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“ととのう”の一歩先へ
〜スキンケアとサウナの関係〜


-後編-

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意外と知られていないサウナ(入浴)とスキンケアのこと。サウナ後のお肌はどんな状態になるのか? サウナ後のベストなスキンケアとは? サウナ界のなかで、知られざる真実を具体的に「追求」している識者の2人が徹底議論。あまり語られることのない、スキンケアの重要性について対談してもらいました。

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草彅洋平(くさなぎようへい)

編集者、クリエイティブプロデューサー、サウナ研究家。CULTURE SAUNA TEAM"AMAMI"主催。温泉の著書に『作家と温泉』。サウナの著書に『日本サウナ史』(第1回日本サウナ学会奨励賞・文化大賞受賞、Saunner of the Year 2021 受賞)、『サウナ語辞典』(Saunner of the Year 2023 受賞)がある。

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加藤 容崇(かとうやすたか)

慶應義塾大学医学部特任助教・日本サウナ学会代表理事。専門は癌ゲノム(癌遺伝子検査)と癌の早期発見技術開発。サウナをはじめとする世界中の健康習慣を最新の科学で解析することを第二の専門としている。著書「医者が教えるサウナの教科書」(ダイヤモンド社刊)はロングセラーに。

第3話:世界のなかで日本人は乾燥していた!?
草彅
サウナ研究はフィンランドやヨーロッパ諸国が発展していると思うのですが、 日本人の肌に参考になるデータはあるのでしょうか?
加藤
海外の研究が日本人にとっては当てはまらないと思っています。というのも 日本人の入浴方法は特殊ですからね。風呂とサウナの両方に一度に入り続ける民族は、日本人くらいです。
草彅
外国人は基本シャワーで終わりの人が多いですもんね。温浴施設に水風呂もない国がほとんどです。
加藤
入浴後の肌に関する外国人の研究を読んで、「これは日本人に当てはまるものなのか?」と、いつも懐疑的だったんですよ。水に長く浸かるほど油が取れますよね? 日本人はサウナだけでなく、水風呂や温かいお風呂にも入るから、皮膚の乾燥具合も外国人と比べてめちゃくちゃ悪いんじゃないかなと思っていたんですよ。
ある時、友だちを呼び、サウナの直後と15分後ごとに肌の水分量を計測したんですよ。そうしたら、やっぱり論文よりも早く、大きく乾燥しているってことがわかったんです。やっぱり日本人の方が保湿をきちんとした方が良いという結論になりました。
草彅
日本だとアカスリが施設に併設されていたり、洗い用のタオルでゴシゴシ肌を擦るため、肌の直接的なダメージも大きそうですよね。でも、スキンケアに対して、そこまで意識が高いわけでもなかったのはなぜなんですかね?アジア以外の国々は大気も乾燥しています。日本の気候風土として、もともと湿度が高いから、肌の乾燥に対して特にいままで気にしなかったというのがあるかもしれない。冬の乾燥シーズン以外は、何もしなくても大丈夫、と勘違いしていた可能性もあります。
加藤
とても湿度が高い日を除き、実はサウナ後の肌はほぼ乾燥しているんです。特に夏場は湿度が高く乾燥のイメージは無く、ベタベタするから嫌だと思う人も多いかも知れませんが、サウナ後には季節に関わらず肌をカバーする油分は取れてしまっているので夏場でもスキンケアは大事です。
草彅
シーズンを通して使える、ベトつかない保湿液が大事ですね。ここまで保湿がいかに大切かを聞いてきましたが、一方で本音を言えば、「肌が乾燥して何が悪い?」みたいな、昭和の男的な、ものぐさな自分もいます。
加藤
肌が乾燥するといろんな悪いことが起きますが、一番悪いことは「老けて見える」ことだと思います。よく「毛穴が目立つ」って言いますよね? 実は、あれ、毛穴じゃなく、シワなんです。毛穴だと思ってて見ている部分は、シワとシワのクロスしてるポイント。乾燥していなければモチモチしているので、シワもピタッと閉じてくれますが、乾燥してくると開いてくるため目立ってくるのです。
草彅
見た目が老けて見える! それはイヤですね(笑)。これはもう顔だけじゃなくて全身ということですよね?
トークイメージ
加藤
全身の中で顔はまだ割と油がたくさん出る部分でもあります。あまり毛が生えてない手の甲とか脛のような部分こそ、重点的に保湿した方がいいと思いますね。Tゾーン(額・鼻・あご)などの部分で皮脂が多く、ベタつきやすいのに、頬や口元などは乾燥しがちな混合肌みたいに、自分の肌のことをよく知って、自分はこの辺の脂が多くてこの辺が少ないからと使い分けている若い人もいます。
草彅
自分の肌を知ることが大切なんですね。
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第4話:お肌も「ととのった〜!!」
草彅
日本独自のサウナ研究を進めたい。そうした意識から加藤先生は「サウナウォッチ」(*日本サウナ学会代表理事監修のサウナ専用の腕時計。専用のアプリ「サの国」を用いることで、さまざまなデータを計測できる)で、ユーザーの実証データを集めていますよね?
加藤
そうですね。やっぱりモヤモヤして、気持ち悪いじゃないですか。知らないこと、わからないことをハッキリさせていきたいです。僕らは「追求系」じゃないですか?
草彅
サウナーのタイプとしてはお互いに「追求系」ですよね(笑)。
