栄養教養学部 / カラダ整え学科

カルシウム

カルシウムを多く含む食品

  • 牛乳

    牛乳

  • チーズ

    チーズ

  • 水菜

    水菜

  • モロヘイヤ

    モロヘイヤ

  • イワシ丸干し

    イワシ丸干し

  • 生揚げ

    生揚げ

健康な骨
保つために、
不足には注意ですぞ!

1日の摂取推奨量:
30歳〜49歳
男性 750mg / 女性 650mg

※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」より

カルシウムの性質と働き

カルシウムは、骨や歯の形成に必須のミネラルです。人間の体を構成するミネラルのうち最も多く存在し体重の1〜2%を占めています。体内にあるカルシウムの99%は骨や歯などの硬い組織に存在する「貯蔵カルシウム」、残り1%は血液、筋肉、神経などの軟らかい組織に存在する「機能カルシウム」で、これらは細胞の分裂分化、筋肉収縮、神経興奮の抑制、血液凝固作用の促進などに関与しています。血中のカルシウム濃度を一定に保つため、機能カルシウムが不足すると骨にある貯蔵カルシウムが放出されるといった相互関係にあります。
骨は約3ヶ月のサイクルで、骨形成(骨へのカルシウムの沈着)と骨吸収(骨からのカルシウムの溶出)を繰り返します。成長期には形成量が吸収量より多いため骨量増加、男性では50歳代から、女性では閉経後に吸収量が形成量を上回るため骨量が減少していきます。健康な骨を維持するためにも生涯を通じてカルシウム摂取の心掛けが必要です。

期待できる効果
イライラの予防にも

カルシウムは神経活動に重要な役割を担っており、血液中のカルシウム濃度が下がると興奮しやすくなります。血液中のカルシウムは神経伝達にも関与しているため、体内のカルシウムバランスを適正に保つことが大切だといえます。

摂取のポイント

カルシウムは主に小腸で吸収されます。吸収率は食品によって大きく異なり、加齢とともに腸での吸収率自体も低下します。吸収されやすい乳製品(約50%)や吸収を高めてくれるビタミンDが含まれる小魚(約30%)、ビタミンKが豊富な小松菜やほうれん草など緑色野菜(約20%)と組み合わせて摂るのがおすすめです。

摂取の注意点

摂取不足

カルシウムは摂取量がほとんどの年代で不足している栄養素の一つで、摂取量自体も減少傾向にあります。カルシウムが不足すると骨量が減少して骨折を起こしやすくなったり、骨軟化症、骨粗しょう症、くる病、肩こり、腰痛などを引き起こすおそれがあります。加齢にともない体内のカルシウム濃度は減少する傾向にあり、特に閉経後の女性はホルモンバランスの変化によりエストロゲンの値が低くなるため、若い女性のカルシウム不足が閉経後の骨粗しょう症に影響する場合があります。また摂取不足による幼児の骨の発達障害にも注意が必要です。

過剰摂取

通常の食事から摂取するカルシウム量で過剰症が起こることはまれですが、カルシウム強化食品などにより過剰に摂り過ぎた場合、泌尿器系結石や、鉄、亜鉛、マグネシウムなどの吸収阻害が起きる可能性がありますので注意が必要です。

妊娠中、授乳中の方へ

推奨量であればほとんど安全です。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」より