栄養教養学部 / カラダ整え学科
鉄
鉄を多く含む食品
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ほうれん草
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切り干し大根
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豚肉
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ハム
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鶏肉
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魚
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豆
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牛肉
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レバー
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羊肉
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あさり缶詰水煮
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海藻
思考力にも
影響する
成分ですぞ
1日の摂取推奨量:
30歳〜49歳
男性 7.5mg
/ 1日の摂取推奨量:30歳〜49歳 女性 6.5mg(月経なし)10.5mg(月経あり)
妊娠初期は2.5mg, 中期・後期は9.5mg, 授乳中は2.5mgの付加が推奨されています。
※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」より
鉄の性質と働き
鉄は赤血球の材料になり、全身に酸素を運ぶ役割を担うミネラルで、不足することで貧血を発症します。
体内には3~4gの鉄が存在し、このうちの70~75%は機能鉄と呼ばれ、赤血球中のヘモグロビンや筋肉中のミオグロビンというタンパク質の構成成分となっており、体内に取り込まれた酸素を全身に運ぶ大切な働きがあります。残りの25~30%は貯蔵鉄として肝臓、脾臓、骨髄などに蓄えられ機能鉄が不足した際に使われます。
期待できる効果
思考力、学習能力、記憶力の改善
鉄の主な働きは全身に酸素を運搬すること。鉄不足により脳へ酸素がいきわたらないと思考力、学習能力、記憶力の低下につながります。鉄の適量摂取は運動能力や学習能力の向上が期待できます。
摂取のポイント
鉄には動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と、植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」の2種類があります。非ヘム鉄の体内への吸収率は2〜5%ほどといわれていますが、ヘム鉄はタンパク質に包まれていて吸収しやすいかたちになっているため、吸収率は10〜20%とされています。非ヘム鉄はビタミンCにより吸収が促進されるので一緒に摂るのがおすすめです。カフェインは鉄の吸収を阻害する可能性があるため、貧血気味の方は食中、食後のコーヒーやお茶を控えた方がよいでしょう。

摂取の注意点
摂取不足
鉄は一日の食事量が少ない方や食事バランスの悪い方に不足しがちな栄養素です。また、激しい発汗などで鉄不足になりやすいため、アスリート、運動習慣がある方は注意が必要です。欠乏すると鉄欠乏症貧血や低色素性貧血になることがあり、頭痛や動悸、無力感や食欲不振、作業能力の低下、運動量の減少、手指の爪の変化などの症状を起こす場合があります。また女性は月経により貧血になりやすい傾向があり、特に成長期や月経周期の長い方、月経過多の方はこれらの症状が現れやすいので注意しましょう。
過剰摂取
鉄の吸収率から鑑みて通常の食事での過剰摂取の心配はほとんどありませんが、過剰な摂取を続けていると鉄沈着症、亜鉛の吸収阻害などが起こる可能性があります。幼児の場合は急性中毒となり胃腸障害、肝不全、致命的な低血圧などの深刻な症状を起こすおそれもあるので気をつけましょう。
妊娠中、授乳中の方へ
許容上限量の1日あたり40mgを摂取する場合にはほとんどの人に安全のようです。高用量の鉄を摂取することにより、吐き気および嘔吐など胃腸に不調をきたす副作用を引き起こすことがあります。
