社員を大事にするのは創業者から引き継がれた会社としての理念でもありますが、私自身の経験を活かして取り入れている、各営業所管理職員による「声かけ」という独自の取り組みを実行しています。これは、職員自らが乗務員の出勤時に一人ひとりに「声かけ」をする、という取り組みなのですが、こういった細やかなコミュニケーションを行う事で乗務員の状態を把握しています。

コミュニケーションの他にも乗務員の体調管理を目的とした側面もあり、この声かけ時の応対が普段と違わないかをしっかりと観察していたことで、ある乗務員の脳梗塞の兆候に気づき事故を未然に防いだという、実績もあります。その乗務員も軽症で済みました。

タクシー運転手という仕事は、体調管理を怠れば事故に直結しかねない、大変責任のある仕事です。乗務員の体調管理や感染症予防には以前から^※1力を入れており、除菌スプレーによる車内および手指の消毒や、毎朝の体温測定^※2などはかなり以前から実施していました。

※1 以前からの取組
・除菌消臭スプレーの社内散布
・車内空間の除菌消臭用の固形物の設置
・高血圧者の血圧測定
・睡眠時間の聞き取り
・持病持ちの服薬状況確認
・自動販売機の中身変更（カップラーメンをやめ、カロリーメイトやソイジョイへ変更）

※2 コロナ後の対応

乗務員の高齢化等、タクシー業界が抱える課題は多くありますが、今後も健康経営や職場の環境改善に積極的に取り組んでいきたいと考えています。将来、当社の取り組みによって「この仕事に就きたい」とタクシー乗務員を目指す若者が増えてくれれば、こんなに嬉しいことはありません。

株式会社フジタクシーグループ
代表取締役　梅村尚史 氏