加藤
「本当はどうなんだ?」という疑問を追求して、一部のマニアだけが納得するものではなく、誰もが納得して生活に浸透すれば良いと思っています。わからなかったことを可視化していきたいという気持ちがあります。
草彅
共感します。僕は巷で言われる「サウナは3セット」という推奨もピンときていないんですよね。サウナも入りすぎて、もはや1セットで十分満足してしまう。3セットはやや過剰のように感じています。
加藤
あの啓発は「3セット入ることを勧める」というよりも、「3セットを超えて入らないように推奨する」という表現だと思っています。というのもサウナに普段入らない人も含めて自律神経が疲れて反応しなくなり始めるタイミングが3セット以降なんですよ。4セット以降は、いわゆるのぼせ状態に近づいてしまいます。
草彅
なるほど! そう言われれば納得できます。のぼせ状態はお風呂の事故にもつながりますから避けたいですものね。サウナはどれくらいの頻度で入るのがベストなんでしょうか? 
加藤
「サウナウォッチ」で毎日必ずサウナに入っている珍しい人を見つけたんです。気になるじゃないですか、バイタルなデータが。自律神経の状態を見てみたんですけど、意外とその人はのぼせていませんでした。日課なので、基礎の活動量が高いんですよ。もう体が出来上がっているんですね。でもこのような入り方は危険なので全くオススメできませんけどね。
草彅
熱波師やウイスキングといったサウナの中で働いている人もそう言いますよね。最初は本当にキツかったけど、だんだん慣れて、仕事に耐えられるようになったと。要は体が環境に慣れるわけです。僕の知人は、病気で数週間休んだ後に、職場に復帰した時が心底辛かったと嘆いていました…
加藤
先ほどの「スウェットレート」の話にもありましたが、3週間くらいで実質ゼロになりますからね。その時の環境に応じて体が変化するため、3週間入らないと本来の状態に戻ってしまいます。
草彅
お話を聞いて思ったのは、普通にサウナに通う人はもちろんですが、 そもそも熱波師やウイスキングといった温浴業界に携わる人たちは、相当保湿しないといけないわけですね。
加藤
その通りです。健康状態にも気をつけて欲しいですが、同時にお肌にも人一倍気をつけて欲しいですね。
草彅
サウナ後のスキンケアにもっとも最適な保湿液とは、どのような種類なのでしょうか?
加藤
突っ込んで話せば、保湿液の成分は商品によって全然違いますよね。化粧液を肌につけた時、肌に浸透する早さと、角質層に留まる時間の2つが大事なんです。小さな物質ほど浸透は早く、ジェルクリームなど、油分が多いものは、持続時間も長いです。僕はサラサラ感と持続時間を気にして選んでいます。
草彅
ポイントは早さと持続力なんですね。一定時間とどまって、角質層をうるおしてくれるものが必要だと。
トークイメージ
加藤
肌をうるおすのに大切なのは、保湿液に含まれている保湿成分の「分子の大きさ」です。それによって持続時間が決まっていると思います。例えば一般的な保湿液に入っている<セラミド>*という物質は、小さな分子で浸透が早い分、すぐに血管内に吸収され、排出されて、なくなってしまいます。また保湿成分が水分をどれくらい保持しているのか、という点も大切です。
あとは表面のカバーリングですよね。保湿液には「水分を増やす機能」と「カバーしてくれる機能」の2つがあります。水分を留めることで、蒸発を防ぐ効果があるのがカバーです。カバーして、角質層以降で水分を保ったまま留まってくれると、割と肌感としてはモチモチした感じが持続します。
草彅
サウナ浴をしてからの方が、スキンケア用品の入りが良くなるという話を聞いたことがあるのですが、本当ですか?
加藤
はい。逆に肌が乾燥しているから良いんでしょうね。いろいろなものが失われてますから。
草彅
要はサウナ浴によって過度に奪われた分、保湿液が浸透するんですね。
加藤
サウナ浴で古い油分とかも取れてるんですよね。油分は時間が経過すると変性するため、ニキビや肌荒れ、体臭の原因などになったりします。肌の油分を保つのは大切ですが、長く保持しすぎるのも良いものではありません。肌のコンディションを入れ替えるタイミングでサウナに行くのがベストでしょうね。
草彅
スキンケアすると「ととのい」やすくなるというデータはありますか?
加藤
うーん、それはありませんが、例えばスキンケアしないと肌が乾燥して痒くなってしまうというのは言えますよね。サウナ浴をしていると、体温が上がった結果、肌の痒みが増していくことがあります。熱して乾燥すると肌が痒くなるのです。なので外気浴中にせっかくいい気分なのに、痒さで気が散ってしまうということが起きてしまいます。
草彅
確かに! よく体を掻きむしっている人をサウナで見かけます。
加藤
我々が心身ともに快適であるってことに対して「ととのう」と言うのであれば、究極の「ととのい」のためには、お肌もスキンケアして、常に「ととのわす」べきですよね(笑)。
草彅
間違いないですね。この話を聞いて、「肌がととのっていないからダメだ!」みたいな真の「ととのい追求者」が出てきそうな気がしています(笑)。

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UL・OS(ウル・オス)は、体重の約16%を占める器官である皮膚に着目し、健康な肌こそが美しい肌につながるという発想のもと生み出された「健粧品(コスメディクス)」です。
保湿・洗浄・紫外線対策の3つの視点から男性の肌悩みを根本からサポートします。

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