STORY カロリーメイト誕生秘話

  1. 開発のきっかけは点滴風景

    「健康とはなんだろうか」。
    ある1人の研究員は、健康をテーマにした製品開発に向け、ずっと悩んでいました。彼は訪問先の病院で、点滴を受けている元気そうな患者さんがちゃんとした食事がまだできないため、病気が治ったからといってもなかなか健康な状態には戻らないということを知りました。
    そこで研究員は、もし、点滴ではなく口から十分な栄養が摂れるものを開発できたら、退院して自宅での療養も可能になり、社会復帰も早まるのではないかと考えました。
    この考えは後に、現在の大塚製薬が掲げる「病人の健康回復」「健康人の健康維持・増進」という2大テーマのベースとなり、カロリーメイトが生まれる大きなきっかけとなったのです。

  2. 点滴に代わる栄養食を。
    ヒントになったのは宇宙食?

    長年培ってきた技術とノウハウを活かし、点滴に代わる栄養食をつくりたい。
    そこで開発のヒントになったのは、意外にも宇宙食でした。当時は、宇宙開発競争が熾烈を極めた時代。その頃の宇宙船は機内が狭かったため、食事については、かさばらないものや排泄物が少ないものでなくてはなりませんでした。つまり、「消化吸収が良く、必要な栄養素がきちんと入り、しかもコンパクトで、手軽に食べられるようワンセットになっているもの」が、宇宙食で求められていたのです。
    この宇宙食のコンセプトを、点滴に代わる栄養食へ応用できないかと考え、研究開発はスタートしました。

  3. ようやく生まれた、医療向けの
    栄養食「ハイネックス- R(粉剤)」

    「健康の新しい概念 、点滴に代わる栄養食 、そして宇宙食のコンセプト」。
    これら 3つの点を一つにすれば、画期的な製品を作りだせると、大塚の研究員たちは思っていました。しかし、確信をカタチにすることは容易なことではありませんでした。
    まず、口から摂取する栄養食となると、食べ物なので基本的においしさが求められます。でも、単においしさだけを追求したら、他の食品メーカーと変わりません。そのため、あらゆる専門ドクターを集めて研究会を開いたり、臨床データを取るなど、徹底的に栄養バランスを追求しました。
    研究開発から妥協することなく試行錯誤を続けた結果、経管・経口栄養食「ハイネックス‐R(粉剤)」が1979年に誕生したのです。

  4. 社会問題が追い風になり、
    やがて一般食向けの栄養補助食へ

    ハイネックス- R(粉剤)が発売されてから4年後。 当時は、ライフスタイルが多様化してきた時代。食べ物の欧米化、インスタント食品の氾濫、朝食欠食や深夜の食事など、食生活も大きく変化していきました。
    健康の基本は、バランスのとれた食事。けれども忙しい現代人 にとって、一日三食・30 品目といった健康的な食生活は困難なもの。 そうした状況のなか、現代人の食生活を応援する「バランス栄養食」品としてカロリーメイト缶は開発をスタートしたのです。

  5. 開発になんと6年。
    味と栄養のバランスへの未知なる挑戦

    カロリーメイト缶は何種類もの原材料を使用しているため、品質を安定させるのが困難な製品。
    乳化の問題は、開発を進める上で大きなハードルになりました。乳化とは、水と油のように普通は混じり合わない物質を均一に混ぜ合わせること。開発者たちの頭を悩ませ乳化の問題をクリアするだけで、実に3年が費やされたのです。
    次に待っていたのは、栄養と味のバランスでした。普通の食品なら“味”を中心に開発されますが、カロリーメイトの場合は“栄養”が中心。栄養とおいしさ、どちらかを調整すれば、どちらかが崩れる。この二律背反を解決するために、数えきれないほどの試作をくりかえし、6年もの歳月をかけて製品を作り上げました。

MOVIE カロリーメイト誕生ヒストリー

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