濡れたままにしておいた方が肌には良いんですね。汗には塩分が混じりますが大丈夫なんですか?
加藤
意外と大丈夫です。またタオルで拭いたくらいじゃ、問題はありません。またサウナ浴を日常的に行っている人は、汗の成分が変わっていくため、塩っぽくなりにくいんですよ。汗の中にも保湿成分やアミノ酸とかも入ってるので、別に必ずしも「汗」=(イコール)「悪」でもないのです。
サウナに入っている人ほど加齢臭がしなくなるみたいな話がありますが同じですね。サウナに入ってるおじさんは、加齢臭の原因となる皮脂が減っていくから、体臭も臭いにくくなります。
草彅
サウナー(*サウナ愛好者のこと)になると体の代謝が良くなって、汗っかきになる人が多いです。皆、サラサラの汗になると言いますもんね。じゃあ、体臭で悩んでいるおじさんほど、サウナに入った方がいいってことですね。
加藤
そうですね。(笑)
第2話:保湿のためにとにかく急げ!
トークイメージ
加藤
スキンケアで大事なのはサウナの後。サウナ中に水分が出てしまった肌は、汗が引いたら思いっきり乾燥していきます。なので、特に気をつけなければいけないのは、サウナの直後。すぐに乾燥が始まるため、なるべく早く乾燥を防いであげる必要があります。
草彅
サウナ室を出たら、普通はかけ湯やシャワーで汗カット(*サウナ後、水風呂に入る前にシャワーやかけ湯、水などで汗を流す行為)して水風呂に入って外気浴しますよね。その時にはもう乾燥は始まってるってことですか?
加藤
出た瞬間から始まってますね。急速に水分が蒸発し続けます。
草彅
どれぐらいの速さで保湿した方がいいですか?
加藤
本当は一刻も早くです。でも、僕はサウナ→水風呂→休憩の間には特に何もしないですよ。保湿クリームには香りがついていたり、クリームで水も汚れたり、タオルに染み込んだままサウナに入った場合にはサウナマットに可燃性の成分が染み込んで火事になる可能性もあるそうなので、浴室内で保湿するのは基本的にはNGだと思っているからです。全部終わって脱衣所に戻った直後、保湿する流れですね。
草彅
風呂上がりに水拭きしたら、脱衣所で即座に保湿する必要があるということですね。
加藤
パンツ履く前に全身に塗る必要がありますね。パンツや靴下より先。直後にやることが大事です。
トークイメージ
草彅
サウナやお風呂に入らなければ、浴室に持ち込んで、最後の外気浴前に保湿するのが一番スピーディーかもしれませんね。
加藤
お風呂に入らなかったら浴室も汚れる心配もありませんから、セットに一つ忍ばして、最後にフィニッシュして出る流れもいいかもしれません。
草彅
先生はサウナ後の肌は水分が奪われているとおっしゃいますが、サウナ後の肌はモチモチして、うるおっている感じがしますよね?あれはなぜなんでしょう?
トークイメージ
加藤
確かに直後は若干うるおっているんですよ。その理由は、汗をかいた結果、湿っぽい感じなのと、血管が拡張しているからだと思います。血流量も増えるので、含まれる水分量も多いと思うんですよ。でも15分後の時点では乾燥が進んでしまっているので、本当にうるおっている感じなのはごくわずかの間ですね。
草彅
それじゃあゆっくり外気浴していると、いつの間にか肌はボロボロになっているんですね。でもサウナに毎日のように入っている人は、肌に赤味があり、なぞのテカテカ感もありますね。
加藤
習慣的にサウナ入る人は、血管の密度が高くなっているし、汗をかく効率もいいから、実際潤ってるんでしょうね。面積あたりの発汗量を表す「スウェットレート(発汗効率)」というものがあります。これを調べると、サウナ入ってる人ほど発汗量が多いんですよね。
草彅
サウナ好きは代謝が良くなりすぎて、何でもない日常なのに、大汗かいている人が多いですものね(笑)。
加藤
汗をかく、イコール、代謝が高いというのも実は誤った考えなのですが、サウナに日常的に入っている人は自律神経の活動も高く温度調節も早いため、温度への調整が上手になり熱中症にもなりづらくなります。面白いのは「スウェットレート」は成長するんです。毎日一回サウナに入ることで徐々に上がっていく。でも5日間でマックスに達します。5日以降の「スウェットレート」は増えません。そしてサウナに入らないと、実は3週間かけてゼロになってしまうんですよ。
草彅
筋トレみたいで面白いですね。
加藤
ただ乾燥は常にしますからね。汗を効率よく出せるっていうだけで、お肌は別に他の人と変わらない。乾燥するんです。
草彅
それで言うと、サウナーだから肌質が良いというわけでもないんですね。乾燥から身を守るには、保湿以外に何か効果があるものはありますか?
加藤
保湿以外だと、やっぱり水分補給になります。脱水になったら汗をかかなくなりますから。
草彅
入浴前の飲水は大切ですね。でも「サウナは必ず水を飲みましょう」みたいな啓蒙はたくさんありますが、「お肌はすぐに保湿しましょう」みたいな看板はないですね。今後、声を大にして広めていきたいですね。

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UL・OS(ウル・オス)は、体重の約16%を占める器官である皮膚に着目し、健康な肌こそが美しい肌につながるという発想のもと生み出された「健粧品(コスメディクス)」です。
保湿・洗浄・紫外線対策の3つの視点から男性の肌悩みを根本からサポートします。

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